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2022年12月09日 13:50 更新

茄子紺(なすこん)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

茄子紺(なすこん)とは、ナスの実を思わせる深い紫色のこと。日本の伝統色である【茄子紺】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【茄子紺】とは?

まる茄子の漬物

茄子紺とは、ナスの実のような深い紫色のことです。

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色の名前 茄 子 紺
読み方 なすこん nasukon
英語 Dusky purple,Eggplant
WEBカラーコード #150029
CMYK  C=70/M=85/Y=0/K=85 
RGB R=21/G=0/B=41
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【茄子紺】の意味と由来は?

【茄子紺(なすこん)】という色の名前には、「茄子(なす)」という言葉が使われています。

つやつやとした濃い紫色をした茄子は日本で古くから親しまれていた野菜。7世紀頃から8世紀頃に、中国から伝わったとされています。【茄子紺】という色名は、そんな茄子の色からきています。この色を「茄子」に見立てたのは日本だけではなく、英語ではストレートに茄子を示す「エッグプラント(eggplant)」という言葉で表現しているんですよ。

日本では古くは奈良時代から食べられていたと言われる茄子ですが、意外にも【茄子紺】という色名が使われ始めたのは遅く、江戸時代になってから。また、大正時代には【茄子紺】が流行色となりました。

【茄子紺】に合う色は?


茄子紺
  なす こん  


青竹色
 あおたけいろ 



茄子紺
  なす こん  


蘇 芳
 す お う  

夏野菜の「茄子」から来ている【茄子紺】に合う色としては、みずみずしい緑系統の色が挙げられます。明るい青緑系の【青竹色】【夏虫色】【花緑青(はなろくしょう)】と合わせると、初夏~夏を思わせるさわやかな色合いになります。

【茄子紺】は、藍で染めてから、蘇芳(すおう)で赤を入れるという染色方法で、独特の色味を出しています。そのため、【藍色】【蘇芳】とのなじみも抜群。浴衣や座布団、風呂敷など和装や和雑貨には、そうした配色のものも多くなっていますね。

A traditional Japanese color "茄子紺 nasukon" is...

A traditional Japanese color "茄子紺 Nasu-kon -eggplant navy blue-” comes from the word "eggplant".

The glossy, dark purple eggplant has been a popular vegetable in Japan since ancient times, and is believed to have been introduced from China around the 7th to 8th centuries. The color name "茄子紺 Nasu-kon” comes from the color of eggplants and refers to the purplish blue color. It is not only in Japan that this color is compared to "eggplant," but in English, the word "eggplant" is used to express the color.

In Japan, eggplant is said to have been eaten since the Nara period (710-794), but surprisingly, the color name "茄子紺 Nasu-kon” was not used until the Edo period (1603-1868). In the Taisho era (1912-1926),"茄子紺 Nasu-kon” became a fashionable color.

まとめ

日本では、江戸時代から使われてきた【茄子紺】。つややかでみずみずしい茄子の色に、多くの人々が魅了されてきたのでしょうね。茄子は夏が旬ですが、今は季節を問わず販売されている野菜。お子さんと一緒に茄子を見ながら、茄子紺の名前の由来や、英語でも茄子を指す「eggplant」という名前が使われて色名に使われていることなどを話してみてはいかがでしょう?

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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