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2022年04月18日 16:11 更新

育休復帰後、働き方で気をつけるべき3つのこととは?MIRAIS代表の栗林真由美さんvol.3

産育休者向けに特化したコミュニティ「MIRAIS」代表の栗林真由美さんに、これから職場復帰するみなさんに、復帰前に考えておきたいことをお伝えする企画。全3回で公開していきます。今回は、「育休復帰後、働き方で気をつけるべき3つのこと」です。

育休コミュニティ「MIRAIS」代表の栗林真由美です。
これまでに「なぜ復職するのか?」「上司との復職面談対策」についてお伝えしてきました。

今回は、「復帰後、働き方で気をつけるべき3つのこと」についてお話しします。

働く女性

1)復職後、いきなり頑張りすぎないこと

まず最初に、これから復職を迎える方にぜひ伝えたいことがあります。
それは「誰もあなたに復職後にスタートダッシュしてほしい」とは思っていない、ということです。

私はこれまで720名以上の育休から復職する方々を見てきましたが、復職を目前に、誰もが一度は「復職して、仕事ちゃんとできるのかな」と不安になる傾向があります。
そしてその不安から

「復帰したら周りについていけるように頑張らなくては」
「多少無理をしてでも、早く周りに追いつかなくては」
「迷惑をかけないようにしなくては」

などといった「焦り」が生じ、復職後にいきなりスタートダッシュをし、無理をして頑張りすぎてしまうケースが多々あります。

このケースの場合、残念ながら長く頑張ることはできません。
おそらく1ヶ月も経てば自分自身、または家庭やパートナーシップのいずれかに歪みが出てくることと思います。


確かに焦る気持ちも分かります。半年、1年、あるいはそれ以上働いていないことに対して、周りと比べて不安になることは当然とも言えます。ですが、焦りは禁物です。また、焦りから無理をして復帰後いきなり頑張りすぎてしまうことは、とても危険です。

なぜなら、上司や同僚が求めていることは復職後、あなたが無理をして頑張ることではないからです。まずは、あなたが「子どもがいながら働く」ことに慣れて、無理をしない自分なりの「仕事と子育ての両立のペース」を掴んでほしいと思っているからです。

その上であなたに仕事を任せられるかどうか、を見ています。

それなのに、復帰後いきなり最初から残業したり、日常的に仕事を持ち帰って対応するなど無理をした働き方をした結果、「こんな働き方、もうイヤ!」と悲鳴を上げてしまったら、上司や同僚はどう思うでしょうか?

「仕事を任せるのは無理そうだ」
「今より負荷のかからない仕事をお願いしよう」

と思われてしまうかもしれません。
いわゆるマミートラックに陥るケースも少なくないでしょう。

「自分のキャリアのためにも、復帰後にスタートダッシュをして頑張りすぎないこと」
「無理のない、自分の「仕事と育児の両立」のペースを掴むことを最優先にすること」

このことをぜひ意識してみてください。

2)復職後も「なぜ働くのか?」を意識すること

「あなたはなぜ復職するのですか?」

先日書かせていただいた記事の中でもこの問いの重要性についてお伝えしましたが、これはあなたのキャリアの「軸」を問う質問です。

「なぜ復職するのか?」はつまり「なぜ働くのか?」の答え(=軸)になります。
そしてこの問いの答えはあなたが立ち帰る場所となります。

復職後は想像以上に、慌ただしい日々になると思います。
忙しくて、時間がなくて、ただただ大変で、うまくいかなくて呆然とすることもあるかもしれません。だからこそ、この問いを思い返してみてください。

「なぜ働くのか?」

復職後、この問いに立ち返って考えられるかどうかが、忙しくても踏ん張る理由や、あなたのキャリアにおけるモチベーションの原点になるはずです。

この問いに対する答えは一度考えたら終わり、ではなくポイントは常にブラッシュアップしていくことが大事です。

ぜひ復職前も、復職後もこの問いについて、考えてみてくださいね。
そして、事あるごとに見直し、ブラッシュアップしていくことで、自ずとあなたの揺るぎない「キャリアの軸」になっているはずです。

3)できなかったことより「できたこと」に目を向けよう

復職後に自分らしく、イキイキと働いてる人に共通する考え方があります。
それは「できなかったこと」ばかりに目を向けるのではなく、「できたこと」に目を向けるようにすること。

「今日も時間内に仕事を終わらせることができなかった」
「子どもの発熱で仕事を急遽休んでしまい、打ち合わせに参加できなかった」
「仕事で思うような結果が出なかった」
脳には物事の欠けたところに目が行く特性があるのだそうです。
また、できなかったことばかりに目がいくことを続けていくと「自己否定」に繋がってしまいます。

復職後は特に思うように育児と仕事の両立ができない自分への苛立ち、嫌悪感、劣等感を感じやすい時期です。それは世の中や周りの「子どもがいながら働いている人」に対する自分のイメージと比べているからだと思います。

ここで敢えてお伝えすると、私はこれまで1,000人以上のワーママと直接話してきた経験がありますが、これまで復職後にいきなりスムーズに育児と仕事の両立ができ、自分らしく、イキイキと働ける人を一人も見たことがありません。

みんなそれぞれに失敗したり、うまくいかないことを何度も繰り返し模索しながら、少しずつ自分らしい育児と仕事の両立を確立していました。

そして子どもがいながら自分らしい育児と仕事の両立をしている人は、共通してできなかったことよりできたことに着目している傾向が高かったのです。

できたことに着目することは欠けているところに目が行きがちな脳機能を補完し、前向きな気持ちを高めてくれると言われています。

ぜひ、復職後にできなかったことよりも、どんなに小さなことでもいいので「できたこと」に目を向けてみてください。

3回に渡って復職に関する記事をお届けしてきましたが、今回が最終回となります。
これまでお付き合いいただきありがとうございました!
記事を通じて、復職に関して何かしらの気づきを得てくださっていたとしたら、書き手としてこれ以上の喜びはありません。
連載は終了いたしますが、SNS等での発信もしておりますので、お気軽にお声がけいただけると嬉しいです。
またどこかでお目にかかれることを楽しみにしております。
そしてこの記事を読んでいるあなたに感謝の気持ちを込めて、締めの挨拶とさせていただきます。
あなたの復職を心から応援しております。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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