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2023年01月17日 17:43 更新

勿忘草色(わすれなぐさいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【勿忘草色(わすれなぐさいろ)】とは、明るい青色のことです。日本の伝統色である【勿忘草色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【勿忘草色】とは?

忘れな草の花

勿忘草色とは、可憐な花を思わせる明るい青色です。

色の名前       勿忘草色      
読み方 わすれなぐさいろ wasurenagusa-iro
英語 forget-me-not blue
WEBカラーコード #9cc5e6
CMYK C=40/M=10/Y=0/K=5
RGB R=156/G=197/B=230
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【勿忘草色】の意味と由来は?

【勿忘草色】は、勿忘草の可憐な花のような明るい青色のことです。

勿忘草は、春から夏にかけて可愛い小花を咲かせるムラサキ科の多年草。ヨーロッパが原産で、姫紫(ひめむらさき)や瑠璃草(るりそう)という別名もあります。ヨーロッパでは、こうした青い小花が少なかったため、神秘的な花として人気がありました。「私を忘れないで」という花言葉でも知られています。

「勿忘草」という名称は、ドイツの伝説に由来があります。ある騎士が川のそばに咲いている花を恋人のために摘もうとして誤って川の流れに飲まれてしまう……、騎士は「forget me not(フォーゲットミーノット=私を忘れないで)」と言い残して亡くなったとされ、この言葉から花が名付けられました。日本名もその和訳です。

初めて花の名前を和訳したのは、植物学者の川上滝弥(かわかみたきや)で、20世紀の初めごろとされています。同時期に、色名としても誕生したようです。現在では、野生化した勿忘草が日本各地に群生。観賞用として栽培もされています。

【勿忘草色】に合う色は?


勿忘草色
 わすれなぐさいろ 


菜の花色
 なのはな いろ 

【勿忘草色】に合う色のひとつに【菜の花色(なのはないろ)】があります。葉の花色は、同じく春に咲くアブラナの花の色のような明るい黄色です。明るい青色の【勿忘草色】と合わせると、春の温かな空気を纏ったようにパッと明るく爽やかな雰囲気になり、人の目を引く配色になります。

また、対比色になる紫紅色の【牡丹色(ぼたんいろ)】や桃の花を思わせる淡い紅色の【桃色(ももいろ)】との組み合わせは、華やかさの中にも優しさや上品さを感じさせる配色です。

A traditional Japanese color "勿忘草 wasurenagusa" is...

A traditional Japanese color "勿忘草 Wasurenagusa -means forget-me-not-" is bright blue, like the pretty flowers of the forget-me-not.

Forget-me-not is a perennial plant of the purple family that blooms lovely small flowers from spring to summer. It is native to Europe, and there were few of these small blue flowers, so it became popular as a mysterious flower. The flower is also known by its flower language, "Don't forget me.

The name "forget-me-not" comes from a German legend. It is said that a knight tried to pick a flower blooming by the river for his lover, but was accidentally swallowed by the current of the river. The knight said, "forget me not" and died. This is how the flower was named. The Japanese name is also a Japanese translation of this phrase.

The first Japanese translator of the flower's name was botanist Takiya Kawakami, around the beginning of the 20th century. At the same time, it seems that it was also born as a color name. Nowadays, the wild version of the plant grows in clusters all over Japan. It is also cultivated as an ornamental plant.

まとめ

【勿忘草色】は、騎士が恋人のためにこの花を採ろうとして川に流されてしまったというドイツの伝説に由来して生まれた色名です。ドイツではそんな伝説にちなんで、「恋人たちの花」と呼ばれ、現在でも閏年(うるうどし)に恋人たちがこの花を贈り合うという習慣があるそうです。【勿忘草色】は、「恋人たちの愛の色」とも言えるのかもしれませんね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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