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2022年08月25日 17:03 更新

牡蠣の食べ過ぎで何が起こる?1日何個まで?気になる栄養素と食べ方の注意【管理栄養士監修】

生で食べてもフライにして食べてもおいしく、他の貝類にはない味わいが魅力の牡蠣。牡蠣小屋や牡蠣専門店など、食べ放題を楽しめる場所も増えていますが、牡蠣はたくさん食べても大丈夫なのでしょうか。食べ過ぎのリスクとしてどんなことが考えられるのか、1日の適量はどのくらいか、解説します。

牡蠣の栄養にはどんなメリットがあるの?

生牡蠣やカキフライ、油漬けなど、さまざまな食べ方で楽しむことができる牡蠣(かき)。「海のミルク」と呼ばれるほどに栄養が豊富ですが、具体的にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

低カロリーで高たんぱく

牡蠣の栄養の特徴の1つとして、低カロリーで高たんぱく質な点が挙げられます。生の牡蠣100gあたり58kcal、たんぱく質4.9g(※)が含まれます[*1]。1粒(20g)あたりでは12kcaⅼです。コクがあるのでカロリーが高そうに思っていた人もいるかもしれませんが、実は4、5粒を食べても60kcal前後と、低カロリー食品なのですね。

(※)アミノ酸組成によるたんぱく質を指す。食品のたんぱく質量の算出方法には窒素の量からたんぱく質の量を計算する方法もあり、窒素量から算出した場合の牡蠣のたんぱく質は100gあたり6.9gとなる。

亜鉛の量はトップクラス

生牡蠣

牡蠣は亜鉛が豊富なことで知られ、100gあたり14mgの亜鉛を摂取することができます[*1]。亜鉛はたんぱく質とともにからだを作るもとになる重要な栄養素であり、欠乏すると皮膚炎や味覚障害、成長障害などを起こす可能性があります[*2]。

亜鉛は牡蠣だけでなく、その他の魚介類や肉類にも多く含まれます。日頃から肉や魚を摂取していれば、欠乏する心配はあまりないでしょう。しかしながら、麺類やおにぎりだけなど糖質だけに偏った食生活などをしていると亜鉛不足になるかもしれません。

心当たりがある場合は亜鉛を含む食品の摂取を意識したいですね。牡蠣は他の魚介類や肉類に比べて亜鉛の量が多いので、旬の時期に取り入れたりすると、良い亜鉛の摂取源になってくれるでしょう。

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亜鉛以外にも、鉄やカルシウムといったその他のミネラルや、ビタミンB群も豊富に含まれていますよ。

牡蠣の食べ過ぎにはどんなリスクがあるの?

生牡蠣はもちろん、おつまみなどに最適なオイル漬けなど、ついついたくさん食べたくなってしまいますよね。牡蠣をたくさん食べたときのリスクを考えてみましょう。

亜鉛の摂り過ぎ

牡蠣

お伝えしたとおり、牡蠣は亜鉛が特に豊富な食品です。

<牡蠣の100gあたり亜鉛量>[*1]
生牡蠣 14mg
牡蠣水煮 18mg
カキフライ 12mg
油漬缶 25mg


亜鉛は不足するのも心配ですが、反対に摂り過ぎると銅や鉄などの吸収阻害が生じるリスクがあります[*2]。鉄の不足で貧血などの症状につながることも考えられるため、亜鉛には耐容上限量(※)が設定されています。

<亜鉛の耐容上限量>[*2]
男性/18~29歳 40mg/日
男性/30~64歳 45mg/日
女性/18~74歳 35mg/日


ただし、実際に過剰摂取に結びつきやすいのは、亜鉛のサプリメントや栄養機能食品などを多量に摂取したりする場合です。通常の食品から摂取する亜鉛の量で摂り過ぎになることはほとんどありません。牡蠣による亜鉛の過剰摂取はあまり心配する必要はないでしょう。日頃からサプリメントを活用している場合には注意が必要です。

(※)耐容上限量とは、この量を超えて習慣的に摂取した場合には、健康に悪影響をもたらすリスクがゼロではなくなることを表します。耐容上限量を超えたらすぐに健康を害するということではありませんが、習慣的に摂取する食品では、耐容上限量を超えないように注意が必要です。

プリン体に注意|尿酸値が高いなどの場合

オイスターバー 牡蠣

牡蠣の食べ過ぎによるプリン体の影響が心配な方もいらっしゃるかもしれませんね。牡蠣はプリン体を多く含む食品の1つです。

尿酸値が高い人や通風にかかっている人は食事療法の1つとして、プリン体の摂取を1日400mgにすることが目安とされています[*4]。プリン体は肉類や魚介類をはじめさまざまな食品に含まれるため、厳密にプリン体の摂取量をコントロールすることはなかなか難しいですが、いわゆる「高プリン食」といわれる、100gあたりプリン体を200mg以上含むような食材は極力控えましょう[*4]。高プリン食の例としては、動物の内臓や魚の干物、乾物などがあります。

牡蠣は高プリン食には該当しませんが、100gあたり184.5mgのプリン体を含んでいるため[*3]、尿酸値が高い人は高プリン食同様、なるべく避けた方がよいでしょう。

牡蠣はどのくらい食べていいの?

牡蠣だけで亜鉛の過剰摂取が起こるリスクは低いですが、かといって食べ過ぎても大丈夫というわけではありません。上限の目安にしたい量や適量を知っておきましょう。

適量の目安|1日5粒(100g)程度

牡蠣フライ

国民の健康を考えた食事バランスを示す「食事バランスガイド」では、大人の1日あたりの主菜を3~5SV分(※)としています。牡蠣以外にの魚介類や肉類、卵、大豆製品などのたんぱく質も摂ることを前提に、牡蠣は1日あたり1SVを適量と考えるといいですね。1SVはたんぱく質6gを意味しており、牡蠣だと1SV=約100g、約5粒程度となります。

(※)SVとは食事バランスガイドの中で用いられる単位で、皿の数を表します

上限の目安|生牡蠣で1日あたり300gまで

通常、食品からの亜鉛の過剰摂取は起こりにくいとされているものの、牡蠣に含まれる亜鉛の量から考えると、毎日、牡蠣を300g(約15粒)以上食べるということは避けましょう。

実際には毎日この量を食べるという食生活はなかなか考えにくいものですが、食べるものが牡蠣に偏ることで野菜や穀類などの摂取が足りなる可能性も生じます。牡蠣が好物であっても、栄養バランスが偏っていないかを考えながら摂取しましょう。

プリン体の制限をしている場合は?

痛風などの食事療法でプリン体を制限している場合、牡蠣は避けた方がよいですが、どうしても食べる場合には100gまでにしておきましょう。牡蠣を200g食べてもプリン体は400mg以下に収まりますが、プリン体はさまざまな食品に含まれるため、牡蠣以外の食品からも摂取する可能性が高いからです。牡蠣で摂取する分は1日のプリン体の目安の半分である200mg以内にしましょう。

なお、高尿酸血症や痛風を予防したいと思ったら、食べ過ぎないこと、アルコールを控えること、肥満にならないように運動することも大切です。プリン体を控えるだけでは予防にはならないので、注意しましょう。

その他の魚介などの食べ過ぎが気になる方はこちらもチェック!

牡蠣を食べるときの注意点

食べ過ぎ以外にも、牡蠣を食べるときに注意したいことがあります。

生牡蠣には食中毒のリスク

食中毒

牡蠣にあたった経験のある人もいるかもしれませんが、生牡蠣で食中毒になる場合もあります。体調があまりよくないときは、生牡蠣は避けた方がよいでしょう。

また、妊娠中の場合は特に食中毒のリスクを減らしたいため、生牡蠣を食べるのは避けてください。牡蠣を食べるときはしっかり加熱したものにしましょう。なお、牡蠣の食べ過ぎが妊娠に直接影響を及ぼすことは少ないですが、栄養の偏りなども心配なので、食べ過ぎには注意しましょう。

妊娠中の牡蠣や離乳食の牡蠣について、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

まとめ

牡蠣には亜鉛など栄養が豊富に含まれます。牡蠣の食べ過ぎによる亜鉛の過剰摂取はあまり気にしなくても大丈夫ですが、痛風になっている人などはプリン体の摂り過ぎにつながらないよう、食べる量に注意するといいでしょう。また、食中毒にも注意したいものです。食べ放題もありますが、頻度や食べる量に気を付けて楽しみたいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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