仕事 仕事
2022年04月08日 07:28 更新

脱・マミートラック! 時短勤務でも生産性を上げる4つの"質"(後編)『ワーママはるのライフシフト習慣術』Vol.7

ライフシフトとは「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」こと。100年あると言われる人生、女性はどのように生きていけばよいのでしょう。社会の荒波で溺れぬように、ワーママ的泳ぎ方を徹底解説した『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)から、気になるトピックスを厳選してお届けします。

仕事力を落とさない「分解」目線を持つ【3】

前回の続きです。
ワーママはるのライフシフト習慣術,尾石晴(ワーママはる)

(3)枠や制約をうまく使う――思考の質

子どもができる前の私は、どちらかというと、締め切りギリギリ派。追い込まれた ほうが焦っていいパフォーマンスが出るタイプの仕事をしていました。

そのため、24時間仕事のことが頭の片隅にあり、それもまた、自分の追い込み方法だと、都合のいいように考えていました。

しかし、ワーキングマザーになったら、そんな仕事のやり方では通用しません。仕事のやり方をガラッと変える必要に迫られました。

まず、就業時間の枠が決まっています。残業なんてできないので(お迎えがある)、好きなように働けないのです。家に帰らず仕事ができるわけでもないし、ギリギリまで時間をかけて悩んでいる時間はありません。時間の枠が区切られている以上、仕上がっていなくても仕事を出し、フィードバックを受け、改善していくしかないと気がつきます。

一見、大変そうですが、実は人間の集中力は、昨今の脳科学の研究からも、数時間しか持たないと報告されています。8時間会社にいたところで、集中して仕事をしているのはせいぜい5時間程度という報告もあります。そのため、長く働いて成果を出そうとするよりも、最初から「枠がある」「絶対にここで帰らなければならない」と思っているほうが、生産性が上がるのです。

「時間がないから仕事が満足にできない」という思考を持っていると、必ずそれは行動に現れてきます。むしろ、「枠があるからこそ、私は生産性が上がる仕事ができる」と決めてしまうのが有効です。

ただルールをつくっただけでは改善しません。枠を活かして生産性を上げていこうと思ったら、枠を超えない中で仕事力を上げていくしかありません。

そのために、私は次のルールを設けていました。

・決めた時間までにできあがっていない仕事があっても、とりあえず出す。
・業務の取り掛かりに必要なルーチン作業は、できるだけ自動化する(定型メール や、パソコンのショートカットなどは多用する)。
・早め早めに仕事の進捗を見せ、上司に方向性を相談しておく。
・時間内に終わらなかった仕事は、必ずオーバーした時間をメモし、オーバータス クを把握する(次回は改善するか、時間見積もりを増やす)。
・社内向けの仕事は8割で出す。

このルールをつくり、「時間の制限があるからできない」から「制限があるからこそやり切る」に発想が変わりました。思考の質を高めるためには、具体的なアクションを決めておくと有用です。

(4)タスクを細かくするクセをつける――行動の質

例えば、「社内会議でプレゼンする」という仕事があったとします。 人の前でプレゼンするので気が重い。そんなときも、プレゼン日までに「必要とされるタスク」を以下のように小さく分けます。

・アイデアを出す。
・アジェンダをつくる。
・主張を決める。
・必要なデータを集める。
・スライド枚数を決める。
・スライドを作成する。
・上司のチェック日程を確保する。

行動の質を上げようと思ったら、「仕事」に含まれているアクションを分解することが大事です。見えていないものを管理したり、行動するのは難しいです。特に行動量が時間に縛られているような場合は、具体的なアクションやタスクを細分化して、「やめられるもの」や「減らせるもの」、そして「代用できるもの」を見つけておきます。

「悪いサイクルに陥ってるな」と思ったら、アクション別に見直す。そうすれば、全体的な行動が落ちていくのではなく、「やめること」と「やること」を分けて考えられるようになり、質が下がりにくくなります。つまり、優先度付けができ、効率化にもつながります。

そもそも何のために、仕事時間内に終わらせて、生産性を上げる仕事をしていくの でしょうか? 私は、「自らが人生をコントロールするため」と考えています。仕事に操られるのではなく、自分の人生の一部として仕事があります。実際、私たちの一生で仕事をしている時間は21%しかありません。

1年間……24時間×365日=8760時間。

週休2日で1日8時間働いても、仕事時間は240日×8時間=1920時間です。

時間という単位で見ると、思っているより仕事に時間を使っていないのです。

しかし、その仕事が人生のメインのように感じてしまい、自己肯定感が下がったり、自己効力感を失ったりするケースがあります。むしろ、この短い時間の中でどうやって生産性を上げていくのかを早めに気づけるのが、ワーキングマザーたちの利点です。バッドサイクルに陥ることなく、生産性にフォーカスした仕事力を上げていきましょう。

尾石 晴(ワーママはる) 『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

『ワーママはるのライフシフト習慣術』では、ほかにもワーママに役立つ仕事術や家事育児のコツなどが紹介されています。ぜひ、書籍でもお楽しみください。

書籍『ワーママはるのライフシフト習慣術』について

ワーママはるのライフシフト習慣術
¥ 1,650 (2022/04/08時点)
(2022/2/16時点)

音声メディア「Voicy」再生回数1500万回以上!
注目のトップパーソナリティが伝授する、自分らしい人生に変わる思考&実践法が
1冊の本になりました。

ライフシフトとは、
「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」という意味。

人生100年時代には、
「教育⇒仕事⇒引退」の3ステージの時代から、ステージの移行を数多く経験する
「マルチステージ」の人生が到来することを意味します。

その変化に対して、女性はどのような人生戦略を立てていけばよいのでしょう。

家庭もキャリアも賢くしたたかに、楽しく続けるための人生戦略を実現する1冊となっています。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-