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2022年12月07日 14:33 更新

瓶覗色(かめのぞきいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【瓶覗色(かめのぞきいろ)】とは、わずかに灰みを帯びた薄い青色のこと。日本の伝統色である【瓶覗色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【瓶覗色】とは?

瓶覗色の瓶

瓶覗色とは、わずかに灰みがかった薄い青色のことです。

色の名前       瓶 覗 色      
読み方 かめのぞきいろ kamenozoki-iro
英語 Pale aqua
WEBカラーコード #c5e4ed
CMYK C=25/M=0/Y=6/K=3
RGB R=197/G=228/B=237
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【瓶覗色】の意味と由来は?

【瓶覗色(かめのぞきいろ)】とはとても変わった名前で、聞いただけではどのような色なのかイメージできないかもしれません。

【瓶覗色】は、ジャパンブルーと呼ばれる【藍色】をとても薄くし、灰色に近づけたような色。藍染めのときに染料をためておく瓶を「藍瓶(あいがめ)」と言うのですが、その瓶の中に白い布を少しつけただけ、または瓶を覗いた程度に軽く色をつけただけのという意味でつけられた名前です。

それとは別に、「瓶の中の水に映った空の色」が色名の由来だという説もあります。

【瓶覗色】が生まれたのは江戸時代。庶民は贅沢を禁じられ、着物の染め色を【茶色】【鼠色(ねずみいろ)】【藍色】のみとされたことがありました。限られた色の中でもおしゃれを楽しみたい江戸の人々は、【藍色】の染め具合によって色のバリエーションを増やし、おしゃれを楽しんでいたのだそう。【瓶覗色】は、ごく薄く藍で染めた薄い色。落ち着きもありつつさわやかな薄い青色は、多くの江戸っ子のおしゃれ心を満たしたに違いありません。

同じように生まれた色に【藍白】があります。【藍白】は【瓶覗】よりさらに薄い色を指すことが多いです。

【瓶覗色】に合う色は?


瓶覗色
 かめのぞきいろ 


納戸色
 なんど  いろ 

藍染の中で一番薄い【瓶覗色】は、同じ藍で染めた【藍色】【納戸色(なんどいろ)】、同じ青系統の【藤色】ともよく合います。藍色系統同士、色の濃淡を活かしたグラデーションも素敵ですね。白系統とも相性がよいので、【卯の花色】【月白(げっぱく)】などと組み合わせると、夏らしいさわやかな色合いになります。

また、わずかに灰みを帯びた色であるため、【灰白色(かいはくしょく)】【薄雲鼠(うすくもねず)】【利休鼠(りきゅうねずみ)】など、灰色が入った色とも好相性です。主張しすぎない色なので、多くの色となじみやすいのが、【瓶覗色】の特長と言えるでしょう。

A traditional Japanese color "瓶覗 kamenozok" is...

The name "瓶覗 Kame-nozoki -means looking into a jar-" is so mysterious that you may not be able to imagine what kind of color it is just by hearing it.

A traditional Japanese color "瓶覗 Kame-nozoki" is a very light, grayish version of "藍 Ai -means indigo-" color, also known as Japan blue. The jar in which the dye is stored during the indigo dyeing process is called "藍瓶 Ai-game", and it is named after the white cloth that is dipped in the "藍瓶 Ai-game", or the color that is only lightly applied when you look into the jar.

There is another theory that the name comes from the color of the sky reflected in the water in the jar.

It was during the (1603-1868 CE) when the common people were forbidden to be extravagant, and the only colors that could be dyed for kimonos were "brown," "gray," and "indigo". The people of Edo, who wanted to enjoy fashion even with the limited colors, enjoyed increasing the variation of colors depending on the degree of indigo dyeing. "瓶覗 Kame-nozoki" color is a light color dyed with very light indigo. The calm and refreshing pale blue color must have satisfied the fashionable spirit of many Edo people.

Another color that was born in the same way is "藍白 Ai-jiro -means indigo white-".The color is an even lighter color than "瓶覗 Kame-nozoki".

まとめ

日本で古くから愛されてきた【瓶覗色】。変わった名前ですが、一度聞くと忘れられないくらい、インパクトある色名でもありますね。

「瓶の中に映った空の色」が色名の由来のひとつとされているのも、印象的です。外遊びのときなどに、バケツに映った空の色を見ながら、お子さんと一緒に【瓶覗色】についてお話してみてもいいかもしれませんね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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