【医師監修】排卵日の出血は妊娠の可能性アリ? 症状と原因まとめ

【医師監修】排卵日の出血は妊娠の可能性アリ? 症状と原因まとめ

月経(生理)と関係ない時期に出血があると、不安になってしまう人が多いのではないでしょうか?  しかし、それが排卵日なのであれば、あまり心配ないケースがほとんどです。ここでは、排卵日に出血がある理由や、心配な出血との見分け方などをご紹介していきます。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

排卵日とは何か?

排卵のメカニズム

排卵・受精・着床までのながれ

「排卵」とは、卵巣の中で成熟した卵子が、卵子を包んでいる卵胞から飛び出すことを指し、この排卵が起きる日が「排卵日」です。
女性の卵巣には、卵子の元になる原始卵胞が一生分蓄えられています。毎月、その中の数個が成長していき、中でもっとも大きく育った卵胞(主席卵胞)が成熟しきると、卵子を放出します。これが排卵です。飛び出た卵子は卵管に入ります。

排卵が起きると、子宮は受精卵を迎える準備のために、赤ちゃんのベッドになる子宮内膜をフカフカの状態に整えます。そして、排卵された卵子と、女性の体内に入った精子が出会って受精卵になり、この受精卵が子宮内膜に着床すれば、妊娠が成立するのです。

しかし、卵子と精子が出会わなければ、準備していたフカフカの子宮内膜は必要なくなるので、はがれ落ちて血液とともに排出され、月経が始まります。

排卵日について確認しておくこと

排卵日はいつあるの?

卵胞から排卵が行われると、卵巣に黄体が形成されます。黄体の寿命は14±2日であるといわれています。排卵日は、次回の月経予定日の14日前頃と覚えておきましょう。月経周期には個人差があるのに対して、黄体の寿命はほぼ一定です。

つまり、月経周期が28日の人なら、月経の開始日から14日目頃が排卵日の目安になります。しかし、月経周期は体調などによっても変化しやすいので、基礎体温表や排卵検査薬など、複数の方法を組み合わせた方が排卵日をより正確に予測できるようになります。

自分の排卵日を把握しておこう

排卵日前日と排卵日の当日の2日間がもっとも妊娠しやすい時期と言われているので、自分の排卵日を把握し、この時期にパートナーと集中的に性行為を行えば、妊娠の可能性を高めることができます。

妊娠を望んでいない人の場合、排卵日を予測して「危険日」とし、その日だけ性行為を避けることがありますが、排卵はストレスなどの影響を受けてずれてしまうことが多いので、避妊方法としてはおすすめできません。避妊目的の場合は、排卵日予測に安易に頼るのではなく、コンドームやピルの使用を確実に行うようにしましょう。

排卵日の出血は大丈夫?

排卵日の前後になると、腹痛が起きることがありますが、これは「排卵痛」の可能性があります。排卵痛は、排卵の際に卵胞によって卵巣壁が突き破られることや、排卵後に卵巣が少し腫れることなどが原因といわれています。

その症状には、個人差があり、全く痛みを感じないという人もいれば、下腹部にズーンとくるような痛みを感じたり、チクチク・シクシクするような痛みだったりすることもあります。また、人によっては眠れないほど強く痛むケースもあるようです。痛みが強い場合は、医療機関の受診をおすすめします。

出血や血の塊がある

排卵日の前後には、排卵痛だけでなく、少量の出血が起きることもあります。これは、「排卵期出血」や「中間期出血」と呼ばれるもので、排卵期に一時的に女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減少することが原因といわれています。

病院へ行くべき症状は?

このように、排卵日の前後に起こる腹痛や出血は生理的なものなので、心配ないケースがほとんどです。しかしまれに、出血が持続して体内に血液が溜まってしまうことがあります。

出血が1週間近くダラダラ続いたり、月経と同じくらいの出血が見られたりする場合は、念のため、産婦人科を受診しましょう。また「排卵痛の痛みが強い」「排卵出血が毎月ある」というような場合も、産婦人科の受診をおすすめします。

排卵日の後に出血がある場合は?

妊娠の可能性? 着床出血とは何か?

排卵日から1週間ほどしてから(次の月経予定日の1週間ほど前)、少量の出血があった場合は、「着床出血(月経様出血)」の可能性があります。

受精卵が子宮内膜に着床するときは、受精卵の表面に「絨毛」という植物の根のような組織がつくられ、この絨毛が根をはるようにして、子宮内膜の奥深くへと潜り込んでいきます。このときに、絨毛によって子宮内膜の組織や血管が傷つけられて起こるのが着床出血です。しかし、妊娠すれば必ず着床出血が起こるというわけではありません。

また、着床出血の色や量には個人差があり、少量の血が混じってうすいピンク色のおりものが出たという人もいれば、茶色っぽいおりものだった人、真っ赤な鮮血で月経と同じくらいの量が出たという人もいます。さらに、着床出血がいつまで続いたかも人によって異なり、1~3日くらいで治まる人もいれば、1週間くらい続く人もいるようです。

排卵出血との見分け方

排卵出血と着床出血は、起こる時期が次のように異なります。
・排卵出血……排卵日の前後(月経開始日から次の予定日の中間あたり)。
・着床出血……排卵日の1週間くらい後(月経予定日の1週間くらい前以降)。

しかし月経不順だと、排卵日や次の月経予定日を把握しづらいので、基礎体温の変化で見分けるのが一番わかりやすいでしょう。

排卵出血や着床出血のときの基礎体温の様子

正常な基礎体温は、月経開始から2週間ほどは「低温相(体温が低い時期)」が続き、排卵を境に「高温相(体温が高い時期)」が2週間ほど続くというように、低温相と高温相が二相に分かれます。

このため、通常の月経の場合は、低温相に入った直後に出血が起こりますが、排卵出血や着床出血のときは、次のようになります。

・排卵出血……低温相だった基礎体温が出血後に高温相になる。
・着床出血……出血があるのに高温相が続いている。

ただし、基礎体温だけで妊娠の有無の判断はできません。実は着床出血だったものを月経が早くきただけと勘違いして放置していたら妊娠していた、などということもあります。妊娠の可能性があり不正出血があった場合は適切なタイミングで妊娠反応の検査を行って、産婦人科を受診するようにしましょう。

まとめ

今回ご紹介したように、排卵出血や着床出血は、病的なものとは考えられません。しかし、月経の時期以外に起きる不正な出血の中には、子宮・腟の病気や、妊娠初期の場合は、異常妊娠が原因の場合もあります。自分で判断するのは難しいので、不正出血が長く続く場合、痛みがある場合、妊娠の可能性がある場合は、産婦人科を受診することをおすすめします。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)

※記事の修正を行いました(2019.06.07)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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