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2021年11月08日 11:35 更新

北川弘美さん「我が子を可愛いと思えない」産後うつの経験を告白。「母親失格と言われてしまうんじゃないか」

女優の北川弘美さんが、第一子出産後に我が子を「可愛いと思いたくとも思えない」状態で追い詰められていたと赤裸々に明かしました。たまたま手に取った雑誌で「産後うつ」を知るまで、まさか自分が産後うつだとは思いもよらなかったと言います。

「育児は孤独です」

北川弘美さん
出典: https://ameblo.jp
北川弘美さんオフィシャルブログより

北川弘美さんは11月7日に「産後うつだった私」というタイトルでブログ記事を投稿し、自身の産後うつ経験を吐露しました。2018年5月に長男を出産後、なかなか我が子を「可愛い」と思うことができなかったという北川さん。どのような状態だったのでしょうか。

「自分の育児に自信が持てず、上手く行かない子育てに自暴自棄に陥り苦しんでました。
長男を出産してから一度たりとも『可愛い』と思えず、自分が異常なのかと自問自答する日々が続いてました。
夫からも
『なんでカワイイって言わないの?』
と言われ、更に追い詰められていきました。
カワイイと思いたくとも思えない。
嘘でも言えない。嘘では言いたくない。
何か自分の気持ちを話そうとしても、言葉より涙が先に出ている。
ホルモンによる情緒不安定も重なりおかしくなってました。」
「母親になったプレッシャーや責任感、義務感からの不安や心配が強すぎて感情に浸る余裕がなく、ただただ目の前の小さな命に必死で向き合ってました。
真面目過ぎたのかもしれません。
子供は勝手に育つ!
と言われても、一人じゃ生きていけないし!なんて頑なになってました。」
(北川弘美さんオフィシャルブログより)

北川さんはYouTubeにも産後うつについての動画を投稿。そこでは、第一子の出産後、病院の授乳室で1人だけ、授乳を終えても泣き続ける我が子を抱いて1時間も2時間もあやしていたと明かしました。

北川さんは母乳やミルクの「目安量」をきっちりあげるように意識していたそうで、今となっては「長男は量が足りなくてお腹がすいていたのかもしれない」と想像できるそう。でも当時はそこに思い至ることはできず、「授乳した他の赤ちゃんは幸せそうに寝ているのに」「本当に大変でこんなに大変な子イヤだと思ってしまうくらい」の日々が、半年くらい続いたそうです。

初めての育児。どうあやせばいいのかもわからず、北川さんは「とにかくやらなければいけないことの責任が強くて、可愛いなんて言ってる時間はなかった。自分も疲れていてそんな余裕はなかった」と、追い詰められます。

「夫は赤ちゃんが可愛いな可愛いなと言って育児をしてたんですよ。でも私は……正直言って、一度も可愛いと思えなかったんですよ。半年くらいは可愛いと言いたくても言えなかった」
(北川弘美さんYouTubeより)

ただ、育児に慣れていくにつれそうした切迫感は徐々に薄れ、年子で第二子を妊娠。妊婦健診で産婦人科を訪れ、たまたま目にした雑誌で「産後うつ」の記事を読み、「あまりにも数ヶ月前の自分の状態に」当てはまることに衝撃を受けたといいます。同時に、「ホッとしたような安堵感」と、肩の荷が下りたような気もしたそう。

北川さんは動画で「結構、皆さん当てはまることだと思うんですよ。でも一週間~10日以上そういう状態が続いたとして、病院に行くかというと行かないんじゃないか。恥ずかしいとか母親失格と言われてしまうんじゃないかという不安があったりする」と、同じような状況にいるママたちに思いを馳せました。

ブログでも「産後うつになることは珍しくない。育児は孤独です。一人で抱え込まないで周りに理解してもらって、助けてもらって育児を楽しめるような環境を作って欲しいです」と訴えかけています。

【産後うつ】育児を楽しめない時期。まさか自分も . . .珍しくない!

10人に1人は産後うつ病に

産後うつ病はうつ病の一種で、出産後の女性の10~15%くらいに起こるメンタルの病気です[*1]。産後4週以内に起こることが多く、なかには産後数1ヶ月経ってから見られることもあります。なお、出産直後の数日間に起こって自然と治るマタニティブルーズとは違うメンタルの病気です[*2]。

産前産後で女性ホルモンが大きく変化すると、脳のストレスに耐える力が低下し、妊娠・出産前よりもものごとを悪くとらえやすくなってしまい、メンタルのトラブルへとつながりがちです。また、育児疲れも心と体に大きな負担をかけます。特に、お母さんがひとりきりで赤ちゃんのお世話をしている場合は、24時間ずっと心身が休まらず、疲弊してしまうことがよく見られます。こうした理由から産前産後にはメンタルのトラブルが増えて、産後うつ病が起こりやすくなるのです。

もし産後うつ病になってしまったら、薬や心理療法だけでなく、環境を整えることも治療に必要となります。パートナーや家族は、専門医と一緒に、お母さんに合った治療やサポートをじっくり相談しましょう。日々の生活の中で「今やらなくても済むことは何か」「どんなことをサポートできるか」を確認して調整することが必要です。

産後うつ病を放置すると、子供との関係や子供の情緒、発達にも影響を及ぼすことがわかっています。どうしても落ち込みがひどかったり育児がつらい、なぜか体調が悪いといった症状が見られたら、医療機関や保健センターへ相談を。産後うつ病になっているかどうかは、専門医以外には判断ができません。

メンタルのトラブルは早めに対処することで治療が進めやすくなります。悪化する前に適切な治療を開始しましょう。そこで利用したいのが、産後のお母さんのために行われている産婦健診です。医療の専門家に産後の心と体の健康状態をチェックしてもらえる上に、トラブルには早めに対処してもらうことができます。

また、予防のためにも、家庭でお母さんひとりに育児を押し付けることはやめてください。「母親がしんどいのは当たり前だ」と放置しないで、家族やまわりの人はできるだけ家事や育児をサポートしましょう。

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