【医師監修】妊娠初期の下腹部痛が起こる主な原因と対処方法

【医師監修】妊娠初期の下腹部痛が起こる主な原因と対処方法

妊娠がわかれば、うれしい気持ちになると同時に、「赤ちゃんはちゃんと育っているだろうか」とついつい心配になってしまうものです。特に下腹部痛が起こると「もしかして、何かの異常?」と不安に思うかもしれません。ここでは、妊娠初期(~妊娠15週)に起こる下腹部痛の主な原因や対処法について解説します。


妊娠初期の下腹部痛の主な原因

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妊娠中は、母体や赤ちゃんに異常がなくとも下腹部痛を起こすことがあります。よくある妊娠初期の下腹部痛の主な原因は2つあります。

どちらも安静にしていればすぐにおさまるようなら、基本的には心配する必要はありません。

子宮の大きさの変化による痛み

妊娠すると、子宮がどんどん大きくなります。妊娠前の子宮の大きさは鶏の卵くらいの大きさですが、妊娠3ヶ月になると握りこぶし程度の大きさにまで成長します。

この時期、子宮への血流が増えて筋肉が伸びます。すると、子宮を支える靭帯(じんたい)や広間膜(こうかんまく)も引っ張られて、生理痛のような鈍い痛みを感じることがあります。この場合、お腹の張りはありません。

【医師監修】妊娠初期の腹痛と注意すべき5つの痛みとは?

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/3421

妊娠初期に腹痛があると、もしかして流産では? と心配になってしまう妊婦さんも多いのではないでしょうか。ただ、妊娠初期に起こる腹痛はめずらしい症状ではありません。妊娠初期の腹痛はどんなことが原因で起こるのか見ていきましょう。

ホルモンバランスの変化が引き起こす痛み

女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンには、平滑筋(へいかつきん)をゆるめる作用があります。すると、腸の働きが鈍くなります。

また、日ごとに子宮が大きくなると、次第に腸を圧迫していきます。これらの原因によって便秘がちになると、お腹の下の方に痛みを感じることがあります。

妊娠初期の下腹部痛で医師に相談すべきケースとは

妊娠初期の下腹部痛には、流産や子宮外妊娠が原因で起こるものもあります。このような場合は、産婦人科に連絡し医師の指示を仰ぎましょう。痛みや受診の目安についてまとめてみました。

流産の可能性

下腹部痛と性器出血のある場合は、流産もしくは流産の一歩手前である切迫流産の可能性があります。

妊娠初期特有の下腹部痛と見分けることは難しいかもしれません。しばらく横になってゆっくり休み、安静にしていても腹痛がおさまらないどころかひどくなっていったり、出血量が月経より多い場合は、すぐにかかりつけ医に連絡して指示に従いましょう。

子宮外妊娠の可能性

妊娠のごく初期、4週目や5週目に起きる下腹部痛の場合は子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性もあります。

子宮外に着床していた場合、放置すると卵管などが破裂し、激痛を伴いながらお腹の中で大量出血して、大変危険な状態を引き起こすこともあります。子宮外妊娠を予防することはできませんが、早期発見して治療を受ければ卵管破裂などを防ぐことができます。

市販の妊娠検査薬で陽性が出ても、正常な妊娠であることまではわかりません。

必ず産婦人科を受診し、超音波検査などを受けて胎嚢の位置を確認してもらうようにしましょう。正常な妊娠の場合は、おおよそ妊娠5週目(月経予定日の1週間後)前後から子宮内に胎嚢を確認できます。

病気の可能性

妊娠とは直接関係のない病気が原因の下腹痛もあります。下腹部には腸や膀胱のほか子宮や卵巣があるため、女性の下腹部痛は婦人科の疾患の可能性も考えられます。

例えば卵巣腫瘍がある場合、破裂や卵巣を支える靭帯がねじれる卵巣腫瘍茎捻転(らんそうしゅようけいねんてん)の場合は、突然の激痛が起こります。

異常を感じたら、産婦人科で検査を受けましょう。検査で異常が見つからない場合は、虫垂炎や腸閉塞などの消化器の病気の可能性もあります。

妊娠初期の下腹部痛への対処法5つ

1.できるだけ安静に

痛みを感じたら、なるべく横になって休むようにしましょう。仕事や家事の最中だと、すぐに横になることは難しいかもしれません。

その際は立っている場合は座ったり、作業の量を減らしたりしてみてください。そして、痛みがすぐにおさまるのかどうか、ますますひどくなっていかないかを注意深く観察しましょう。

2.ストレスをためないように心がける

緊張したりストレスを感じたりすると、腹痛を起こすことがあります。妊娠中は不安になったり情緒不安定になったりしがちです。ストレス発散に暴飲暴食などをすると、別の要因で腹痛を起こしかねませんので、普段から自分なりのリラックス方法やストレスをため過ぎないコツを探してみましょう。

3.体を温める

体が冷えると筋肉がこわばって下腹部痛を感じやすくなります。また、冷えは下痢なども引き起こします。腰や足先が冷えているようなら、靴下やレッグウォーマー、腹巻などを使って温めるようにしましょう。

4.薬を飲む前に確認する

普段、腹痛を感じたらすぐに薬を飲む習慣を持っている人もいるかもしれません。すべての薬が妊娠中に使用できないわけではありませんが、特に妊娠初期は薬の種類によっては胎児の成長などに影響を与えるリスクがあります。

妊娠前から飲んでいる薬は、医師に妊娠したことを伝え、飲み続けていいかを必ず確認してから服用してください。また、ほかの医療機関を受診する際も、妊娠中であることを必ず伝えましょう。

5.痛みがひどくなってきたり、出血していたりする場合は受診を

妊娠初期の下腹部痛は問題のないときにも起こりますが、流産や疾患などの可能性も考えられます。激しい痛みや安静にしても痛みがひかない・どんどんひどくなる場合、出血を伴う場合などは受診しましょう。

まとめ

妊娠初期の下腹部痛の多くは生理現象なので、少し様子を見て痛みがひくようであれば、あまり心配する必要はありません。

しかし、子宮外妊娠や流産の可能性もあるため、安静にしていてもよくならない、痛みがひどくなる、出血がある、ほかにも気になる症状があるなどの場合は必ず受診しましょう。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

(文:今井明子、監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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