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2022年03月31日 16:50 更新

豆腐の食べ過ぎはリスクがある?食べる時の注意点と1日の目安量【管理栄養士監修】

大豆の加工食品である豆腐は、やわらかくて食べやすく消化によいため、大豆のもつ栄養を効率よく摂取できます。手軽に食べられるのでとても身近な食品ですが、食べ過ぎてしまうこともあるかもしれませんね。豆腐の食べ過ぎで気になるリスクはあるのでしょうか?

豆腐のもつ栄養のポイント

大豆を原材料にしている豆腐は栄養豊富ともいわれますよね。食べ過ぎのリスクの前に豆腐の栄養の特徴を見ていきましょう。

良質なたんぱく質が豊富

大豆は「畑の肉」といわれるほどたんぱく質が豊富です。木綿豆腐の場合、100gあたりたんぱく質7gが含まれます[*1]。たんぱく質の質を表すアミノ酸スコアも高く[*1]、体を作るうえで欠かせない必須アミノ酸をまんべんなく摂ることができます。

また、たんぱく質のほかにもカルシウム93mg、鉄1.5mgといったミネラルも含まれます[*1]。体のもとになるたんぱく質やミネラルを豊富に含む豆腐は、積極的に取り入れたい食材の1つです。

そのままでも加熱でも栄養は同じ

食材によっては加熱すると栄養成分が失われることもありますが、豆腐の場合はそのままでも加熱しても、栄養成分はあまり変わりません。もともと豆腐の製造過程で加熱されているためです。お鍋やみそ汁など温かい料理でも、冷奴やサラダなど冷たい料理でも、ほとんど同じ栄養を摂ることができます。

体調が悪いときなどはしょうがや梅干しをのせた冷奴もおすすめです。温かいものが食べたい場合は、少量の水と一緒に電子レンジで加熱し、麺つゆや白だしをかけて湯豆腐にするのもよいでしょう。

冷奴

木綿豆腐と絹豆腐の違い

木綿豆腐と絹豆腐では固めるときの方法が少し違います。

木綿豆腐は豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものをくずし、再度、重しをのせて水分を抜きながら固めます。そのため、しっかりした食感で少しざらっとした舌ざわりがあります。

一方、絹豆腐は木綿豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を入れて固めたもの。なめらかな食感が特徴です。

水分を抜くか抜かないかの違いによって栄養成分に若干の違いが生まれます。たんぱく質やカルシウム、鉄などは木綿豆腐の方が少し多めですが、その分、絹豆腐は水溶性ビタミンのB1やカリウムを多めに含んでいます。

食感の違いから料理や好みに合わせて使い分けることができるのもよいですね。

豆腐は賞味期限が短いため、開封したものは水を張った容器に入れ冷蔵庫で保管し早めに使い切りましょう。最近は1パック50g程度のものもあるので、1回に食べる分ずつ購入しておくのもいですね。

食べ過ぎのリスクはある?

基本的に豆腐は、食べ過ぎによる体への影響をそれほど心配する必要はないでしょう。少し注意するとよい点についてお伝えします。

栄養バランスが偏るリスク

豆腐の食べ過ぎが何かの過剰摂取のリスクにつながる可能性は低いですが、豆腐ばかりに偏ることで、豆腐に含まれない栄養が摂れなくなるリスクはあります。

たとえば、ダイエットのために肉や魚をすべて豆腐に置き換えるような食べ方をしてしまうと、魚や肉から摂れるはずの栄養成分が摂れなくなってしまいます。豆腐だけで必要なたんぱく質をとる摂るときには注意が必要です。

低カロリーでたんぱく質も摂れるからといって、豆腐だけを食べるようなことは避け、バランスよく栄養を摂取するためのいろいろな食材の1つとして取り入れましょう。

大豆アレルギーに注意

豆腐の原材料である大豆は「アレルギー特定原材料7品目」ではありませんが、その次に位置づけられる「特定原材料に準ずるもの21品目」の1つです。豆腐の食べ過ぎが原因で大豆アレルギーを発症するというわけではありませんが、大豆アレルギーを持っている場合は豆腐でもアレルギーがでることがあるため、注意しましょう。

薬を飲んでいる場合は?

ワーファリンを服用している方は納豆の摂取を避けなければならないため、同じ大豆製品である豆腐も避けるべき?と思うかもしれません。しかし、豆腐の場合にはその必要はありません。納豆にはワーファリンの効果を下げるビタミンKが多く含まれますが、豆腐にはほとんど含まれないためです。豆腐は薬との相互作用の心配をせずに食べられます。

豆腐の適量はどのくらい?

では、全体の食事のバランスから考えると、豆腐の1日の適量はどのくらいがよいのでしょうか?

適量の目安|1日100~200g

厚生労働省・農林水産省の日本人の食事バランスガイドによると、肉、魚、大豆料理、卵などの主菜を1日に3~5つ(SV※)摂るようにとされています[*2]。一般的な食生活では肉や魚で2つ、卵で1つは摂ることが多いので、豆腐やその他の大豆製品で1~2つを摂るのがちょうどよいでしょう。1SVは冷奴1つ(100g)なので、目安にしてください。

※SVとはサービング(食事の提供量の単位)の略

妊娠中はどうしたらいい?

妊娠中は普段より食べ物に気を付ける必要がありますが、豆腐はどうなのでしょうか。

妊娠中も豆腐はOK!

妊娠中も豆腐は食べて問題ありません。主菜の選択肢の1つとして積極的に取り入れて大丈夫です。ただし、もちろん豆腐だけでなく1日の食事でいろいろな食材から栄養を摂れるようにしましょう。

また、つわりの時期にも、のど越しのよい豆腐は食べやすいかもしれませんね。つわりでつらいときは無理せず、食べられるもの・食べたいものを食べれば大丈夫ですが、豆腐に少しショウガや梅干しをのせて食べるのもおすすめです。

なお、妊娠中に大豆製品を食べて、赤ちゃんが大豆アレルギーを発症しないか心配になる人もいるでしょう。しかし、妊娠中や授乳中、アレルゲンとなる食品を摂らないことが赤ちゃんのアレルギーの予防になるわけではありません。それよりもさまざまな食材を適量でバランスよく食べることが大切です。

和食 豆腐の味噌汁

特定保健用食品でのイソフラボン摂取は避けて

大豆製品である豆腐には、大豆イソフラボンが含まれます。大豆イソフラボンを多量に摂取すると胎児の発育に影響がある場合がありますが、通常の食事で豆腐を摂取するくらいであれば問題はありません[*3]。

注意したいのは成分が強化された特定保健用食品(一部の豆乳など)やサプリメントです。どのくらいの量で問題となるかははっきりしていませんが、妊娠中に大豆製品の特定保健用食品などを摂取することは控えた方がよいでしょう。

まとめ

毎日の食事にちょっとプラスするだけで手軽にたんぱく質を摂ることができる豆腐はとても便利な食品です。食べ過ぎの心配もそれほどありませんので、他の食品とのバランスに気を付けながら適量を摂取していけるといいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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