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2022年03月09日 15:01 更新

2025年までに「男性社員の育休100%達成」を目標。「理系」志望の女子中高生支援も【日本ロレアル】

日本ロレアルは、ジェンダー平等な社会の実現を目指し、「2025年までに男性育休取得率100%達成すること」と、ジェンダーバイアス(男女の役割に関する固定的な観念や、それに基づく差別・偏見・行動など)のない学業選択を目指し、「理系志望の女子中高生を支援していくこと」の2つを宣言しました。

世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(パリ)の日本法人である日本ロレアル(東京都新宿区 代表取締役社長:ジャン-ピエール・シャリトン)は、国際女性デー(3月8日)に、女性が自身の望む選択を制限なく行うことのできる多様で平等、包摂的な社会の実現を目指し、新たな啓発活動の社内外への推進を宣言しました。

「世界をつき動かすような美の創造」をパーパス(存在意義)として掲げるロレアルは、美とは女性に力を与えるものであり、多様、平等、包摂的なものと捉えています。そして、日本において、ジェンダー平等、社内外の女性活躍推進を目的に、外部の女性有識者からなる「日本ロレアル 女性のエンパワーメント・アドバイザリー・ボード」を設立しました。

今回発表する2つの取組み(宣言)は、このアドバイザリー・ボードからの提言により実施される初めての活動です。

2025年までに男性社員の育休100%の取得率達成を宣言

日本ロレアルでは、オフィス部門の男女比率とほぼ同等の52%の女性管理職比率の達成、育休取得および職場復帰率100%など、性別に関わらない多様・平等・包摂的な職場環境づくりを推進しています。

その中で課題となっているのが男性の育休取得です。日本ロレアルで2021年の育児休業取得率は18.75%。日本の平均12.65%(厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」より)を上回るものの低い水準に留まっています。

そこで「改正育児・介護休業法」の施行を受け、今年4月から男性社員を対象に研修を行うほか、全社員へ対しアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)研修を受講必須とします。そして、国の定める育児休業と日本ロレアル独自の出産休暇(有給)を併せ、2025年までに男性育休取得率100%達成を宣言しました。

この宣言について、「日本ロレアル 女性のエンパワーメント・アドバイザリー・ボード」のメンバーである村木 厚子氏(津田塾大学 客員教授、元厚生労働事務次官)は次の通りコメントしています。

「女性自身が自分の望む人生を選択していくためには、パートナーが家庭における責任を共に担っていくことが鍵となります。そのためには制度を整備するだけでなく、“男性・女性はこうあるべき”という性別役割分担意識の排除や無意識の思い込みへの気づきが重要です。内閣府によると男性の29.5%、女性の22.9%が『家事・育児は女性がするべきだ』と考えていると言います。採用や昇進において、日本ロレアルは既にジェンダー平等の尊重を実現しています。男性の育休等取得を含む柔軟な働き方においても、更なる推進が可能と期待しています」

ジェンダーバイアスのない学業選択を。理系志望の女子中高生の支援を宣言

創業者が化学者であり、科学をDNAに置くロレアルは「世界は科学を必要としており、科学は女性を必要としている」を信念に、女性科学者の支援を行ってきました。世界における女性科学者比率は33%ですが、日本においては、わずか16.9%(内閣府「少子化社会対策大綱」(令和2年5月29日閣議決定)より)。日本の女子は、世界でもトップクラスの知識やスキルを持ってるにも関わらず学業で理系を選択する割合は低く、大学入学者を分野別にみると自然科学分野は27%、工学分野は16%に留まり、OECD諸国のなかで最下位(内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和3年版」より)です。

理系選択の障壁のひとつとされているのがアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)。内閣府の調査(内閣府男女共同参画局「令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」より)によると、20代では男性の14.2%、女性の7.7%が「女性に理系の進路(学校・職業)は向いてないという性別役割意識がある」と回答しています。

そこで日本ロレアルでは、分野におけるジェンダー平等の実現を目指し、職業選択の前、大学入学にあたり文理選択を行う前の女子中高生に対して、科学を啓発すると同時に、ロールモデルとの出会いなどを通して、バイアスなどの制限なく自身の志望を自由に選択することのできる支援活動の展開を宣言しました。

また、第一弾として、特定非営利活動法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクトが主催する、科学技術に触れ、同分野で活躍する女性や仲間と共に将来を考えるキャリア教育プログラム「女子中高生 夏の学校」および、一般社団法人関西科学塾が主催する女子中高生に理系進学への魅力を伝える取り組み「女子中高生関西科学塾」へ協賛・参加します。

この宣言に対して「日本ロレアル 女性のエンパワーメント・アドバイザリー・ボード」のメンバーである川合 眞紀氏(自然科学研究機構・分子科学研究所長)は、次の通りコメントしています。

「科学は万人に平等です。科学に携わる人におけるジェンダーアンバランスは、女性は科学や技術開発に不向きであるという思い込みが少なからず影響しており、それによって個人の適性が理解されない可能性もあります。優れた科学者が芽吹きの機会を失い、万人のニーズを満たしうる科学技術が生まれない可能性があることを意味しています。大学での理系選択は、そのような才能を開花するための第一歩です。その選択をする段階を直前にある女子中高生に、『科学』に触れる機会を提供し、選択する段階でのバイアスを取り除く支援をすることは、未来の科学界の発展に寄与する重要な活動であると言えます」

ロレアルは1963年から日本で事業を開始し、1996年に日本法人である日本ロレアルが設立されました。2020 年末時点での社員数は2,491人、2021年12月現在の取り扱いブランドは18です。化粧品の輸入、製造、販売、マーケティングを行っています。

日本ロレアルWEBサイト:https://www.loreal.com/ja-jp/japan/

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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