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2017年06月23日 20:00 更新

災害に備えている? 子供を守る、防災頭巾の性能について

子供と災害対策について話し合ったことがありますか? 万が一の時に身を守る手段、身を守る術を知っておくことが重要です。子供を守る古くからの防災グッズとして利用されている防災頭巾を用意しておくことをおすすめします。

防災頭巾の発祥とは

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災害用品の備えが一般的になってきた昨今、防災頭巾の備えを徹底している保育園や幼稚園、小学校が増えてきました。しかし、防災頭巾の歴史や普及について知っているという人は少ないのではないでしょうか。当たり前になりつつある防災頭巾の歴史について整理してみましょう。

防災頭巾の歴史

防災頭巾の歴史は古く、太平洋戦争末期頃に用いられていた戦時中の防空頭巾からヒントを得て、防災用品として広く知れ渡るようになりました。災害時に頭を守るために使用し、2枚セットになった丈夫な布製の袋に、綿などクッション材になるものを入れ、頭に被れるようにしたものです。

保育園や学校などで使われているものは、災害時に上からの落下物対策として使用しますが、普段は座布団として使用することもできる優れものです。

いつから普及したの

気が付いたら、幼稚園や学校の新年度の持ち物に防災頭巾が入っていたという人も多いことでしょう。防災頭巾はいつ頃から一般的に災害用品として普及したのでしょうか。
防災頭巾は、東海地震への備えの必要性が語られるようになった1970年代以降に普及し始めました。最初はごく一部でしか存在を知られなかった防災頭巾ですが、徐々に一般の人も知ることになります。最近では、南関東や東海地方の小学校を中心に、必要な学用品として存在が認められるようになりました。
防災頭巾は、普段は椅子の背もたれや座布団として活用できるように工夫されている点も小学校で使われやすい理由のうちのひとつです。

防災頭巾を知らない県も!?

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防災頭巾は一部ではごく当たり前の学用品のような存在でありながら、まったく普及していない県もあるほど、普及率がまばらな防災用品なのです。

防災頭巾の普及傾向

文部科学省の「学校安全調査」によると、防災頭巾は2012年3月末時点で備蓄している公立学校は関東や東海地方では6割にのぼる一方、大阪や兵庫は2割程度、中国地方や九州では1割にも満たないという結果が発表されました。

防災頭巾を当たり前の存在だと思っている県がある一方で、名前を聞いたことがある程度と感じる県もあるということです。しかし、昨今の東南海地震への備えの必要性を訴える報道などにより、防災頭巾の存在は全国的に見直されていくことでしょう。

何故、関西では普及していないのか

阪神大震災の被害に遭った関西で普及率が低いことに驚く人も少なくありません。関西で防災頭巾が普及しないわけはいくつかあると言われています。ひとつは、関東の人と関西の人の気質の違いが挙げられます。一般的に関東の人は物事に慎重である人が多く、関西の人は物事におおらかである人が多いとされています。何が起こるか分からない、(物事が)起こってからでないと分からないとして、防災頭巾を備蓄していないのではないかと分析する人もいます。

また、実際に被災した人の中には、防災頭巾は堅いものや重いものに対して対処することができないため、防災頭巾を備えるのであれば、ヘルメットを備える方がより有効だとして、防災頭巾を備蓄していない人もいるようです。

防災頭巾で本当に守れるの!?

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柔らかい布製でできている防災頭巾なので、本当に頭や肩を守ることができるのかと不安に思う人もいることでしょう。防災頭巾の効果についてチェックしてみましょう!

防災頭巾の性能とは

防災頭巾は、上からの落下物から頭や肩を守るように作られています。硬く大きなもの、重量のあるものからの衝撃を全て受け止めてくれるわけではありません。しかし、震災などの際は、窓ガラスが割れたり、木片が飛んでくるということが多いものです。そういった細かなケガをしそうなものからは確実にガードできるといえるでしょう。

普段は背もたれや座布団として使用しているので、長期間同じ箇所に荷重がかかるとクッション材が弱ってしまい、本来の機能を発揮できなくなります。防災頭巾の性能を活かすためにも、定期的にチェックしておくことが大切です。

簡単に手作りできる防災頭巾

子供から「かわいい防災頭巾が良い!」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか? また、市販の物には子供が気に入るデザインのものがなくて困ったという人も多いでしょう。
そんな時は、防災頭巾を手作りしてみてはいかがでしょうか。キルティング(本体生地)とキルト芯(クッション材)とカラーゴムの3つだけで簡単に作れます。

市販の防災頭巾に、カバーだけ手作りしているという人も多いものです。これなら市販品でも子供が満足できるデザインのものが完成するのでおすすめです。

購入するなら認定品がおすすめ

一口に防災頭巾と言っても、種類もデザインも機能もさまざまです。防災頭巾の機能を確認する目安となるのが、(財)日本防炎協会が発行している認定証です。「燃えにくさ」と「耐衝撃性」についてのチェック項目があり、その基準をクリアした製品は認定を受けることができます。どれを買えば良いか分からないという場合には、この認定証をひとつの目安にすることをおすすめします。

まとめ

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災害時に飛んでくるガラス片や木片から頭や肩を守ってくれる防災頭巾。その普及は各県や地域によって差がありますが、防災意識の高まりによって、ますますその存在の重要性が見直されることは確かです。災害への備えは早めにしておくようにしましょう。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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