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2022年03月28日 20:00 更新

こんにゃくは食べ過ぎても大丈夫?リスクと1日の目安【管理栄養士監修】

低カロリー食品の代表ともいえるこんにゃく。たくさん食べても太りにくいのでダイエットのために積極的に取り入れている人も多いかもしれませんね。しかし、カロリーが低いからといって食べ過ぎてしまうと心配なことがあります。その理由とこんにゃくの1日の目安量をお伝えします。

こんにゃくを食べ過ぎるとどうなる?

こんにゃくを食べ過ぎるとどんな問題があるのでしょうか。1日の目安量はあるのでしょうか。

便秘のリスクに

便秘の女性

こんにゃくはほぼ水分と食物繊維でできています。こんにゃくの食べ過ぎで気にしなければならないことの1つは食物繊維のとり過ぎです。

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とに分けられますが、不溶性食物繊維はとり過ぎると便が硬くなり便秘につながるリスクも持ち合わせています。こんにゃくの食物繊維はほとんどが不溶性食物繊維です(100gあたり不溶性食物繊維が2.1g、水溶性食物繊維が0.1g[*1])。そのため、こんにゃくを食べ過ぎると便秘になる可能性があるのです。

便秘に良いと思ってこんにゃくをたくさん食べていたら、かえって便秘に拍車をかけてしまっていた、なんてこともあるかもしれません。便秘を改善するには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが大切になるので、不溶性だけに偏るのは要注意です。

食べ過ぎの目安|板こんにゃく2枚まで

食物繊維は「これだけとったら危険」というような数値は現在のところ食べ物においては設定されていません。一方、1日に摂取したい目標値として日本では男性21g以上、女性18g以上が設定されています[*2]。

そこで仮に20g程度の食物繊維をこんにゃくでとるとすると、1kg以上食べられるという計算になります。しかしこれでは先ほどお伝えしたとおり、不溶性食物繊維に大きく偏ってしまうのでよくありません。

1日にとる食物繊維の半分は水溶性食物繊維にしたいので、こんにゃくは多くても500gまでとしましょう。この量は実際どれくらいかというと、板こんにゃく(約250g)だと2枚分、おでんのこんにゃく(約30g)なら17個分にもなります。こう考えるとかなり多いですよね。

基本的には食事はバランスが欠かせません。1つのものを食べて健康を手に入れようとせず、いろいろなものを食べるようにし、こんにゃくは便の様子をみながらおいしく食べられる量にとどめましょう。

適量の目安|おでんのこんにゃく3個

おでんのこんにゃく

食物繊維もなるべく多様な食品からバランスよくとりたいので、こんにゃくの適量としてはおでんのこんにゃく3個くらいがおすすめです。この量でだいたいこんにゃく100gなので、これだけでも食物繊維が約2g摂取できます。

1日に21g(18g)以上とるという目標からすると少ないように見えますが、現在の食事にプラスする分としてはほどよい数字ともいえるでしょう。

こんにゃくの食物繊維
「グルコマンナン」

こんにゃくに含まれる食物繊維とはグルコマンナンという成分のことをいいます。実はグルコマンナンはもともと不溶性食物繊維ではなく水溶性食物繊維です。しかし、こんにゃく芋からこんにゃくを製造する過程でグルコマンナンが水溶性食物繊維から不溶性食物繊維へと変化します。そのため、こんにゃくは不溶性食物繊維の方が多くなるのです。

なお、グルコマンナンのサプリメントも売られていますが、そうした商品を摂取する場合には注意も必要です。カナダ保健省においてはグルコマンナン粉末サプリを摂取する場合は十分な水分をとるようにと注意事項が示されています[*3]。

ダイエットにも!こんにゃくのメリット

ダイエットなどにこんにゃくを活用したいと考える人も多いでしょう。こんにゃくのメリットやおすすめの取り入れ方をご紹介します。

低カロリー

こんにゃく

こんにゃくは約97%が水分のためとても低カロリー(エネルギー)で、なんと100gあたり5Kcalです[*1]。そのため、カロリーの高い食材の一部をこんにゃくに置き換えることでダイエットメニューをつくることができます。

たとえば、炒め物の肉の半量をこんにゃくにしてカサ増しすることでカロリーカットのメニューに。ただし、肉のすべてをこんにゃくに置き換えてしまうと身体をつくるたんぱく質や身体を整えるミネラル類が欠乏してしまうので、あくまでも一部を置き換える程度にしましょう。

食物繊維で便秘改善

摂り過ぎが心配な不溶性食物繊維ですが、適量であれば腸の動きを活発にして排便を促す作用があります。

ただし便秘の改善には食物繊維の摂取だけでなく、水分摂取や適度な運動、便を押し出すための腹筋力なども大切です。便秘が気になるならば、こんにゃくや野菜などから食物繊維をとることに加え、水分や運動なども併せて取り組むとよいでしょう。

おすすめのこんにゃくの食べ方

炊飯器 炊きあがりのごはん

こんにゃくを日々の食事にうまく取り入れる方法をご紹介します。

■ご飯と一緒に炊く
米2合、細かく切って乾煎りした白滝(糸こんにゃく)160gを用意して、通常の2合目まで水をいれて一緒に炊飯器で炊きます。カロリーが抑えられるうえ、毎日のご飯で自然と食物繊維が摂取できるのでおすすめです。

■肉の一部をこんにゃくに置き換える
カロリーを抑えたいのであれば、肉の一部をこんにゃくにしてカサ増しするとよいでしょう。炒め物がおすすめです。こんにゃくを薄く切ってから一回茹でてあく抜きをし、少量の油とともに両面焼くとお肉のような食感が味わえますよ。

なお、たんぱく質や鉄などのミネラルが不足する心配があるので、すべてをこんにゃくに置き換えないようにしてくださいね。

まとめ

こんにゃくは不溶性食物繊維が豊富に含まれて低カロリーが嬉しい食材ですが、便の様子をみながら食べ過ぎに注意し、楽しく料理に取り入れてみましょう。上手に活用すれば不足しがちな食物繊維を補うことに役立ちますよ。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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