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2022年01月07日 19:41 更新

【登園しぶり撃退術】休暇明けの「保育園行きたくない」にはどう対処するのが正解? #渡邊大地の令和的ワーパパ道 Vol.21

『産後が始まった! 夫による、産後のリアル妻レポート』『夫婦のミゾが埋まらない 産後にすれ違う男女を変えるパートナーシップ学』(ともにKADOKAWA)など、夫婦のパートナーシップをテーマにした著書が話題の渡邊大地さんによる新連載! 令和における新たなワーパパ像を、読者のみなさんとともに考えます。

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先日長女と「クラスのかっこいい男子」の話をしていたときに「クラスで一番ハンサムな子は?」と尋ねたら「ハンサム、って……何?」と聞き返されました。今どきの若者は「イケメン」と言うのだそうです。
そういえば以前、長女とドライブ中に「喫茶店にでも行くか」と言ったら「キッサテン、って……何?」と言われました。「カフェ」は知ってるけど「喫茶店」は知らないそうです。
そういえば以前……、いや、もういいです。
令和も4年目に突入ですね。

皆さん、こんにちは。渡邊大地です。今回も、「ワーパパ」とは何たるかを一緒に考えていきましょう!

「登園したくない=わがまま」ではない

長期休暇のあとは、子どもが園や学校に行くのをいやがるもんですよね。冬休み明け・夏休み明け・ゴールデンウィーク明けは往々にして、保育園の登園時に玄関で園児たちの泣き声が行き交っています。ぼくらも、休暇明けは少し早めに会社に行ってメールチェックをしたかったりするので、登園に手間取りたくないじゃないですか。そんなときにヤダヤダと泣かれたりすると、こっちもイラっとして怒っちゃたり、余計子どものヤダヤダを増幅させちゃったりして、悪循環に陥ります。
なんとか、登園しぶりを解消できないものか……というのが今回のテーマです。

まずお話ししたいのが、子どもが登園をしぶることは「子どものわがまま」なわけではないということです。

連休明けなどに娘を保育園に送っていくと、玄関先で泣く子と担任の先生の姿があり、よく先生が「お休みの間、楽しかったんだね」「パパもママも、みんないたもんね」という声掛けをしているのを耳にします。
休暇が楽しかったから現実に戻るのがいやになった、という面もあるということですよね。ぼくら社会人も、旅行に行ったりすると、いつも以上に会社に行くのがしんどくなったりしますもんね。子どもたちにとって、旅行とまではいかなくても、家族団らんで過ごせることはとても楽しい思い出になるんですね。

保育園時代の我が子たちを思い返すと、長期休暇中に「あと何回寝たら保育園?」と、残り日数の確認をされることがよくありました。
その気持ち、よくわかります。ぼくら大人も旅行中に、「あと2日で終わりか……」「明日には家に帰るのか……」とおセンチになっちゃうことありますよね(まさか、「おセンチ」知りませんか? センチメンタルをかわいく言ったやつですよ!)。
そして、実はぼくも会社員時代に一度だけ、旅行明けに休んだことがあります。大人だってそんな気持ちになるくらいですからね、子どもだってなりますよね。

登園をしぶるときには「そうだよな、昨日楽しかったよな」「週末目指して一緒にがんばろうぜ!」という気持ちで、子どもを見守りたいものです。

「急がば回れ」に気付いて、手こずらなくなった

では、先輩ママ・パパはどんな手を使っているのか? 今回も僕の周囲のパパ・ママにいろいろと情報収集してみましたが、これについては先輩たちも悩まされた(悩まされている)ようで、「これが決定打!」というものはなかなか出てきませんでした。

一番多く聞いたのは、「うちも大変だった!」という声。悩まない家庭はないのかもしれませんね。

我がやの送り迎え担当のぼくは、娘(年中クラス)のクラスメイトの子の名前と顔はすべて一致していて、なんとなくの性格やキャラはわかっているつもりです。そんなぼくから見ても、一年を通して、玄関先で登園しぶりをしているのを見たことがないという子はいません。積極的キャラの子も、おとなしいキャラの子も、受け答えが小学生みたいな大人びた子も、「ママと離れたくない」と泣いている姿を一度は目にしています。もちろんぼくも、長期休暇明けは娘の引き渡しに苦戦します。

そんななかで、送り迎えを十年やってきて感じるのは、「急がば回れ」ということ。

早く仕事に行きたくて、大泣きしている子を無理やり引き渡ししようとしてエスカレートさせる、というのはよくあることです。そうなるくらいなら、思いっきり抱っこしてしばらくそのままで、気持ちが落ち着いたところで引き渡す、というようにした方が結果的に早いと思います。

これに気づいてからぼくは、手こずるということがなくなりました。抱っこしたら気が済む、とわかっているので、引き渡しで焦ることもありません。時間がかかりそうに見えても、じっくり向き合った方が「急がば回れ」の結果になるというのが、ぼくの経験談です。

ちなみに、経験談ということで言うと、ぼく含めパパにありがちな例で、「お菓子を与えて子どものご機嫌を取る」という手があります。子どもも喜ぶのでついつい使いがちな作戦です。

ですが、これは悪魔の手法です。
「お菓子をあげないと登園しなくなった」とか、「“パパはお菓子をくれたのに”と言ってママとの登園に手こずった」など後遺症が残ることがあるので、気を付けたいです。

いつもと違うお迎えを示唆して、期待度を上げる

以前、娘が長期休暇明けの登園時にぐずったことがありました。なかなか引き渡しができずにいると、担任の先生が小さな声で「お父さん、今日は少しだけ早くお迎えに来られませんか?」と尋ねてきました。特に重要なミーティングもなかったので、「はい、大丈夫です」と答えたら、先生が娘に大きな声で「パパが今日早めにお迎えきてくれるって!」と言いました。

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これで娘の機嫌はかなり持ち直し、なんとか引き渡しに成功しました。
その日の午後、ぼくも連休明けで仕事を詰め込みたくなかったので、約束通り早めに切り上げてお迎えに行きました。いつもより30分くらい早いお迎えに、娘は大喜びです。娘にとっては、早くお迎えに来たことも大事なんですが、「パパが約束を守ってくれた」というのもすごく大事なことだったんだと思います。そのおかげか、翌朝は登園しぶりがありませんでした。

休暇明けはメール処理が溜まっていて、いつもより早く帰るのはそう簡単にできないかもしれませんが、そこをなんとか二日目に繰り越して、連休明け初日の仕事は早めに上がりませんか。

また、ほかの成功例だと、お迎えの手段をいつもと違う方法にして気分を変えてあげる、というのも有効なようです。

我が家では主に自動車で送迎をしているので、たまに自転車でお迎えに行くと大興奮です。さらにごくまれに、徒歩で帰ることを提案したときには、クラスのお友だちやたくさんの先生にそのことを教えて、お迎え時に会う人会う子みんなから「●●ちゃんのパパ、きょう あるいてかえんの?」と声をかけられました。
いつもと違うお迎え方法を提案する、というのは子どもたちにとって何かしら刺激になるようです。

それに近いもので、いつもと違う人がお迎えに行く、という手もあります。つまり、いつもはママ担当だったら、「今日は特別、パパがお迎えに来るからね!」という作戦です。メインじゃない人の突然の起用は、子どもも興奮するようです。「パパがお迎えに来るからね」のあとに「パパはお迎えに慣れてないから、いろいろ教えてあげてね」なんて言われると、子ども心に火が付くようです。

登園しぶりでお悩みのご家庭は、ぜひお試しください。

自分が園児だったら、何がモチベーションになるか

育児ってなんでもそうですが、「子どもが登園時にぐずるから子どもを何とかしたい」というような、子どもを変える方法だけを考えて進められるものじゃないんですよね。子どもがなぜぐずるのかを考えないといけないし、こちらの対応を変えることで子どもの気持ちが変わったり、こちらの気の持ち方次第で大きな問題ではなくなったりする場合もあります。イラっとしたから怒る、イライラして見せる、ということで解決した試しはありません。まあ、親だってイライラしますし、気持ちの切り替えもそんなに簡単にはいかないんですけどね。

でも、自分だったら、「休暇明けにどんな気持ちになるかな?」「どうなったら今日一日がんばれるかな?」という視点で、お迎え対策を考えてみませんか。

以前、ぼくら夫婦がどちらも会社員だった時代に、たまたま夫婦で仕事が早めに終わったので、駅で待ち合わせをしてそのまま息子の保育園のお迎えに行ったことがあります。あのときの息子の興奮ったらなかったですね。しかもクラスの子たちみんなが集まってきて、「なんでパパもママもいるの!?」と質問攻めにあいました。息子は園児の群れをかきわけて「ぼくのママとパパだよ!」と鼻高々でしたね。

夫婦でお迎え、っていうのも年に一度くらいどうでしょうか?

今回のまとめ

休暇明けの登園しぶりを自分事として受け止められるワーパパになろう!

(文:渡邊大地、イラスト:村澤 綾香、編集:マイナビ子育て編集部)

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