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2021年12月27日 07:00 更新

「無理して仕事しなくていいじゃない」年末年始の帰省で心が乱されるワーママへ #岩橋ひかりのキャリアの引き算

ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。

今日のテーマは「年末年始、両親や義両親の雑音に乱されてしまう」

岩橋ひかりさん

あっと言う間に1年が終わり、また新しい1年がはじまります。
年末年始、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、久々に実家や義実家で過ごす方という方も多いのでは?
家族揃って過ごせる幸せな時間を噛み締める一方で、両親や義両親と過ごすと何かと雑音に心を乱されてしまう、そんな状況に直面しやすい時期でもあります。

「そんなに長い時間保育園に預けてるなんて、かわいそうね」
「子育ての大事な時期なんだから、そんなに働かなくても」
「子どもが可愛い盛りに無理して仕事しなくていいじゃない」

たとえ相手に悪気が無かったとしても、何気ない会話で発せられるこうした言葉に触れる度に、心がチクチクと痛む。
そんな経験がある方もいらっしゃることでしょう。

こうした事態に直面しやすい年末年始。
雑音にどう向き合うべきか、今日はこちらについて考察していきます。

基本的に「言いたいことを言っているだけ」と受け止めてOK

まず、大前提として、こうした発言をする側は言いたいことを言っているだけ。大抵の場合、悪意はありません。また、母親(義母)は、自分の経験を通して良かったこと、逆にこうすれば良かったと後悔していることを言いがちでもあります。

例えば「そんなに長い時間保育園に預けてるなんてかわいそう」。この発言の裏には、自分は保育園には預けず、子どもと一緒に過ごす時間が長かった。今振り返ってみて、その時間は幸せだったから、あなたにもその幸せを味わってほしい。そんな気持ちが込められていることも。そして自分自身の子育てを肯定したい、という気持ちもあるかもしれません。

独身の女性に対して、「早く結婚しなさい」「子どもはまだ?」といった言葉も心をチクリと傷つけます。こうした言葉も同じで、母親(義母)がこれまで積み重ねてきた経験から、良かれと思ってアドバイスする。相手の幸せを願っての発言である場合がほとんどです。

ただ、表現が不器用なので、その言葉に傷つけられ、叱られているような気さえしてしまうのですが……。こうした発言は母親(義母)にとっての幸せを投影していて、ただただ家族の幸せを願っているだけ。発言に触れた瞬間は心がざわつきますが、一呼吸おいて、私は、そんなふうに受け止めるようにしています。

別の視点でいうと、そうした雑音に心が揺らぐのは、自分が気にしていることをチクリと刺されるような感覚になるからでもあります。

「子育ての大事な時期なんだから、そんなに働かなくても」と言われて、「何よ!そんな言い方しなくても!」と内心ざわついてしまうのは、実は自分でも働き過ぎだなと感じている節があるから。本当はもう少し仕事のペースを抑えたいと思っていて、その密かに抱えていた悩みを指摘されたような気がして、揺らいでしまうのです。

でも、前回のコラムで書きましたが、保育園で風邪などが流行して頻繁に「お迎えの電話」があったりすると、仕事に対しても子どもに対しても罪悪感を抱いてしまうことがありますよね。働きながら育児をしていれば避けられない悩みですから、「そんなに働かなくても」といった言葉に傷つかないワーママはいないのではないでしょうか。

平成時代のドラマで「働くママ」は当たり前じゃなかった

両親(義両親)が子育てをしていた頃と今とでは時代も変わっています。専業主婦が圧倒的に多かった時代から、出産しても働き続ける人が増え、男性も女性も子育てに関わる時代へと変わりつつあります。

最近、ふと、YouTubeで中学生時代に流行っていたドラマを懐かしく見ていたのですが、乳児を保育園に預けて働きに出ようとする嫁は姑に散々嫌味を言われ、また、おんぶ紐で出勤しようとする父親(息子)の姿を見た姑に「みっともないからやめなさい」と怒鳴られるという、今放送されたら炎上しそうな内容の連続で驚きました。

当時の常識は、今の非常識。時代は変化していますが、全員が時代の変化を敏感に感じ、変化に順応しているわけではないので、雑音と割り切って受け流すのもある種必要なスキルだと思っています。

1つ言えるのは、基本的に、誰もが家族の幸せを願っています。
父親(義父)も母親(義母)も、あなたを不幸に陥れようとは全く考えていないはず。
たまたま生きてきた時代背景が違い、コミュニケーション下手なだけで、あなたの幸せを願っているのです。
良かれと思っての発言に、心を乱されてしまうこともあるかもしれませんが、ここは適当に受け流す。または、自分の気持ちを理解するきっかけに活用してみるのはいかがでしょうか。

今日のコラムが、家族一緒に過ごせる貴重な時間を、存分に楽しむヒントになれば幸いです。それでは、素敵な年末年始をお過ごしください。

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