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2021年11月17日 15:30 更新

11月19日は「いい育児の日」×「国際男性デー」 約7割の男性育休取得者が仕事でポジティブな変化があったと回答

1月19日は、「いい育児の日」および「国際男性デー」。江崎グリコでは男性が育児により参画しやすい環境づくりを目指し、本人またはパートナーが男性育休取得済みまたは取得予定の男女を対象に、「男性育休」に関する意識調査を行いました。

男性の8割が、育休取得前に「不安を感じた」

11月19日は「家庭や家族を大切にするライフスタイル」を浸透させ「子どもの成長と子育てを社会全体で応援する機運を高める」ために、全国19県の知事による「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が制定した「いい育児の日」です。また、男性の健康とジェンダー平等に目を向ける目的で始まった国際的なイベント「国際男性デー」でもあります。

江崎グリコは、男性が育児により参画しやすい環境づくりを目指し、育休コミュニティ「MIRAIS」と共同で、本人またはパートナーが男性育休取得済みまたは取得予定の男女を対象に、「男性育休」に関する意識調査を行いました。

男性育休取得者、または取得予定者に、育休取得の不安が「あったか」「あるか」を聞いたところ、8割が「はい」と回答。(図1)

さらに、その要因について聞いたところ、「復帰後の仕事への影響(配置転換、昇進など)」、「仕事の引き継ぎ」、「職場の反応」と、育休前後の仕事に関する不安が大きく、ロールモデルの不足や職場のサポートがまだ追いついていない現状が浮き彫りとなりました。(図2)

また、4人に1人が「家計への影響」を懸念点として挙げており、何かと出費の多い時期に収入が減ってしまうことに不安を感じていることが分かります。

次に、男性育休取得者、または取得予定者に、育休取得の理由について聞いたところ、「パートナーのサポート」、「子どもとの時間を作りたい」といった、自主的に「Coparenting(育児協同)」することを理由とした回答が多い結果となりました。また、「妻から取得への打診」も約3割と、事前にパートナー間できちんと話し合うことも、男性育休取得につながっていることが伺えます。

さらに、「家族のライフプラン見直し」「自分のライフプラン見直し」といった、生き方を見つめる機会として育休を活用しているケースもありました。(図3)

男性育休取得者の7割が、仕事でポジティブな変化を実感

男性育休取得者に、育休中に実行できたことについて聞いたところ、「パートナーを支え、子ども・家族との時間を大切に過ごせた」、「子育てに集中できた」、「家事を十分に行えた」と、取得理由と同じく「Coparenting(育児協同)」に関する回答が多い結果となりました。(図4)

男性育休取得者に、育休後の仕事面でのポジティブな変化について聞いたところ、約7割がポジティブな変化を感じており、「育休取得者に対する理解が生まれた」という回答が半数を超える結果となりました。男性育休は、多様な人材が活躍できる職場環境づくりのきっかけのひとつとなっていることが伺えます。

男性育休取得者および取得予定者のうち8割が育休取得前に「不安」を感じているものの(図1)、育休取得後はポジティブな変化を感じている男性の方が多いことが明らかになりました。(図5)

一方で、「ママがしてほしいこと」と「したこと」のギャップも明らかに

ご自身・パートナーが男性育休を取得済みまたは取得予定の男女に、育休中に家族のために「したこと」「 してほしいこと」を聞いたところ、パートナーが「してほしかったこと」「してほしいこと」と、男性が「したこと」「したいこと」とのギャップが最も大きかったのは、「役所への届け出など事務処理関係」、次いで「ママの一人時間をつくること」 でした。

産後、家事・育児に追われるパートナーに代わって、役所への届け出や、ママの一人時間の確保など、「ママのため」という視点が弱いことが明らかになりました。(図6)

図6で男性育休中にして欲しいこととして、7割以上のパートナーが挙げていた「お風呂」「おむつ替え」「家事 全般」「役所への届け出など事務処理関係」「寝かしつけ」「粉ミルクや液体ミルクなどでの授乳」 の「6つの家事・育児」 について、男性の育休期間別に、実行度合いを確認したところ、2週間以上の育休を取得した場合、6割以上 が6項目について「実行できた」と回答。また、「6つの家事・育児」の中でも、「粉ミルクや液体ミルクなどでの授乳」 については、2週間を節目に「実行できた」と回答した男性が大幅に増えたことが分かりました。

さらに、1か月以上 育休を取得した男性は、 「6つの家事・育児」に対し、7割以上が「実行できた」と回答しました。(図7)

また、期間別に満足度を見たところ、「大変満足」と回答した人は、2週間未満で約3割、2週間以上1か月未満で4割、1か月以上で約8割となり、育休取得期間と満足度は比例する、という結果になりました。2週間未満では「大変不満」という回答がみられましたが、それ以上の期間では「不満」という回答はありませんでした。(図9)

男性育休取得者の満足度は9割と、極めて高い結果に

男性育休取得者に、育休に対する満足度を聞いたところ、約9割が「大変満足」または「満足」と回答しました。 (図8)

満足度が高かった理由については、「育休を通じて新たな価値観を持つことができた」「家族との信頼関係が 強まった」といったコメントが多くありました。一方で、後悔ポイントとして最も多かったのは「できればもっと長く育休を取得したかった」という声でした。

【男性育休取得者】[n=48] (図8において)その満足度を選んだ理由を教えてください。[FA]

<「大変満足」 「やや満足」と答えた理由>
●子育てにコミットし、妻と共に成長を感じられた。生き方に関する価値観が大きく変化した(回答:大変満足/1か月以上)
●価値観が変わった。一家団欒の時間を作るために働き方を変えたいと思った。また、仕事を休むことで見えてくる仕事のやりがいや大切さにも気づいた。(回答:大変満足/1か月以上)
●育休を通じて異なる価値観を持つことができた。何より上の子とより一層仲良くなれた。(回答:大変満足/ 1か月以上)
●子供・家族との時間、資格勉強等当初の目的が達成できたため。(回答:大変満足/ 1か月以上)
●母親だけでなく、父親にも息子が頼れるぐらい信頼関係を作れたため。子育ての楽しさ、成長の喜びを実感することができたため。 (回答:大変満足/1か月以上)
●家庭面では満足だが職場面では不安が残るため。 (回答:やや満足/ 1か月以上)
●1-2週間と短かったため、非常に忙しかった印象。満足はしているが、改善点は多くあったと思う。(回答:やや満足/2週間未満)
●本来であれば1か月以上の育休を取得したいところだが、自分のポジションが埋まってしまう為、数日しか取得出来ないから。 (回答:やや満足/2週間未満)
● 1か月では、慣れる前に仕事復帰せざるを得ないため、2か月程度は欲しかった(回答:やや満足/2週間~1か月未満)
●特別強い想いは無く自然と取得したが、結果的に物凄く良かったと思っています。唯一後悔しているのは取得期間の短さです。月齢と発達状況についてもっと知識があったら長く取得していたと思います。(回答:やや満足/ 1か月以上)

<「どちらでもない」 「やや不満」「大変不満」と答えた理由>
●もっと期間を長く取ればよかったと後悔してるから(回答:どちらでもない/ 1か月以上)
●出産当日と、妻の退院後2日のみしか取得できず、とてもではないが不十分(回答:大変不満/2週間未満)

男性育休取得者のパートナーに、男性育休に対する満足度を聞いたところ、約8割が「大変満足」または 「やや満足」と回答しました。(図10)

「育児の大変さや喜びを共有できた」「チーム感が増した」というコメントが多く、 中には、「復職時に生活リズムを作っていくのがスムーズだった」という声もありました。また、不満については、 男性と同じく期間に関する回答が多くありました。

【パートナーのコメント】

< 「大変満足」 「やや満足」と答えた理由>
●育休中に子供のお世話の仕方や生活リズムを把握出来ていたので復職してからも、生活を作っていくのがスムーズであったから。(回答:大変満足)
●夫がいることで精神的にも体力的にも助かった。育児の大変さや喜びを共有でき、子どもの成長を同じ場で同じ瞬間に見ることで、チーム感が増した。(回答:大変満足)
●夜間のオムツ替えは一緒になって毎回起きてくれて、一人じゃないという安心感が生まれました。(回答:大変満足)
●夜間授乳はもう少し協力して欲しかった。(回答:やや満足)
●自分の復職のタイミングで夫がバトンタッチで育休を取得した。母乳をあげる以外のことは全て出来るので安心して任せることができた。ただ、仕事の都合で取得期間が短かった。(回答:やや満足)

<「どちらでもない」 「やや不満」「大変不満」と答えた理由>
●出産直後の育休取得で夫が子育てに不慣れだったから。また期間が1週間と短かったから。 (回答:やや不満)
●1か月弱くらいの期間なので、慣れてきた頃に終わってしまった。(回答:大変不満)
●前もって設定した1週間の育休だったので、出産予定日が超過し、サポートしてもらえる時間もなかった。 (回答:大変不満)

男性育休取得者、取得予定者のパートナーへ、自身やパートナーの育休取得に関して、「妊娠中に話し合っていたか?」について聞いたところ、約9割が「はい」と回答しました。(図11)

また、話し合いをしていた場合、約8割が 「大変満足」または「満足」と回答した一方で、話し合いをしていない場合、 「大変満足」または「満足」と回答した方 は約6割に留まりました。(図12)

同様に、男性育休取得者または取得予定者へ、「自身やパートナーの育休取得について、妊娠中に話し合っていたか?」について聞いたところ、約8割が「はい」と回答しました。(図13)

また、妊娠中に話し合いをしていた場合、 約9割が自身の育休に「大変満足」または「満足」と回答した一方で、話し合いをしていない場合「大変満足」 または「満足」と回答した男性は約6割に留まりました。(図14) 男性育休を形だけにせず、自身もパートナーも 満足度の高いものにするには、妊娠期からパートナー間で話し合いをすることの重要性がうかがえます。

大正大学 心理社会学部 田中俊之先生の調査コメント

大正大学心理社会学部人間科学科准教授 田中俊之氏は、「赤ちゃんと一体となって出産までの期間を過ごす女性とは違って、男性の場合、妊娠中になかなか父親としての自覚を形成しにくいかもしれません。でも、お腹に耳や手をあてて赤ちゃんの胎動を感じたり、エコー写真で姿を見たりすることはできます。そうした行動によって赤ちゃんへの愛着が育まれ、親になる自覚が形成されていきます。出産後は授乳や寝かしつけなど、できる育児を増やすことが大切です。夫婦で平等に分担できるようになりますし、何より良好な親子関係につながります。誕生から1年間は、とりわけ赤ちゃんとの愛情に基づいた関係を築くために重要とさ れている期間です。その意味では、本来、「父親になる」のであれば、男性も育休を取るのが当たり前であるべきだと言えます」とコメント。

また、「これからの職場では多様な人が、一緒に働くようになります。育児を通じて、柔軟な時間感覚を身につけた男性は、個々の家庭にとってはもちろんですが、企業にとっても貴重な人材だと考えられます」とまとめました。

この調査結果を踏まえ、江崎グリコでは男性の育児参画を支援し、Co育て(こそだて)を促すために、WEBサイト上に当社の男性育休支援事例などをまとめた「Co育て社内取り組み」紹介ページの開設や、当社男性社員向けに制作した「社員向けCo育てガイドブック」の社外提供などを開始しました。

<調査概要>
【調査名】男性育休取得者、および取得予定者とそのパートナーへの育休意識調査
【調査方法】インターネット調査(育休コミュニティ「MIRAIS」を介した調査)
【調査対象者】現在妊娠中もしくは0歳~3歳までの末子を持ち、本人またはパートナーが男性育休取得済み・または取得予定の男女
【調査期間】2021/07/27~2021/08/15
【サンプル数】事前調査1,014名 本調査292名、うち男性65名・女性227名(事前調査で「男性育休取得/男性育休取得予定」と回答した人およびそのパートナーを抽出し本調査を実施)

江崎グリコ
https://www.glico.com/jp/

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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