「早くしなさい」って言ってない? ロジカル親の特徴と子育て観『わが子がやる気になる伝え方』Vol.4
「子どもがなかなか言うことを聞いてくれない」「わが子が何を考えているのかわからない」……そんなときは性格タイプ別の声がけをしてみませんか?「性格統計学」を考案・開発した稲場真由美さんの著書『わが子がやる気になる伝え方』(小学館・発売/小学館クリエイティブ・発行)より、性格タイプ別の声がけ例を連載形式でお届けします。
ロジカル親へのアドバイス
ロジカル親の特徴と子育て観
お母さんやお父さんがロジカルタイプだった場合のお話をしたいと思います。
子どものころから、計画を立てて効率よく動くことが得意なロジカルタイプ。親になった今、自分の計画どおりに進めたいと思うあまり、子どもをせかすことはありませんか?家事や仕事で忙しいときに限って、子どもは思うように動いてくれません。その状態が続くとストレスに感じて、「早くしなさい!」と叱ってしまうんですね。子どもは子どもなりのペースでがんばっています。大人である親のほうが、寛容に子どもを見守ることが大事です。
また、ロジカル親は予定どおりにできないことに罪悪感を抱いて、自分を責めてしまうことも......。自分に対しても「予定どおりにできないこともある」と大目にみてあげることが大切です。
ロジカル親は、シミュレーションしたうえで自分のペースで進めたい「納得型」です。そのため、子育てについて「目標をもって計画的にできる子に育てたい」「自分で決めたことはやり遂げる子に育てたい」と願う傾向があります。
子どもの習い事なども、「やり始めたら最後までやらせたい」と思うことはないですか?子どもが「やめたい」と言い出すと、「途中でやめる=それまでやったものがすべてムダになる」と考えがちなところも。「ここまでやったことからも得られたものがある」と考えて、子どもの意見も尊重してあげてください。
ロジカルの親御さんには、「うちの子、ほめるところがないんです」とおっしゃる方がいます。それは、自分で「ほめる基準」を高めに設定し、その基準に達しないと子どもをほめることができないからなのです。
たとえばこんな話があります。水が怖くて海に入れない子どもがいました。ロジカル親は「腰まで入れたらほめよう」と思っていましたが、子どもは膝までが精一杯。親は「それではダメ」と思い、ほめることができなかったというのです。その日は膝までしか入れなかったとしても、「膝まで入ることができた」と視点を変えてみてください。ときには「ほめる基準」を下げるおおらかさも大事です。
●ロジカル親×ロジカル子の場合
似たものどうしのロジカル親子。お互いが自分のペースをゆずらないとぶつか
るので、ある程度は親が子どもを尊重してあげましょう。「子どもにも自分と同じように、自分のペースがあるんだ」と認めてあげることで良好な関係が築けます。
●ロジカル親×ピース子の場合
結論から聞きたいロジカル親と、理由や経緯を大切にするピース子。そのため、
「なにが言いたいの?」と言いがちなので気をつけましょう。ピース子は「なんで?」と聞くことが好き。「そう決まってる」などと答えず、理由や経緯を教えてあげてください。また、ロジカル親にはスキンシップが苦手という人も多いです。ピースにはスキンシップが好きな子が多いので、親の歩み寄りが必要です。
●ロジカル親×ビジョン子の場合 ※とくに注意が必要な関係
臨機応変に動くことが好きなビジョン子は、自分とは真逆に感じるかもしれませ
ん。ロジカル親は計画的にできる子にしたいと厳しくしがちですが、「この子は自分とはまったく違う性格だ」と認めることが重要です。また、「〇〇しなさい!」という指示では、命令されるのが苦手なビジョン子にはストレスです。「〇〇できたらすごいんだけどな」と期待をこめた促し方で、やる気を引き出しましょう。
(稲場真由美『わが子がやる気になる伝え方 性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる』(小学館・発売/小学館クリエイティブ・発行)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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書籍『わが子がやる気になる伝え方~性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる~』について
「何度言っても子どもが言うことを聞かず、つい怒鳴ってしまうのが悩み」
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そんなママ&パパは必見!
12万人の統計データから著者が考案・開発した「性格統計学」によると、人には「生まれもった性格」のタイプがあるのだそう。
そのタイプによって大切にしていることやうれしい言葉が異なります。
伝えるために大切なのはタイプに合った声がけをすることです。
この書籍では子どもの性格タイプをわかりやすく3つに分け、
各タイプのほめ方や叱り方、促し方を具体的に解説しています。
さらに、親についても同様に3タイプ別の傾向を紹介。
親子で「生まれもった性格」が異なる場合の対処法も説明されています。
子どもの性格タイプを知り、それに合ったやる気になる声がけをすれば、今度こそすんなり言うことを聞いてくれる可能性大。
わが子の自己肯定感を高めることもできるおすすめの一冊です。