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2022年09月16日 10:46 更新

逆効果に?おからパウダーの食べ過ぎに要注意!適切な量を解説【管理栄養士監修】

最近、大豆製品の1つとして広まっている「おからパウダー」。ダイエットや便通のために積極的に摂取している人も増えているかもしれません。確かに健康効果が期待できますが、食べれば食べるほど身体によいというわけではなく、摂り過ぎるとデメリットになる可能性も。おからパウダーの栄養と1日の摂取目安についてお伝えします。

おからパウダーにはどんなメリットがあるの?

おからパウダーのもとである「おから」は、大豆から豆腐や豆乳をつくるときにできるもので、豆乳をしぼったあとの残りかすです。おからを乾燥させたものがおからパウダーになります。粒子が細かいので他の食品と混ざりやすく、手軽に使いやすいのが特徴です。どのような栄養があるのか、含まれる成分についてみてみましょう。 

不溶性食物繊維|便秘の解消に役立つ

商品によっても違いますが、おもなおからパウダーには100gあたり40~60gほどの食物繊維が含まれます。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がありますが、おからを乾燥させたおからパウダーは不溶性食物繊維が豊富です[*1]。

不溶性食物繊維には便のかさを増やして腸の運動を刺激し、排便を促す作用があります。

大豆イソフラボン|乳がんなどの予防効果の可能性

おからパウダーは大豆からできているため、大豆イソフラボンが含まれています。イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似ている作用があるといわれており、このことから骨粗しょう症を予防する効果や、乳がんの発症リスクの低減などが期待されています[*3]。こうしたイソフラボンの効果はまだ確定的ではありませんが、食事に適量を取り入れるのはよいかもしれませんね。

ダイエットにもおすすめ

ヨーグルト おからパウダー

おからパウダーはダイエットでも活用できるでしょう。その理由に、①食物繊維が豊富、②たんぱく質、脂質、糖質がバランスよく摂れる、③カリウムなどのミネラル、ビタミンB群などが摂れる、といった栄養の豊富さが挙げられます。

摂取カロリーを減らそうとして肉などの量を少なくしてしまったりしますよね。そうするとたんぱく質がしっかり摂れません。おからを取り入れることで、たんぱく質を手軽に摂ることができます。

また、おからパウダーは約4倍の水を加えると生おからになるなど[*4]、水分を吸収して膨らむという特徴があります。少しの量で満腹感を得やすいため、ダイエット中の食べ過ぎの予防などにも役立つかもしれません。たとえばヨーグルトなど水分の多い食べ物がなんだか物足りないなというときに、おからパウダーをプラスしてみてもいいですね。

おからパウダーを食べ過ぎたときのリスク

ダイエットにも役立てられそうなおからパウダー。しかし、食べ過ぎには注意も必要です。どのようなリスクがあるのでしょうか。

便秘・腹痛などのリスク

おからパウダーに含まれる不溶性食物繊維は便のカサを増やす作用があるとお伝えしましたが、摂り過ぎるとこの作用がかえってマイナスに働いてしまう場合があります。便のカサが増えすぎて便が硬くなり、便秘や腹痛を起こすことが考えられるのです。

便秘の改善や予防のためには不溶性食物繊維だけでなく、便をやわらかくする作用のある水溶性食物繊維もバランスよく摂ることが大切になります。1つの食品からだけでなく多様な食品から食物繊維を摂るようにしましょう。水溶性食物繊維は果物や海藻類などに多いです。また、納豆は両方がバランスよく含まれていますよ。

太るリスク

おからパウダー

おからパウダーのカロリー(エネルギー)は、商品によって異なりますが、100gあたり300kcal弱~400kcal弱ほどです。乾燥したパウダーなので一度に100gを摂取するようなものではありませんが、特段、低カロリーとも言えないでしょう。

そのため、たくさん摂取してしまうと体重増加につながる場合もあります。そのまま料理に混ぜられるのは便利ですが、つい加減がわからず使いすぎてしまう危険もあるので、注意が必要ですね。

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大豆イソフラボンの摂り過ぎは大丈夫?

大豆イソフラボンには健康効果が期待されているとお伝えしましたが、反対に健康へのリスクが気になる方もいるかもしれません。しかし、日本では従来大豆製品が食べられてきましたが、それによる健康被害が出たことはないため、過剰に心配する必要はないでしょう。

とはいえ、大豆イソフラボンの健康効果を得ようとしておからパウダーをたくさん食べても大丈夫ということではありません。不溶性食物繊維やカロリーの摂り過ぎを招くので、いずれにしても食べ過ぎないことが大切です。大豆や豆腐、豆乳などにも大豆イソフラボンは含まれます。通常の食事で自然と摂取するくらいに考えるのがちょうどよいと言えるでしょう。

ただし、大豆イソフラボンを含む特定保健用食品やサプリメントには注意してください。特定保健用食品から摂取する大豆イソフラボン(大豆イソフラボンアグリコン換算)は1日30mgの範囲にコントロールすることが推奨されています[*2]。製品のパッケージで含有量を確認して摂るようにしてくださいね。

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おからパウダーはどのくらい食べていいの?

コーヒー おからパウダー

では、こうした摂り過ぎのリスクを考えると、おからパウダーの1日の適量はどれくらいでしょうか。

適量の目安|1日大さじ3(20g)程度

おからパウダーの1日の摂取量に基準はないため、食物繊維の摂取の観点から目安を考えてみましょう。

食物繊維は男性(18~64歳)で21g/日以上、女性(18~64歳)で18g/日以上が目標とされています[*4]。

食物繊維は不溶性と水溶性をバランスよく摂っていきたいため、不溶性食物繊維が主なおからパウダーは1日あたり大さじ3(20g前後)を目安にするとよいでしょう。この量で食物繊維10g前後を摂ることができ、目標値の半分ほどを補えます。

野菜や果物、海藻類には水溶性食物繊維が多く含まれているので、おからパウダーと併せてそれらの食品も摂取できると良いですね。

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妊婦はおからパウダーを食べてもいい?

妊娠中は便秘に悩まされることも多いため、食物繊維の摂れるおからパウダーを摂取したいと考える方もいるかもしれませんね。おからパウダーは妊婦さんが食べても問題ないのでしょうか。

食べ過ぎに注意すればOK

おからパウダーをはじめ、大豆や大豆製品は妊娠中も食べて大丈夫です。摂り過ぎにならないよう、バランスの良い食事の中で取り入れてください。

妊産婦のための食事バランスガイドによると主菜は1日に3~5つが目安です[*5]。いろいろなものから摂りたいのでおからパウダーは1つ分とし、大さじ3(20g)くらいにするとよいでしょう。

なお、大豆イソフラボンの特定保健用食品やサプリメントに関しては、妊娠中の方は摂取しないようにしましょう[*2]。授乳中も同様に避けるのが安心です。

まとめ

加熱せずに使えるおからパウダーはいつもの食事にさっとプラスすることができ、とても便利ですね。飲み物や料理に混ぜたり、小麦粉の代わりにお菓子作りに使ったり、いろいろと活用できます。しかし、手軽に使いやすい分、摂取量が多くならないように注意しましょう。摂り過ぎると便秘などがリスクが心配されます。さまざまな食材と合わせて取り入れられるといいですね。

(文:式地亜矢 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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