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2022年03月19日 10:01 更新

【男性育休】改正法施行で変わるこれからの10年 #岩橋ひかりのキャリアの引き算

ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。

4月から「男性育休」取得はさらに増える

何かが大きく変化するとき、振り返ってみれば、「あれがターニングポイントだった」と言える点があるものです。

前回の連載で、この10年で、ワーママを取り巻く環境が大きく変化したと書きましたが、その起点は2010年の法改正。育児介護休業法の改正により、3歳に満たない子を養育する労働者の短時間勤務が認められるようになり、子育てをしながら働き続ける人が増え、ワーママを取り巻く環境も大きく変化しました。

そして、この4月、きっと数年後に振り返ったときに、子育て界隈のターニングポイントとなるであろう点が打たれます。

改正育児・介護休業法が4月から段階的に施行され、まずこの4月には、パートナーの妊娠・出産を申し出た社員に対して、企業は育休制度を説明・周知し、個別に取得の意思確認をすることが義務付けられます。男性も育休を取得しやすい環境作りをすることが、企業の義務となるのです。

また、10月には、子どもの出生後8週間以内に4週間までの育休を取得することができる産後パパ育休制度、育休の分割取得も可能となり、育休を取得しやすい制度が拡充します。

10年前はワーママも市民権がなかった

法改正は、社会が変わる起点になります。これまでも男性で育休を取得する人はいましたが、この法改正により、男性の育休取得者がさらに増えることになるでしょう。

でも、制度が変わったからといって、人の意識が急に変わるものではありません。

「なぜ男が育休を取る必要があるのか理解できない」
「育休で抜けた分の仕事はどうするつもりか?」

妻に全ての育児を任せてきた世代の男性管理職の方が、こんな言葉を口にするかもしれません。

また、育休を取得する男性に対して、職場復帰後に「育休中、ゆっくりできた~?」などという誤解も発生するかもしれません。でも育児休業は「育児のための休業」ですから、実際には休む暇などないですよね。

こうした固定観念や誤解は、今も完全に払しょくされてはいませんが、10年前はさらにひどいものでした。
今でこそワーママは市民権を得ていますが、10年前は全然。
「仕事と子育て、両方得ようとするなんて女のわがままだ」
「時短で帰る女性に責任ある仕事は任せられない」
そんな言葉が普通に飛び交う中で、仕事を続けてきたワーママパイオニア世代がいて、今があります。

10年前、当時の私は、主に男性管理職が発する上述のような言葉に触れる度に憤りを感じていましたが、今思えば、彼らは、自分が大切にしてきた正しさからの発言をしていただけであり、時代の変化と共に、彼らの意識や発言も変化しました。
マネジメント能力の高い優秀な方であれば、時代の変化を理解し、自らの言動もアップデートするものです。

男性育休も、4月の改正法施行を起点に新しい変化がはじまります。
10年後、私たちの仕事と子育てを取り巻く価値観はきっと大きく変わっていることでしょう。

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