出産・産後 出産・産後
2021年04月19日 11:23 更新

破水とは?早期破水・前期破水の違い&主な2つの原因と症状【医師監修】

破水と聞くと「羊水が突然あふれ出す」というイメージを持つ人も多いはず。しかし破水といっても、その程度、症状は様々です。破水の種類と症状、その原因についてまとめてみました。前期破水について特に詳しくお伝えします。

そもそも破水とは

原因不明の破水間近の妊婦
(イラスト:nao @n5555on

「破水」とは、赤ちゃんの頭と子宮の内圧に押されて卵膜が破れ、羊水が外に流出することをいいます。多くの場合は、陣痛が起きてから破水します。破水すると陣痛が強くなり、分娩がさらに進んでいきます。

破水の種類

破水は、どのタイミングで起こるかによって3つに分類されます。前期破水が起こると、子宮内に細菌が入り赤ちゃんに感染する心配が出てきます。

適時破水

適時破水とは、陣痛が来た後、子宮口が全開大となってから破水が起こることです。

早期破水

陣痛が始まってから、子宮口が全開大になるまでの間に破水することを早期破水といいます。

前期破水

前期破水は陣痛が始まる前に破水が起こることです。早期破水と名前が似ていて紛らわしいですが、「陣痛が始まる前か後か」で区別されます。前期破水は妊娠中のどの時期でも起こる可能性があり、確率は全妊娠の5~10%といわれています。腟から子宮に細菌が侵入し、赤ちゃんにも感染するリスクが高まるため注意が必要な状態です。

妊娠37週未満の前期破水は特に注意!

妊娠37週以降では前期破水が起こったら入院して陣痛が始まるのを待つのが一般的です。多くは破水から24時間以内に陣痛がきて分娩になります。

一方、妊娠37週未満に前期破水した場合は、早産の原因になって赤ちゃんが未熟な状態で生まれる可能性があることが問題となります。入院した上で、妊娠週数や感染の有無、胎児の姿勢、胎児の状態などに応じた管理が必要となります。

前期破水の原因は?

前期破水の原因

・卵膜の異常(絨毛膜羊膜炎によって起こる)
・急激に子宮内の圧力が高くなる (羊水過多、多胎妊娠など)
など

前期破水は、赤ちゃんを包んでいる卵膜が細菌感染などによりもろくなってしまうことで起こると考えられています。まだ不明なことも多いのですが、羊水穿刺(ようすいせんし)などの危険因子が報告されています。

前期破水の代表的な原因は、絨毛膜羊膜炎

絨毛膜羊膜炎は、細菌が腟から子宮に侵入し、赤ちゃんを包む卵膜の絨毛膜と羊膜に感染することで起こります。絨毛膜羊膜炎になると、卵膜がもろくなってしまい、破れて破水する可能性が高くなります。

多胎妊娠も前期破水の原因に

ふたごやみつごなど2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠する多胎妊娠、子宮内の羊水の量が800ml以上になる羊水過多、子宮内の赤ちゃんの位置に異常が見られる胎位異常(いわゆる「さかご」)、子宮頸部円錐切除術の既往があることなども前期破水のリスクになります。

破水の症状と見分け方

破水は尿もれやおりものと間違う場合もあります。どのような特徴があるかを知っておくことが大切です。

色は透明か、血が混じって薄いピンク色の場合も

羊水の色は透明ですが、血液と混じって薄いピンク色になっていることもあります。

水っぽい

粘り気があるおりものとは異なり、羊水は水っぽくサラサラとしています。

羊水特有の臭いがする

無臭か、羊水特有の生臭いにおいを感じる人もいます。

尿もれのような臭いはしない

尿もれと勘違いしやすいですが、破水では尿のような臭いはしません。

流れ出る量が多いとは限らない

子宮口から離れた高い場所の卵膜に穴があく「高位破水」の場合、羊水は少量ずつチョロチョロと流れます。尿もれと見分けにくく、破水したことに気づきにくい場合も。破水による羊水は意識しても止められないのが特徴です。

音や衝撃がある人も

卵膜が破ける際に“パチン”と弾けるような音や、衝撃を感じる人もいます。

破水かも?と思ったらすること

破水の症状がみられたら、必ず医療機関に連絡をします。破水かどうか迷った場合もためらわず連絡しましょう。受診するように指示されたら、清潔なナプキンをあてて医療機関に向かいます。感染予防のため、入浴・シャワーは厳禁です。
適時破水や陣痛中に起こる早期破水ならすでに入院しているケースがほとんどため、医師や助産師が対応してくれるので心配ありません。

まとめ

前期破水は全妊娠期間で起こる可能性があるものです。破水は尿もれと間違いやすいので、特徴をよく知っておきましょう。はっきりわからない場合は自己判断せず、医療機関に連絡することが大切です。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-