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2023年04月05日 19:05 更新

丹色(にいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【丹色(にいろ)】とは、赤土の色を示す朱色と同様、赤を代表する色です。日本の伝統色である【丹色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【丹色】とは?

藤の花

丹色とは、赤土の色で、赤みがかった灰黄色から赤褐色を表す色名です。

色の名前       丹  色      
読み方 にいろ Ni-iro
英語 red redness
WEBカラーコード #cd622c
CMYK C=28/M=33/Y=0/K=0
RGB R=192/G=175/B=213
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【丹色】の意味と由来は?

【丹色(にいろ)】は、赤土の色。赤みがかった灰黄色から赤褐色を表す色名で、【朱色】と同じように、赤系統を代表する伝統色です。「丹」は、赤土の古語で「あか」とも読む漢字です。さらに「丹」は「たん」とも読んで、黄色みを帯びている鮮やかな赤の別名としても知られています。

【丹色】や【朱色】をしているものといえば、神社の鳥居。また、広島の厳島神社や京都の平安神宮などでは、社殿にも【丹色】が使われています。こうした神社建築のことを「丹塗り(にぬり)」と言い、古い時代から人々を惹きつけ、信仰の対象となる色だったことがわかります。

【丹色】の顔料の元となっているのは、四酸化三鉛を主成分とした鉛丹(えんたん)という鉱物。これは別名「光明丹(こうみょうたん)」とも呼ばれる、自然界ではめずらしい鉱物です。色は【朱色】よりオレンジに近く、合成顔料が作られるまでは、貴重な色として、主に神社などにだけ使われてきました。

「赤」はもともと魔除け(まよけ)に通じる色とされています。加えて、鉱物からできる【丹色】顔料には、木造建築を腐食から守る効果があることも、【丹色】がの神社仏閣に使われた理由のひとつだといわれています。

【丹色】に合う色は?


丹 色
 に い ろ 


鬱金色
 うこんいろ 

【丹色】に合う色のひとつに【鬱金色(うこんいろ)】があります。鬱金色は、鬱金草を根を使って染めた赤身が強い鮮やかな黄色です。英語名では「ターメリック」と呼ばれています。派手で目立つ色ですが、丹色とは系統の近い色なので、相性もよく、合わせると色鮮やかながらもやさしくやわらかな印象になる配色です。

ほかに、春の柳の葉を思わせる緑色の【青柳(あおやぎ)】や、桔梗色に赤を重ねた濃い紫色の【紅桔梗(べにききょう)】などとの配色もバランスがよく、華やかさのなかに安定した雰囲気を感じる組み合わせです。

A traditional Japanese color "丹" is...

A traditional Japanese color "丹 Ni" is the color of red clay. Like "朱 Syu" color, it is a traditional color that represents the red family. The Chinese character for "丹" is an old word for red clay, which is also read as "aka -means red-". In addition, "丹" is also read as "tan," another name for a bright red with a yellowish tinge.

One thing that has "丹 Ni" or "朱 Syu" is the color of torii gates of shrines. "丹 Ni" color is also used in the shrine buildings of Itsukushima Shrine in Hiroshima and Heian Shrine in Kyoto. This kind of shrine architecture is called "丹塗り Ni-nuri," and it is clear that this color has been attracting people since ancient times and has become an object of worship.

The pigment used to make the "丹 Ni" color is a mineral called "鉛丹 Entan," which is mainly composed of trilead tetraoxide. It is also known as "光明丹 Komyo-tan," a mineral that is rare in nature. Its color is closer to orange than "朱 Syu" color, and until synthetic pigments were developed, it was used only in shrines as a precious color.

Red was originally thought to be a color that warded off evil. In addition, it is said that one of the reasons why "丹 Ni" was used in shrines and temples was that the mineral pigment "丹 Ni" had the effect of protecting wooden buildings from corrosion.

まとめ

自然界では貴重な鉱物から作られた色だったこともあって、人々から尊ばれ、信仰の対象である神社に多く使われてきた【丹色】。今でも全国の神社の鳥居の色として親しまれています。実際の鳥居を観て、「丹塗り」を感じてみるのもおすすめです。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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