妊娠 妊娠
2021年10月06日 15:12 更新

【医師監修】排卵出血があるころは妊娠可能性up?妊娠との関係と着床出血との違い

排卵日ごろに出血することがあります。排卵出血は妊娠を希望する人にとってとても気になる症状でしょう。今回は排卵出血と妊娠しやすい時期の関係、そして似たようなタイミングで起こる着床出血との見分け方について解説します。

排卵出血と妊娠の関係は?

排卵日あたりに出血があると、妊娠を意識している女性ならば妊娠との関連性が気になるでしょう。まずは排卵期にある出血と妊娠の関連について説明します。

妊娠成立=着床、排卵はその前段階

排卵・受精・着床までのながれ

妊娠するまでは大きく分けて①排卵→②受精→③着床という順序を辿ります。

排卵:排卵出血
「排卵」とは、卵巣の中で成熟した卵子が、卵子を包んでいる卵胞から飛び出すことを指し、この排卵が起きる日が「排卵日」です。
排卵日の前後には、痛み(排卵痛)や少量の出血が起きることもあります。これは、「排卵期出血(排卵出血)」や「中間期出血」と呼ばれるもので、排卵期に一時的に女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減少することが原因といわれています。
関連記事 ▶︎排卵日ごろに起こる症状|腹痛・腰痛・出血・おりもの変化など

受精
排卵された卵子と女性の体内に入った精子が出会って受精し、受精卵になります。

着床:着床出血
受精卵が子宮内膜に着床すれば、妊娠が成立します。排卵日から1週間ほどしてから(次の月経予定日の1週間ほど前)少量の出血があった場合は、「着床出血(月経様出血)」の可能性があります。
関連記事 ▶︎着床出血の症状 | 量や色、痛みなど妊娠超初期と生理の違い

妊娠しないと生理がくる
卵子と精子が出会わなければ、受精卵を迎えるために準備されていた子宮内膜は必要なくなるので、はがれ落ちて血液とともに排出され、月経(生理)が始まります。

排卵日の1〜2日前が妊娠しやすい時期

排卵日の1〜2日前あたりがもっとも妊娠しやすい時期と言われているので、自分の排卵日を把握し、この時期にパートナーと集中的に性行為を行えば、妊娠の可能性を高めることができます。

妊娠を望んでいない人の場合、排卵日を予測して「危険日」とし、その日だけ性行為を避けることがありますが、排卵はストレスなどの影響を受けてずれてしまうことが多いので、避妊方法としてはおすすめできません。避妊目的の場合は、排卵日予測に安易に頼るのではなく、コンドームやピルの使用を確実に行うようにしましょう。

関連記事 ▶︎妊娠しやすい日はいつ?排卵日との関係性とは

排卵出血がある時期、排卵日はいつ?

Lazy dummy

妊娠しやすい時期を知るためには、排卵出血がある排卵の時期を知っておく必要があります。それはいつ頃なのでしょうか。

次回生理開始日の14日前ごろが排卵日

卵胞から排卵が行われると、卵巣に黄体が形成されます。黄体の寿命は14±2日であるといわれています。排卵日は、次回の月経(生理)予定日の14日前ごろと覚えておきましょう。月経周期には個人差があるのに対して、黄体の寿命はほぼ一定です。

つまり、月経周期が28日の人なら、月経の開始日から14日目頃が排卵日の目安になります。しかし、月経周期は体調などによっても変化しやすいので、基礎体温表や排卵検査薬など、複数の方法を組み合わせた方が排卵日をより正確に予測できるようになります。

関連記事 ▶︎排卵日は予測できる? 排卵日を知る主な4つの方法

排卵出血と着床出血の見分け方

月経予定日前に起こる出血には排卵出血と着床出血がありますが、起こる時期が次のように異なります。

・排卵出血……排卵日の前後(月経開始日から次の予定日の中間あたり)
・着床出血……排卵日の1週間くらい後(月経予定日の1週間くらい前以降)

しかし月経不順だと、排卵日や次の月経予定日を把握しづらいので、基礎体温の変化で見分けるのが一番わかりやすいでしょう。

排卵出血や着床出血のときの基礎体温の様子

正常な基礎体温は、月経開始から2週間ほどは「低温相(体温が低い時期)」が続き、排卵を境に「高温相(体温が高い時期)」が2週間ほど続くというように、低温相と高温相が二相に分かれます。

このため、通常の月経の場合は、低温相に入った直後に出血が起こりますが、排卵出血や着床出血のときは、次のようになります。

イラスト1

・排卵出血……低温相だった基礎体温が出血後に高温相になる
・着床出血……出血があるのに高温相が続いている

ただし、基礎体温だけで妊娠の有無の判断はできません。実は着床出血だったものを月経が早くきただけと勘違いして放置していたら妊娠していた、などということもあります。妊娠の可能性があり不正出血があった場合は適切なタイミングで妊娠反応の検査を行って、産婦人科を受診するようにしましょう。

出血が長く続く、量が多い、痛みが強い場合などは受診を

排卵日の前後に起こる腹痛や出血は生理的なものなので、心配ないケースがほとんどです。しかしまれに、出血が持続して体内に血液が溜まってしまうことがあります。

出血が1週間近くダラダラ続いたり、月経と同じくらいの出血がある場合は、念のため、産婦人科を受診しましょう。また「排卵痛の痛みが強い」「排卵出血が毎月ある」というような場合も、産婦人科の受診をおすすめします。

また、排卵日の前後になると腹痛が起きることがありますが、これは排卵の時期に卵巣が腫れることなどによって起こる「排卵痛」の可能性があります。
痛み方には個人差があり、全く痛みを感じないという人もいれば、下腹部にズーンとくるような痛みを感じたり、チクチク・シクシクするような痛みだったりすることもあります。また、人によっては眠れないほど強く痛むケースもあるようです。痛みが強い場合は、医療機関の受診をおすすめします。

まとめ

排卵出血や着床出血は、病的なものとは考えられません。しかし、月経の時期以外に起きる不正な出血の中には、子宮・腟の病気や、妊娠初期の場合は、異常妊娠が原因の場合もあります。自分で判断するのは難しいので、不正出血が長く続く場合、痛みがある場合、妊娠の可能性がある場合は、産婦人科を受診することをおすすめします。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)

※記事の修正を行いました(2019.06.07)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-