共働き夫婦 共働き夫婦
2022年03月07日 07:00 更新

これって花粉症? くしゃみ、鼻水、目のかゆみ…小児科医が教える子供の花粉症のケア

春先、子供が頻繁にくしゃみや咳などをすると、風邪なのか花粉症なのか迷いますね。ここ数年は、新型コロナウイルス感染症かもしれないと心配になる方も多いようです。そこで花粉症かもと思ったらどうしたらいいのか、森戸先生に教えてもらいました。

小さな子も花粉症になることがある

(photoAC)

発熱、頭痛、腹痛などの症状がなく、目のかゆみや充血があって、くしゃみや咳、鼻水が出るという場合は、花粉症かもしれません。

小さな子供は花粉症にならないと思っている方も多いようですが、稀に0歳時に初めて花粉を浴びたあと、3歳くらいで花粉症を発症することさえあります。環境の変化などもあり、発症年齢が早くなっているのです。特に食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息などがあるアレルギー体質の子は発症しやすいでしょう。

そもそもアレルギーとは何か、知っていますか? 私たちの体は、ウイルスや細菌などの危険な異物が入ってきたときに免疫が働き、外へと追い出すために鼻水や咳、くしゃみを出す仕組みになっています。ところが免疫が、病原性のない特定の物質にも過剰に反応してしまうことがあります。これがアレルギーです。

つまり、花粉症は「花粉」に反応するアレルギーの一種。花粉とひとくちに言っても、アレルギーの原因になる花粉は、今の時期に大量に飛散するスギだけではありません。季節によって、他にもヒノキ、ブタクサ、シラカバ、イネなど50種類以上が知られています。

「体を温めて」はウソです

花粉症になると、目がかゆいときに手で掻いてしまって様々なトラブルが起こるリスクがありますし、症状がひどいようなら何よりつらいでしょうから、小児科または耳鼻科を受診するといいでしょう。目だけの症状であれば、眼科でも構いません。

花粉症と診断されたら、抗ヒスタミンの内服薬、抗ヒスタミン薬やステロイド薬の点眼・点鼻薬などが処方されます。飲み薬には、粉や錠剤だけでなく、シロップ、水なしで飲めるOD錠などもあるので、お子さんが飲みやすいものをお願いしてみてくださいね。

日常生活では、花粉の時期は飛散量の多い時間帯の外出を避ける、表面がつるんとした上着を着る、上着は玄関で脱ぐ、布団や洗濯物を外に干さないなどの対策がおすすめです。鼻うがいも効果的です。一方、目を洗うことはあまり効果がなく、傷をつけてしまうかもしれないのでやめましょう。

なお、花粉症になると「まずは自然療法で免疫を高めて」「体を温めたらいい」などという説が目に入ってくるかもしれませんが、大間違いです。先にご説明したように免疫が過剰反応して花粉症になっているので、免疫を高めてよくなるというのでは理屈が通りませんし、また免疫を高める方法はありません。医療機関に相談してくださいね。

参照)
森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

(編集協力:大西まお)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-