共働き夫婦 共働き夫婦
2022年04月07日 17:23 更新

江崎グリコとユニ・チャームが協働、企業向け両親学級「みんなの育休研修」プログラムの無償提供を開始

3月29日、江崎グリコとユニ・チャームが協働し、企業向け両親学級「みんなの育児研修」を立ち上げ、今春より研修プログラムを無償で提供を開始すると発表しました。今回は、記者発表会に参加した様子をレポートします。

江崎グリコとユニ・チャームは、企業向け育休前研修プログラム「みんなの育休研修」を協働で開発・リリースしたことを受け、3月29日にプログラム説明についての記者発表会を行いました。

発表会では、ユニ・チャームから、ジャパンマーケティング本部 ベビーケアブランドマネジメント部 部長 野元世界氏、江崎グリコから、ベビー・育児マーケティング部 犀川有彩氏が登壇しました。

(左)ユニ・チャーム ジャパンマーケティング本部 ベビーケアブランドマネジメント部 部長 野元世界氏
(右)江崎グリコ ベビー・育児マーケティング部 犀川有彩氏

母親のワンオペ育児が社会問題に

発表会冒頭、ユニ・チャームの野元氏は「2022年4月から、育児・介護休業法が施行され、今後、父親の育児休業取得率は上昇が見込まれる。しかし、男性の育児休業取得が必ずしも育児参画に繋がっているわけではないことが、内閣府の調査でわかった」と、内閣府のグラフとともに、母親のワンオペ育児に関する社会的な課題について紹介しました。

第一子出生後の平日の育児参画率

男性育休取得者と非取得者を比較すると、担当タスクに大きな差はなく、ほぼ同じであることがわかる

この調査結果を受けて「父親が育児参画することで得られる仕事・家庭での具体的なメリットについて情報提供し、育児参画への動機付けが重要だと考える」と述べました。

また、企業における男性の育児休業への取り組みが進みにくい理由については、「業務が忙しい、育児休業による収入減・不安、制度の周知不足などがあるのが実態」と紹介しました。

「みんなの育休研修」とは

こうした社会課題や、出産後即必要になる授乳・睡眠・排泄についての情報提供と疑似体験で消費者課題を解決することを目的として誕生したのが、企業向け両親学級「みんなの育休研修」です。

「みんなの育休研修」というネーミングについては、「育児は、両親だけでなく、祖父母・隣人・友人・社会など、みんなでチームとなり支援していくべきこと。どこの会社でも当たり前に行われている『新入社員研修』のように、『みんなの育休研修』を出産前に必ず受講し、育児者と子どもに笑顔があふれる共生社会の実現を目指してネーミングした」(ユニ・チャーム 野元氏)と、その想いが紹介されました。

プロジェクト発足の背景

ユニ・チャームでは、共生社会の実現を目指し商品・サービスを展開。おむつブランドの「ムーニー」は、保護者と赤ちゃんの暮らしをサポートしています。また、プレママ・プレパパ向けに助産師の実演による両親学級「ムーニーちゃん学級」を開催しています。

「ただ、従来の『ムーニーちゃん学級』では解決できない課題が2つあった。1つめは、(育児休業)法の施行だけでは、父親の育児参加促進は不十分なこと。2つめは、ユニ・チャームだけでは提供できる情報やサービスが限定的で、子育て全般に求められる情報提供ができない」(ユニ・チャーム 野元氏)

そこで、ユニ・チャームが声を掛けたのが、江崎グリコでした。

江崎グリコは、創業以来「子どものココロとカラダの健やかな成長」をスローガンに、商品やサービスを開発。日本初の液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の販売、家族みんなで使える子育てアプリ「こぺ」の無料提供、江崎グリコ独自の子育て支援制度「Co育て休暇」「Co育てMonth」の導入など、子育て支援取り組み「Co育てPROJECT」を社内外で展開しています。

両企業は、1社だけでは十分に解決できない課題を協働で解決していくことになり、今回の企業向け両親学級「みんなの育児研修」が誕生しました。今後も、このプロジェクトに共感する全国の企業一緒に、男性の育児休業の取得促進や、男性育児の質的な向上に取り組むそうです。

「みんなの育休研修」プログラムの内容について

「みんなの育休研修」は、開催先の企業のニーズに合わせて、2段階のセミナーを用意しています。

1.男性育休って、なぜ必要?
育休取得を検討する男性社員に向けて、男性育休の必要性や体験談を紹介。子ども・家庭・仕事上でのメリット解説で育休への不安を解消することを目的としています。1ヶ月育休を取得した江崎グリコ社員の動画を視聴し、育休にまつわる体験を共有します。

2.育休中、育児ってどうしたらいいの?
育休取得前の男性社員に向けて、育休中は具体的にどのようなサポートをしたらいいのかを実技を交えて紹介。研修では「家事育児分担シート」が配布されます。

なお、本プログラムのファシリテーターは、江崎グリコの栄養士・子育てアドバイザーの資格を持つスタッフが担当するそうです。

江崎グリコ 栄養士・子育てアドバイザー 福田泉美氏

さらに今回の発表会では、この研修を受講する予定のサッポロビール、ポッカサッポロフード&ビバレッジの社員ほか約20名が参加し、研修のデモンストレーションが行われました。

液体ミルクの使い方を紹介され、容器へ入れ替えを実践。味見を促されるシーンも
ペットボトルを赤ちゃんに見立てて、おむつ替えを実践

参加者のみなさんは、少しずつ液体ミルクを口にしてみたり、おむつテープの位置を何度も確認するなど、慣れない作業ながらも興味深く研修を受けている様子が印象的でした。

「みんなの育休研修」募集要項

・募集開始日:2022 年3 月29 日(火)
・募集方法:グリコお客様センター (フリーダイヤル)0120-964-369 /受付時間 月曜日~金曜日 10:00~16:00
https://customer.glico.com/s/
・募集条件:企業であること、研修後アンケートを実施いただけること
・実施条件:オンライン会議システム、もしくは対面実施
・実施費用:無償

まとめ

近年の女性の社会進出とともに、男性も育児に参画するべきという潮流ができ始め、「イクメン」という言葉も生まれました。しかし、内閣府が調査したデータを見ると、父親が育休を取得したからといって実際に育児に参加しているとは限らないようです。

男性が仕事を休むことに対する不安は、法を改正したからといって解決できるものではありませんが、育児に参加すること得られるメリットが大きいことが認知されれば、育児の喜びを夫婦で共有できる社会に近づいていけるのではないでしょうか。

新入社員研修のように、この「みんなの育休研修」を導入する企業が増え、男性の育児休業の取得促進や、男性の育児参加の向上につながることを願います。

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-