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2021年12月01日 15:10 更新

「めちゃくちゃキツい。罪悪感煽られた」……広島県の「働く女性応援よくばりハンドブック」に傷ついたママたちの声

広島県が配布している「働く女性応援よくばりハンドブック」について、“よくばり”という表現や、一部の内容に不適切な部分があるとして物議を醸しています。本来働く女性=ワーキングママを応援するために制作されたもののはずですが、一転、働く女性たちの怒りを買うことになってしまいました。

「罪悪感煽られた」

(photoAC)

なかでも批判を浴びているのが、冊子内の「ワーキングママの心構え」のページ。ここでは、上司からの「子どものいない社員の負担が増す。休日出勤が増える他の社員や、会社の経営状況も理解してほしい」や、夫からの「こっちだって仕事で疲れている。夜泣きがうるさくても我慢してるし、多少は手伝ってるんだから、勘弁してほしい」といった、ワーキングママに対して好意的でない意見をあえて想定して取り上げています。

それに対してワーキングママがどんな心構えをするべきかが記載されており、たとえば「同僚の負担を軽減するための方法を、上司と一緒に考えましょう」という助言、「(パパには)『お願いは時間を区切って具体的に』『手伝ってもらったことにダメ出しはしない』。ちょっと大げさに感謝すると、パパもやる気を出してくれます」といったアドバイスが載っています。

この件について取り上げた『ひるおび!』(TBS系)では、SNS上の意見を取り上げ、「このページめちゃくちゃキツい。罪悪感煽られたというか なんかもうグサッときました…」「『誰もが働きやすい環境づくり!』ではなく『子育てと仕事両立したいだなんて欲張りなあなたは周りの人にこれをすべき!』に見えます」といったコメントを紹介しました。

コメンテーターの立川志らくさんは、「両方やっている人がよくばりという表現をされたら傷つく方もいらっしゃるんだろう」とした上で、「当たり前のことなんですよ、お互いに気を使いましょうと。それをあえて文章化しちゃうと、結構しんどいお母さんたちにはグサッときちゃうものがあるのかもしれないと」と、言葉の表現の問題であるという見解を述べました。

同じくコメンテーターの朝日奈央さんは、「元々は働く女性を応援したいというその一心で作られたものだと思いますし、悪気があったわけではないと思うんですけど、表現の仕方が良くなかったのかなって思います」と、冊子の制作側に悪意はなかったことを推し量ったコメントをしています。

「育児と仕事の両立」は女性だけ?

実際にこの冊子には、妊娠・出産に関する各種支援制度が紹介されていて分かりやすいと評価される部分もあり、広島県が自治体としてワーキングママを支援しようとしていることには違いありません。マタニティハラスメントについてや、男性育休、パパの育児に関する情報への案内も載っています。

しかし一方で、前述した「ワーキングママの心構え」のページなどは、「育児と仕事の両立は女性だけなの?」という疑問を呼び、様々な批判に結び付いてしまいました。子どもを育てながら働いている人は、「ママ」だけではありません。男性側も「育児と仕事の両立」をするものだという視点を持ってほしいですし、企業側も育児中の社員について理解が必要ですよね。

広島県の湯﨑知事は、「女性がうんぬんではなくてすべての県民がどちらかを犠牲にしたり諦めるということではなくて希望がかなえられるようにと、そこを目指しているということであります」とコメントしています。

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