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2022年04月12日 06:11 更新

現役東大生220人を対象にした「子どものころの過ごし方」調査を発表。東大生が「両親に勉強しなさいと言われた1日の回数」は?

ひまわり教育研究センターが今年の2月に現役東大生220人を対象におこなった「子どものころの過ごし方」に関する調査によると、小学生の頃、両親から「勉強しなさい」と「毎日ではないが時々言われた」というのが全体の30%で最も多かったことがわかりました。また、1日5回以上両親から言われてた現役東大生の男子は16%でした。

イノベーションシステム(大阪府大阪市 代表取締役:熊野貴文)が運営するひまわり教育研究センターは、今年2月、現役東大生220人に「子供のころの過ごし方」について複数のアンケート調査を行いました。

「学力の高い子どもは、勉強が好きで自らすすんで勉強をする」との考えから、我が子が自ら進んで勉強しない時に「何度も声かけしないとうちの子は勉強してくれない」と悩んだり、「我が子に勉強する意欲をもっと持ってほしい」「勉強を好きになってほしい」「声かけしなくても自ら勉強する子供になってほしい」と望まれる保護者は多いよう。そこで、ひまわり教育研究センターでは、現役東大生が小学生時代、「両親から1日何回くらい勉強しなさいと言われていたのか」「小学生、中学生時代になぜ勉強したいと思ったのか」というアンケート調査を実施したとのことです。

現役東大生に「小学生のころあなたはなぜ勉強したいと思ったのですか?」という質問をしたところ、一番多かったのは「いい成績をとるのが楽しかったから」という回答でした。

ついで「勉強が楽しかったから」「新しいことを学ぶのが楽しかったから」「親が上手に勉強させてくれたから」「親に褒められたかったから」「惰性(なんとなく)」という回答が多く寄せられました。小学生の子どもたちは、テストの結果、両親が上手に勉強を促してくれたり褒められたこと、新しいことを学ぶ楽しみが勉強をしたいと思う理由になっていることがわかりました。

これを男女別で比較してみると、男女ともに、勉強をしたいと思った一番の理由は「いい成績をとるのが楽しかったから」であることがわかります。

また、男子が女子に比べて回答が多かったのが、「親が上手に勉強させてくれたから」。次に比較的多かったのが、「勉強が楽しかったから」「新しいことを学ぶことが楽しかったから」でした。女子が男子に比べて回答が多かったのは「周囲の評価が嬉しかったから」でした。次に、女子が多く選んだのは、「親に叱られるのが嫌だったから」「惰性(なんとなく)」という結果になりました。

男子は、「親が上手に褒めて勉強させ、勉強の楽しみや新しいことを学ぶ好奇心を育てること」が勉強への意欲に繋がることがわかります。女子は、周囲の他者との比較に意識がいきやすいのか、「周囲の評価を得たい、叱られたくない」という気持ちが勉強への意欲に繋がることがわかりました。

「中学、高校時代、あなたはなぜ勉強したいと思ったのですか?」という質問をしたところ、一番多かったのは、「いい成績がとりたかったから」でした。次に多く回答したのは「行きたい大学があったから」「惰性(なんとなく)」でした。

勉強をしたいと思った理由は、小学生のころと同じく「いい成績をとりたい」ということがわかりました。小学生のころとの違いは、「行きたい大学があったから」という将来の目標が勉強への動機付けになることがわかります。また、勉強したいという理由に「惰性(なんとなく)」と回答する東大生が増えました。勉強がすでに習慣化していることを示していると考えられます。

これを男女別で比較すると、男子は女子に比べて「勉強が楽しかったから」との回答が多く、女子の2倍程度います。

一方、「行きたい大学があったから」の女子の回答が35%と男子に比べてかなり多くなりました。男子の倍近い数の女子が回答にあげています。東大を目指す女子学生の高い目的意識が伺えます。

「小学生の頃、両親から勉強しなさいと言われたのは1日何回くらいありましたか?」と質問したところ、両親から「勉強しなさい」と言われたことがないのが全体の24%、「毎日ではないが時々言われた」というのが最も多く、全体の30%です。

両親から「勉強しなさい」と言われていたのは「時々言われた」を含むと全体の64%です。1日5回以上言われていたのは、全体の13%となりました。

「1日5回以上両親から勉強しなさいと言われていた」と回答した男女29名のうち、「小学校時代に勉強したいと思ったのはなぜですか」という質問では「新しいことを学ぶのが楽しかった」「親に褒められるのが嬉しかったから」「いい成績をとるのが楽しかったから」「親に叱られるのが嫌だったから」と回答していました。

調査をおこなったひまわり教育研究センターは、

親に5回以上勉強をしなさいと言われている子どもたちの勉強の動機が「新しいことを学ぶのが楽しかった」というのは大変興味深いと思います。「新しいことを学ぶのは好き」だけれど、「勉強はなかなか自分からできない」という子どもの姿の本質をついている結果だと思います。

とコメントしています。

これを男女別で比較すると、顕著な差は「勉強しなさいと言われたことがない」との回答は、男子は18人、女子は33人と倍近い開きがあることです。

「毎日ではないが時々言われた」「覚えていない」と回答した男女の数は同じでした。男女別にみると、「両親から勉強しなさいと言われていた」男子は76人(72%)、女子は56人(55%)。東大生の男子の中でも毎日5回以上「両親から勉強しなさい」と言われていた子どもたちが17人(16%)いました。

この結果の考察として、ひまわり教育研究センターの所長上田尚子氏は、以下3点を挙げています。

いい成績をとることが一番の勉強のモチベーションにつながる。

現役東大生の多くは、小学生の頃に親から勉強しなさいと言われている。つまり、「自ら進んで勉強している」という子だった現役東大生は少数派。

男子は女子よりも声かけが必要。

【調査概要】
調査実施機関:ゼネラルリサーチ
調査時期: 2022年2月17日〜2月19日
アンケート設計:イノベーションシステム「ひまわり教育研究センター」
調査方法:インターネット調査
対象者:現役東大生220名(男子は106名、女子は101名、回答しないは13名)

文系、理系(医学部以外)、医学部の3区分の男女比率

(マイナビ子育て編集部)

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