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2022年05月07日 07:01 更新

「 キズができたらまず消毒 」は古い! ジョンソン・エンド・ジョンソンが応急処置の新常識に関する勉強会を実施

家庭で対処する子どもの小さなすり傷や切り傷。早くきれいに治すために、最新の手当の常識を知っておきたいですね。そこで5月5日の「キズケアの日」にちなんで、ジョンソン・エンド・ジョンソンが開催したオンライン勉強会の内容をお届けします。

最新の正しいケア方法を知って、ケガを早くきれいに治そう!

子どもがすり傷や切り傷を負ったら、どう対処していますか? まず消毒して、乾燥させてカサブタにして治していたら、それは古い常識。医療が日々進歩する中、一般の私たちの健康知識もアップデートが必要です。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの勉強会は4月21日にオンラインで開催されました。今でも信じられている古い知識と比較しながら最新の常識をアップデートする内容となっていました。

外遊びに適した3~5月は、子どもの事故やケガが増える時期。レジャーで外出する家族が増え、予期せぬケガをしてしまうケースも考えられます。ですが、同社の以前の調査で実際に子どもがケガをしたとき「正しく対処できた」と回答した人はわずか13.9%。

Q.あなたやあなたのお子様、知り合いがケガをして、あなた自身が手当てや応急処置の対応をしたときの経験を教えてください。

それ以外の「全く対処できなかった」「処置をしたが正しくできたか不安」「他人にやってもらった」を合わせると86.1%となり、多くの人がケガの対処に不安があることがわかっています。

とはいえ、誰もが経験する身近なケガの対処法は、医学的な根拠がないウワサが浸透していることも少なくありません。そこで今回の勉強会ではケガの種類ごとに古い常識と最新の正しい手当が紹介されました。

あなたはアップデートできてる?ケガの対処の新常識はこれ!

ここからはクイズ形式で勉強会の内容を紹介します。
各手当について、一般社団法人「つながる ひろがる 子どもの救急」代表で竜美ヶ丘小児科 小児救急看護認定看護の野村さちいさんが解説しました。

つながるひろがる 子どもの救急 代表/竜美ヶ丘小児科 小児救急看護認定看護師
野村 さちいさん

すり傷・切り傷の手当、正しいのはどっち?

すり傷・切り傷の手当、正しいのはどっち?

正解は「2.水道水でよく洗う」。
以前は、小さな傷は消毒してからガーゼや絆創膏を貼るか、そのまま乾かすのが一般的でした。今ではほとんどの傷は消毒が不要。消毒液が体液の働きを弱めて治りを遅くしてしまうため、水道水でよく洗ったあと、キズパワーパッドのような湿潤療法(モイストヒーリング)ができる絆創膏を貼り、傷を乾かさずに治す方が、早くきれいに治ることがわかっています。

「傷の消毒は長く根付いてきた習慣で、不要といわれても不安になる人も多いようです。ママは消毒が不要と知っていても、パパや祖父母など周囲の人に言われて念のために消毒をしてしまうケースも。家族の間で基本的に消毒は不要ということを共有することも大切です」と野村さん。

ここで、湿潤療法(モイストヒーリング)の正しい手順をおさらいしておきましょう。
まず止血をして家庭で対処できるレベルの傷であることを確認してから、水道水で洗います。このとき、しっかり洗い流すことがポイント。洗い終わったら傷の状態を確認して、キズパワーパッドのような湿潤療法ができる絆創膏を貼ります。その後のポイントは、観察を続けること。
「湿潤療法を成功させるには、貼ったあとの観察が大切です。正しい使い方をしないと効果が半減したり悪化させたりする場合もあるので、そのために何度も何度も、よく観察してください」。
キズパワーパッドは2~3日ごとに交換しますが、観察していて浸出液の量が多く全面にあふれる、においが気になる、かゆみが強いといったことがあれば受診を、とのことでした。

湿潤療法には、傷口を密閉するので痛みが和らぐ、浸出液の働きを最大限活用できるので、傷が早くきれいに治るというメリットがあります。特に子どもの場合、治りかけにかゆみが出てきて掻いてしまうと、悪化したりとびひになったりすることも。顔のすり傷もきれいに治るとのことなので、子どもの傷の手当に積極的に活用したいですね。

ただし、血が止まらない、浸出液が多い、傷が深いといった場合は受診が必要です。動物の噛み傷や、不衛生な環境や感染リスクのあるものでケガをして消毒が必要な場合も、受診する方が良いそうです。また時間が経った傷には充分な効果が発揮できないので、ケガをしたときにすぐ手当ができるよう常備しておきたいですね。

外出中、靴擦れに気づいたら、正しいのはどっち?

外出中、靴擦れに気づいたら、正しいのはどっち?

正解は「2.できるだけ早くケアする」。
以前は靴擦れをしても我慢して、帰宅してから消毒して絆創膏を貼る、というのが普通でした。今は靴擦れも、できるだけ早くケアすることで治りが早くなることがわかっています。外出中でも湿潤療法ができる絆創膏を貼って早めにケアしましょう。
野村さんから「靴の中に雑菌がいることが考えられるので、まず傷の部分をよく洗ってください。洗える場所がなければ、コンビニでペットボトルのお水を買って利用してもいいですね」というアドバイスもありました。

火傷をしたらまず何をする?

火傷をしたらまず何をする?

正解は「1.流水で冷やす」。
耳たぶを触っても特に効果はありません。またアロエを塗るという対処法もよく聞かれますが、アロエの皮がやけどを刺激して治りが悪くなる可能性も。まずは流水で患部を20分以上冷やしましょう。赤みが出ている程度の軽いやけどであれば、湿潤療法ができる絆創膏で対応できるそうです。

このほかにも鼻血、虫刺され、打撲、捻挫などについて、古くから信じられている手当と、最新の正しい手当の説明がありました。

応急処置の新常識
応急処置の新常識

なお、熱中症もかつては倒れてから対処する、というのが一般的でしたが、今は何より予防が大切とされています。これからの季節、水分補給をこまめにして、体調をよく観察して何かあれば早めに涼しいところへ移動して休むようにしましょう。ママやパパの場合、子どもの水分補給や体調に気をつける一方で自分のことがおろそかになっていることも。大人もしっかり水分補給をして、自身の体調をよく観察してくださいね。

湿潤療法(モイストヒーリング)の疑問を解決

湿潤療法についてわかっても、やはり疑問になることは出てきます。例えば、「水道水でよく洗う」というのはどのくらい洗えばいいのでしょうか? 最新の処置方法を紹介したあと、Q&Aで野村さんはこう解説していました。

「しっかり洗えているかどうかが、湿潤療法の成功を左右します。何分間という時間の目安はありませんが、傷口がきれいに見えるまでよく洗ってください」

また絆創膏を貼ってから観察するとき、はがして観察した方がいいのでしょうか?

「傷の観察は大切ですが、そのために貼ったりはがしたりしていると、湿潤療法の意味がなくなってしまいます。貼ったうえから観察してください。貼った翌日には浸出液で白く盛り上がってきますが、それだけに留まらず滲出液があふれてくる場合は、使用を中止して受診してください。2~3日貼ったまま交換のタイミングを待てる状態が順調な経過です」と野村さん。

最後に「なかなか湿潤療法を試せなかった方も、正しく使い方を理解したうえで、上手に活用していただきたいです。これからの季節のお出かけには、ぜひキズパワーパッドを持ち歩いていただければ。また使っているうえでどうしても不安なこと、ケガについてわからないことがあれば、かかりつけを受診して診てもらってください。医師に正しいか正しくないか確認することも、知識の更新のために大切なことです」と話していました。

まとめ

今回の勉強会では、どの年代にも古い知識でケガの対処にあたっている人がいること、ケガの種類によって古い知識を信じている人が多いものと、新しい知識が浸透しているものがあることもわかりました。大切な体のことなので、私たちも受け身になるのではなく、日頃からアップデートを心掛けたいですね。

湿潤療法をまだ試していない人は、この機会にここで紹介したやり方、注意事項を参考にぜひ試してみてください。すぐに手当を始めることも大切なので、ケガをする前から湿潤療法ができる絆創膏を持ち歩くこともお忘れなく。

■調査概要
傷の手当てに関する意識調査
調査日 4月 11日
調査対象 全国に住む 20~70代の男女各 30名ずつ 合計180名
調査実施会社 アイブリッジ株式会社
調査方法 インターネット調査

(文:佐藤華奈子)

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