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2017年06月16日 18:00 更新

子供のうちからやっておきたい。将来の人生において役立つ技術「格闘技」とは?

幼児が事件に巻き込まれるケースも増え、親として何か対策を考えている方も多いと思います。中川淳一郎氏が考える、子供のリスク対策とはどのようなものがあるのでしょうか?

 この前プロの格闘家・A氏に話を聞く機会があったのですが、人生で嗜むものの一つに「格闘技」を入れてもいいのでは、という話が印象的でした。もちろんA氏が格闘技の裾野を広げたい、という気持ちがあるのは確かですが、「習い事」の観点からも、格闘技をやることには利点があるというのです。定説で言われるのは「礼儀が身につく」というものですが、それは主眼ではないとのこと。A氏が言ったことは非常にシンプルなものでした。

Lazy dummy

街中で襲われた時に役に立つ。あと、(本当は避けたいところだが)仮に反撃した時も加減が分かり、相手の攻撃を防ぎつつも相手に致命的打撃を与えないで済む

 これです。子供の習い事やスポーツといえば、定番は水泳、体操、バレエ、ピアノ、書道、ダンス、英語、そろばん、などが挙げられます。お金のある人(含む自分のためのカネを削ってでも子供に投資できる人)は、フィギュアスケートやゴルフなども選択肢に入るかもしれません。

 もしも自分に子供がいたらどんな習い事をさせるかな、と時々妄想するのですが、A氏が言ったことを考えると空手、柔道、レスリング、ボクシング、柔術あたりを子供には習わせたいな、と思いました。というのも、こうした習い事というものは、「仮にトップになれずとも、その時の経験と蓄積、体に染み込んだ技術は、将来の人生において案外役立つ」という視点が大事だと思うからです。

特に、空手・柔道などの格闘技に関しては少なくとも様々な局面で役立ちます。人が生きていたら突然酔っ払いに肩をぶつけられ「なんだ、テメェ、どこ見て歩いてるんだ、ボケ」などと言われ、殴りかかられることもあるでしょう。その時に適切によけ、その場から格闘技で鍛えた足腰を活用してサッと逃げることも可能です。本当にケンカになってしまった場合も多少関節を決めて「イテテテテテ、やめてくれ」程度であれば正当防衛の範囲になるでしょう。女性なら、痴漢撃退などに役立つかもしれません。

 格闘技で鍛えていたら、仮に小学生の時の空手経験や柔道経験であろうとも体に染みついています。咄嗟にかわす動きや、相手のパンチを防御する動きなどは未経験者よりも圧倒的に鍛えられているのです。

 格闘技は確かに痛いかもしれませんし、日本では層が厚いからそれを職業にするのは並大抵のことではありません。しかし、一生モノの「体の動き」を子供時代の格闘技により身につけることはできます。決してカネにはなりません。でも、人口の大部分を占める未経験者と比べれば相当上の技術を持ち、ピンチに陥った際にはその技を駆使して危険を回避することができます。これは、未経験者と比べると大きな差です。

 これは相当鍛錬を積んだ結果の話ではありますが、レスリングや柔道の選手の耳はマットや畳で擦れたため「餃子」のようになっています。空手家の拳には「拳ダコ」があったりします。肉体と肉体のぶつけ合いにならずとも、こうした格闘技経験者の外見的な特徴は、相手からの攻撃を躊躇させる効果はあるので、A氏が言う通り、自分の身を守るためには格闘技はいいな、と思いました。

 お子さんの教育をコスパで考えるのもヤボではありますが、少なくとも一生モノの何かを「習い事」として子供のうちにやっておく選択肢は親にとっての安心材料としてもアリなのか、とA氏との会話から思ったのでした。

(中川 淳一郎)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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