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2021年11月20日 07:50 更新

子どもへの伝え方3つの秘訣! 親は子どもを知る前に「自分」を知って『わが子がやる気になる伝え方』Vol.2

「子どもがなかなか言うことを聞いてくれない」「わが子が何を考えているのかわからない」……そんなときは性格タイプ別の声がけをしてみませんか?「性格統計学」を考案・開発した稲場真由美さんの著書『わが子がやる気になる伝え方』(小学館・発売/小学館クリエイティブ・発行)より、性格タイプ別の声がけ例を連載形式でお届けします。

子どもへの「伝え方」、3つの秘けつ

親子

ここで、「伝え方」のポイントをまとめてみましょう。

秘けつ【1】自分を知って、子どもを知る

子どもとやりとりをしているなかで、「なんかかみ合ってないなぁ」と感じるときってありませんか?それは、コミュニケーションギャップが生じているときです。その解決の近道は、相手(子ども)を知ることではなく、まずは自分を知ることです
とはいえ自分を知るといっても、なかなか難しいもの。自分で自分のことを知っているつもりでも、案外わかっていないことが多いのです。

そこで性格統計学を使って、自分の性格タイプを知りましょう。自分はどんな価値観で、どんな行動パターンを好み、どんなことをされたり言われたりすると嫌だろう......?そんなことを客観的に知り、振り返ってみましょう。

次に、お子さんの性格タイプを知りましょう。すると自分とわが子との違いに気づくはずです。お互いどんなことがストレスになるのか、どんな言葉だとうれしいのか。比べてみるとけっこう違うことがわかります。

性格統計学はその違いに着目し、円滑な人間関係を築くための解決策を体系化しています。親子で生まれもった性格が違う場合、親がわが子の性格タイプに合わせて、上手な伝え方と受けとめ方を実践すればいいのです。

秘けつ【2】上手な受けとめ方を知る

じつはこの本を出版するとき、受けとめ方に特化した本にしようと思ったほど、対人コミュニケーションにおいては「受けとめ方」が重要と考えています。

とくに親子の場合、会話のキャッチボールをしていなくても、子どもの行動や態度(たとえば「また宿題していない」「あぁ、遅刻しそう」というようなこと)がすべて目に入ってきますよね。それを親がどう受けとめるかが、コミュニケーションのカギになります
子どものマイペースな言動にイラッとして、ついキツい言葉をかけてしまうことがありますよね。その繰り返しでは、子どもの自己肯定感は育たず、やる気が下がってしまいます。一方、親は怒ったり叱ったりするばかりで自己嫌悪になってしまうことも。どちらが悪いわけでもなく、伝え方や受けとめ方がうまくできていないことで、そのような悪循環になるのです。

そこで、まずは親が「受けとめ上手」になりましょう。「子どもは私とは違う人間だ」と認め、それを受け入れるのです。「この子は反抗しているわけではなく、こういう性格なんだ」と頭を切り替えてみてください。たったこれだけのことですが、「受けとめ方を変えただけで、自分自身の心が軽くなりました」とうれしそうに報告してくださる親御さんがたくさんいます。

「なんでやってくれないの?」「どうしてできないの?」
そんなふうにイライラしてしまうのは、「今やるのが当たり前」「私が子どものころはできたのに」と、自分の基準で受けとめているから。「わが子は、考え方も、行動パターンも、物事の優先順位も、自分とは違う」と受けとめることでイライラが減って、子育てがラクになりますよ

秘けつ【3】子どもに伝わる伝え方を知る

性格タイプによって、心に響く言葉、響かない言葉というものがあります。

ほめる言葉も叱る言葉も、子どもにきちんと伝わらなければ意味がありません。
親が愛情をもって一生懸命伝えているつもりでも、子どもには響いていない、つまりまったく伝わっていないということがあります
「何回言えばわかるの」と、繰り返し言うことに疲れたという親御さんもいますよね?でもそれは、「相手にわかるように伝えていなかった」からなのです。

ここで、性格統計学の目指すところをご理解いただくために、わかりやすいストーリーでお伝えします。コミュニケーションをキャッチボールに例えたストーリーです。人間をタイプに分け、ロジカルタイプを青い子、ピースタイプを黄色い子、ビジョンタイプを赤い子のように、色分けしてお伝えします。

赤い子は、赤いボールでコミュニケーションをとります。赤い親から赤い子にはボールが1回で届きますが、青い親から赤い子にはボールがなかなか届きません。ボールの色が違うと、100個投げても、2個くらいしか受けとめてもらえないのです。では、青い親が赤い子にボールを受けとめてもらうには、どうすればいいでしょうか?

答えは、「赤い子には赤いボールを投げる」です。この場合、ボールとは「言葉」のこと。わが子のタイプに合った「ほめ方、励まし方、叱り方」を知って、その子の色のボール(言葉)を投げてあげればいいのです。

性格統計学で子どものボールの色(性格タイプ)を知ると、その子が受けとめやすいように、ボールの色を変えて投げることができるようになります。そして、親の引き出しの中にも、わが子と同じ色のボールをストックしておくことが大事です。青い子には青いボール、黄色い子には黄色のボール、赤い子には赤いボールをストックしておくことで、タイミングを逃さずに投げることができますよ。
その子が受けとめやすい色のボールを持っておいて、それを投げる。つまり、その子に合わせた伝え方をすれば、子どもは親の言葉を素直に受けとめやすくなるのです

(稲場真由美『わが子がやる気になる伝え方 性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる』(小学館・発売/小学館クリエイティブ・発行)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『わが子がやる気になる伝え方~性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる~』について

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そんなママ&パパは必見!

12万人の統計データから著者が考案・開発した「性格統計学」によると、人には「生まれもった性格」のタイプがあるのだそう。
そのタイプによって大切にしていることやうれしい言葉が異なります。
伝えるために大切なのはタイプに合った声がけをすることです。

この書籍では子どもの性格タイプをわかりやすく3つに分け、
各タイプのほめ方や叱り方、促し方を具体的に解説しています。
さらに、親についても同様に3タイプ別の傾向を紹介。
親子で「生まれもった性格」が異なる場合の対処法も説明されています。

子どもの性格タイプを知り、それに合ったやる気になる声がけをすれば、今度こそすんなり言うことを聞いてくれる可能性大。
わが子の自己肯定感を高めることもできるおすすめの一冊です。

稲場真由美さんのプロフィール

1965年富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。一般社団法人日本ライフコミュニケーション協会代表理事。人間関係研究家。自身の人間関係の悩みから新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」を考案・開発。このメソッドを「ひとりでも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いでセミナーや講演、カウンセリングを行う。公立小学校のPTA講演で多くの実績があり、2016年には文部科学省の調査研究事業で教員向けのコミュニケーション研修として採用され、高い評価を得た。ウェブで学べる「伝え方コミュニケーション検定」をとおして、大学生や子育て中のお母さん、就職や転職を考えている方々にもそのメソッドを伝えている。著書に『人間はたったの4タイプ仕事の悩みは性格統計学ですべて解決する!』(セブン&アイ出版)、『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)がある。

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