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【医師監修】体重管理に悩む妊婦さんへ贈る食事5つの心得・おすすめの運動

【医師監修】体重管理に悩む妊婦さんへ贈る食事5つの心得・おすすめの運動

つわりが軽くなると食欲が増し、気づくと体重が増えすぎて焦ってしまったという妊婦さんも多いのでは。妊娠中の体重管理はとても大切ですが、ダイエットに必死になることも問題です。妊婦さんが適正体重を保つための正しい食事と運動法を知り、健康的なマタニティライフを過ごして元気な赤ちゃんを産みましょう。


この記事の監修ドクター
 産婦人科医 加藤智子 先生
浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院勤務 産婦人科医長を経て、三河安城クリニック勤務。
日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会認定産業医、健康スポーツ医、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、女医+(じょいぷらす)所属。

妊娠中に体重管理が必要な理由とは

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※画像はイメージです

妊娠中の体重増加は、自分と赤ちゃんの二人に適した量になる必要があります。増えすぎても、逆に増加量が少なすぎてもいけません。これは、妊娠中の体重が母体と赤ちゃんの健康に大きく影響するためです。体重増加が多すぎた場合と少なすぎた場合は、それぞれ以下のようなリスクがあることがわかっています。[*1]
【体重の増加が著しく多い場合】
・巨大児分娩、胎児心拍の異常、妊娠高血圧症候群、分娩時の大量出血、帝王切開
【体重増加が著しく少ない場合】
・低出生体重児分娩、切迫早産、切迫流産

また、妊娠前に肥満であった場合と痩せすぎであった場合でも、以下のようなリスクが伴うとされています。[*1]
【妊娠前に肥満(BMI25以上)であった場合】
・妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、巨大児分娩、帝王切開、弛緩出血
【妊娠前に痩せすぎ(BMI18.5未満)であった場合】
・切迫早産・早産、貧血、子宮内胎児発育遅延、低出生体重児分娩

このことからわかるように、妊娠中と産後のリスクを少なくするためには、妊娠前から健康な体づくりに努め、適正に体重を管理することが大切なのです。

妊婦の適正体重とは

では、妊婦さんの適正体重とは何kgなのでしょうか。

妊娠中の適正体重は、妊娠前の体重と妊娠週数によって変わってきます。個人差があるので、「何週目に何kg」という具体的なものはなく、妊娠全期間においての増加目安が設定されています。

厚生労働省では妊娠中全期間を通して望ましい体重増加目安を以下のように設定しています。[*1]
・妊娠前のBMI18.5未満(やせ)…増加目安9~12kg
・妊娠前のBMI18.5以上25未満(普通)…増加目安7~12kg
・妊娠前のBMI25以上(肥満)…増加目安は個別に対応

BMI(Body Mass Index:ボディマスインデックス)とは肥満度を表すもので、以下の計算式で算出できます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例えば、身長160cmで体重55kgの場合は、
55(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=21.4843…
で、BMIはおよそ21.5となります。
妊娠全期間の他、妊娠中期~末期(16週から出産まで)の、1週間あたりの望ましい体重増加目安も設定されています。
・妊娠前のBMI18.5未満(やせ)…推奨増加目安 0.3~0.5kg/週
・妊娠前のBMI18.5以上25未満(普通)…推奨増加目安 0.3~0.5kg/週
・妊娠前のBMI25以上(肥満)…増加目安は個別に対応

これは、各種調査研究結果を分析した結果の指標です。妊娠初期については、利用可能なデータがないことから、つわりなどの症状なども踏まえて個別に対応するとしています。

妊婦さんが知っておきたい食事5つの心得

妊娠中は体重管理に気を遣いながらも、母体と赤ちゃんの健康のために必要な栄養素はしっかり摂取しなければなりません。どうすれば適正体重と健康を同時にクリアすることができるのでしょうか。厚生労働省より出ている「妊産婦のための食生活指針」[*1]をひも解きながら、具体的な食事の心得を見ていきましょう。

①エネルギーの素となる主食をきちんと食べる

妊娠中は、妊娠前よりも多くのエネルギーを摂取する必要があります。日本人の食事摂取基準によると、妊娠初期では非妊娠時の1日あたり推奨量※1の+50kcal、妊娠中期で+250kcal、妊娠後期で+450kcalの摂取が推奨されています。[*2]

※1:エネルギー摂取の推奨量は、年齢と身体活動レベルで変わってきます。詳しくは日本人の食事摂取基準をご覧ください。

主食となる炭水化物は、主なエネルギー源となります。中でも、ごはん(お米)には主食としてはタンパク質が比較的多くが含まれ、脂質は少ないという性質があります。妊娠中のエネルギー源として適しているので、毎日適量を食べることを心がけましょう。

妊産婦のための食事バランスガイドによると、妊娠初期・中期にはごはんの小盛りを1日5~7杯、妊娠後期には6~8杯くらい食べることが勧められています。[*3]くれぐれも、ダイエット目的で主食を抜くなんてことはやめてください。

②赤ちゃんの成長に欠かせないビタミン・ミネラルは十分に

ビタミン・ミネラルの中には、母体の健康と赤ちゃんの健やかな発育のために欠かせない栄養素がたくさんあります。意識して摂らないと不足しがちなものでもあるので、副菜でしっかり摂取しましょう。野菜や海藻のサラダ、おひたし、煮豆や野菜の煮物、野菜炒め、具沢山の味噌汁などを、毎食1~2品ずつとり入れるようにしてください。

妊娠中は特に不足しがちなビタミン・ミネラルに、葉酸と鉄分があります。不足すると赤ちゃんの発育や母体の健康に悪影響を及ぼすため、特に意識的に摂るようにしましょう。

葉酸と鉄分を多く含む代表的な食材には、以下のものがあります。[*4]
・葉酸…緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、アスパラ、かぼちゃなど)、納豆、レバー、イチゴ、オレンジなど
・鉄分…赤身の肉(牛ヒレ肉など)、魚類(かつお・さんまなど)、あさり、牡蠣、鶏卵、納豆、がんもどき、緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など)、切り干し大根、プルーンなど※

※レバーや鶏卵などは、葉酸や鉄のほかにビタミンAも多く含んでいます。ビタミンAは妊婦さんが過剰に摂取すると赤ちゃんに奇形を引き起こすリスクが高まります。ビタミンAは非妊娠時含め成人女性では1日650~700μgREが推奨されていますが、たとえば豚レバーを使用したレバーソーセージなら100gで2800μg、レバーペーストなら4300μg(ともにレチノール)も含んでおり、上限をすぐ超えてしまいます。妊婦さんはとくに日常的にレバーを大量に摂取することには注意しましょう。

③主菜は適量を心がけて

主菜は、骨格や筋肉など、体をつくる源であるタンパク質の供給源となります。「日本人の食事摂取基準」によると、妊娠中のタンパク質の摂取量は妊娠前のの推奨量に妊娠中期は一日+10g、後期は一日+25gがすすめられています(18~49歳女性の妊娠前の推奨量は一日50g)。[*2]卵や納豆、魚料理、肉料理などを、毎日の食事に上手に取り入れてください。

ただし、ハンバーグやステーキ、唐揚げなどの揚げ物はカロリーが高くなるので、食べすぎには注意が必要です。適量を心がけてください。

④カルシウムの摂取も大事

妊娠中はカルシウムの吸収率が上がるので、他の多くの栄養素のような付加量は必要ないとされています。ただし、これは普段から適量を摂っている場合の話。実際のところ、日本人のカルシウム摂取量の平均は目安より少ない傾向にあります。自分は大丈夫と過信せず、妊娠中は特に意識して摂ることを心がけましょう。

カルシウムは乳製品や大豆製品、海藻類、小魚、緑黄色野菜などに多く含まれます。特に、乳製品には良質なタンパク質も豊富に含まれるので、牛乳やヨーグルト、チーズなどで取り入れると効果的に栄養補給ができます。たくさん食べる必要はありません。牛乳なら毎日コップ1杯(妊娠後期には1杯半~2杯)、ヨーグルトならカップ2個くらいで大丈夫です。[*3]

適量を上手に取り入れてください。

⑤お菓子やジュースはできるだけ控えよう

妊娠中に限らず、体重管理において大きな要素となるのがお菓子などの嗜好品ですよね。たまに少量を食べるくらいなら問題ないですが、大量に食べたり、毎日間食すると体重が増えすぎる危険性があります。甘い物は、できるだけビタミンなどの栄養素も摂取できる果物で摂るようにしましょう。

ただし、果物にも果糖が含まれるので食べすぎには注意が必要です。妊娠初期であれば、みかんなら毎日2個、中期・後期は3個程度の量が推奨されています(厚生労働省、妊産婦のための食事バランスガイド)。適量を心がけましょう。

【医師監修】妊娠初期の過ごし方は?食べ物と生活上の3つの注意点

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/255

女性にとって妊娠と出産は、人生の中でも一大イベントです。これからどのような生活が始まって、どんなふうに過ごせば良いのか、初産の方はわからないことばかりだと思います。妊娠中はゆったりとストレスなく、楽しく過ごせるのが一番です。妊娠初期の食事と注意しておきたい点についてお伝えします。

体重管理とは異なりますが、嗜好品のひとつにはアルコールもあります。妊娠中のアルコール摂取は完全にやめましょう。妊娠中にアルコールを摂取すると、発育障害や知能障害、発育障害を伴う胎児性アルコール症候群の可能性が高くなります。奇形などの発育障害は妊娠初期の飲酒に、発達遅延や中枢神経系の機能不全は妊娠中期・後期の飲酒との関わりが指摘されています。

アルコールを常用した場合や、週に数回、大量に飲んだ場合(ビール瓶2.5本、清酒およそ2合、ワインはグラス4杯など)でとくに赤ちゃんに影響することが多かったという報告がありますが、この量までであれば大丈夫という基準はなく「少ない量でも赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がある」とされています。赤ちゃんの健やかな成長を願うのであれば禁酒してください。どうしても我慢できないときは自己判断せず、主治医に相談しましょう。

【医師監修】妊娠中の食事の8つの注意点!OK or NGな食べ物は?

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/114

「妊婦さんは赤ちゃんの分まで食べなくちゃ!」というのは一昔前の話。食べ過ぎは肥満に繋がりますし、妊婦の食事は下痢や貧血、つわりにも影響するので注意しなければなりません。妊娠中に役立つ食べ物・飲み物の情報を紹介します。

体重管理の一助! 妊婦さんにおすすめの運動

最後に、妊娠中の体重管理に効果的な妊婦さん向けの運動をご紹介します。

妊娠中の運動は、体重管理だけでなく、妊娠中のストレス発散や、腰痛・便秘などのマイナートラブルの予防・緩和、出産に必要な体力の維持・獲得にも役立ちます。食事対策と一緒に、ぜひ実践しましょう。

ただし、妊娠初期など、妊娠してから運動を始める場合は運動をたほうが良い時期もあります。また、運動が問題ないとされる週数でも妊娠中の体調は変わりやすいので、妊婦健診の際に必ず医師によるメディカルチェックとアドバイスを受けたうえで行うようにしてください。決して無理はせず、お腹が張るなどの不調がある場合はすぐに中止し、安静にしましょう。

なお、現在の妊娠状態に何か問題があったり、過去に早産を経験している妊婦さんや流産を繰り返している人などは運動を始める前にかならず主治医に相談してください。

妊娠中の運動としておすすめなのは、ウォーキングです。場所と時間を選ばずできるので、ちょっと運動したいなという時に向いていますね(かならず水分をこまめに摂取し、熱中症にはくれぐれも注意しましょう)。また、水中ウォーキングやアクアエクササイズ(アクアビクス)、水泳もおすすめです。水の浮力によって腰や膝などへの負担が少なくなるので、身体が重い妊婦さんでも無理なく行えます。

まとめ

妊娠中の体重管理は、ママと赤ちゃんの健康のために欠かせないものですが、そのことによってあまりストレスを感じすぎるのもよくありません。食べ過ぎず、食べなさすぎず、バランスの取れた栄養摂取が理想ですがたまには外食したり、スウィーツを食べてストレスを発散するのもいいでしょう。ちょっとした息抜きがあった方が、明日からまた頑張ろう!という気持ちにもなります。体重管理に追いつめられるのではなく、楽しむ気持ちを持って臨むことが大切です。赤ちゃんと一体になっている時期は今しかありません。かけがえのないマタニティライフを、身近な人の協力も得ながら、楽しく健やかに過ごしましょう。

参考文献
[*1]『4「妊娠期の至適体重増加チャート」について』厚生労働省
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf
[*2]『日本人の食事摂取基準(2015 年版)』厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
[*3]『妊産婦のための食事バランスガイド』厚生労働省・農林水産省
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf
[*4]『日本食品標準成分表2015年版』文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.25)

※記事の修正を行いました(2019.06.06)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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