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2022年04月11日 07:00 更新

新年度、子供が体調をくずして休みがち! でも…そもそも「体調管理」って何?

新年度が始まる時期は、新しい環境になることもあり、子供が体調をくずしがちです。子供につらい思いをしてほしくないし、仕事は休めないし、うまく体調管理したいもの。でも、そもそも体調管理とは何でしょうか。小児科医の森戸先生に教えてもらいました。

子供が体調をくずしやすい理由とは

(photoAC)

子供は、大人と違って体調をくずしやすいものです。それは子供が大人のミニチュアではなく、まだ発達の途上だから。しかも、お母さんの胎内でもらった免疫は生後半年を境になくなり、まだ自分で風邪などに感染することによる免疫の獲得できていないために、様々な病気にかかりやすいのです。

ただし、かといって一部の人たちが言うように「早くたくさん風邪などの感染症にかかって免疫をつけたらいい」「食品などで免疫を高めるべき」ということではありません。

感染症は5歳未満の子がかかると重症化しやすいものが多いので、ワクチンで防ぐことのできる病気はワクチンで防ぎ、その他も少し遅く感染したほうがいいくらいです。そもそも大切な目的は、子供に免疫をつけること自体ではなく、感染症やその後遺症に苦しんだり、命を落としたりしないことですから間違えないようにしましょう。

また、新型コロナウイルス感染症が流行していることもあり、よく「免疫力をアップする」「免疫を高める」と謳った商品が売られていますが、そんな効果のある食品はありません。日頃の体調管理が大事なのです。

ところが、子供は自分自身では体調管理ができません。乳幼児なら寒くてもエアコンをつけたり、厚着をしたりもできませんし、鼻水を取ろうともしないでしょう。小・中学生でさえ、薬を自分で飲んだり、塗ったり、吸入したりすることができるかどうか……という感じなのが現実です。だから、ある程度は保護者が管理してあげる必要があります。ただ、体調管理って言われても、一体何をしたらいいのか、ですよね。

「生活リズム」を整えることが最優先

私たちの体は、24時間と数分程度の「体内時計(概日リズム)」によって変動していますが、多少ずれても太陽光や気温、食事によって調整できます。だから、まずは毎日の睡眠や食事の時間を一定にするといいでしょう。よくいう「生活リズムを整える」ということですね。子供を何時に寝かせるといいかについては諸説ありますが、乳幼児は1日に10〜12時間ほど寝られて、昼間に元気であればいいと思います。

食事の内容も大切です。生後6ヶ月までなら母乳や粉ミルクを欲しがるだけ与え、それ以降は離乳食も与えます。離乳食完了後は、ご飯などの主食、たんぱく質の豊富な肉や魚、野菜、乳製品、果物などをバランスよく食べさせてあげましょう。子供の食事量は少ないこと、保護者の手間が大変なことから考えて、1食ごとに全ての栄養をまんべんなく摂らせるのは難しいですから、1日または1週間のタームで整えてあげれば大丈夫。サプリメントなどは通常、必要ありません。

さらに感染症の多くは飛沫感染や接触感染なので、こまめに手洗いをしたり、部屋の空気を入れ替えたりしましょう。あとは季節に合わせた服装、運動も大事ですね。

それでも何らかの病気に感染した時は仕方がないので、早めに休ませて回復を促してあげましょう。無理をさせるよりも、早めに休ませたほうが早く回復できるだろうと思います。風邪などのウイルス感染症に、一つもかからず成人する人はほぼいないし、病気になるのは誰かに落ち度があるからではありません。気にしすぎないようにしましょう。


参照)森戸やすみ『子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)

(編集協力:大西まお)

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