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2022年01月11日 09:32 更新

2022年の七夕はいつ? 由来と行事の意味、笹飾りや行事食の楽しみ方

七夕は笹に願い事を書いた短冊を下げたり、飾りつけをしたりして家族で楽しめる行事の一つですよね。今回は七夕のすべてがわかるように七夕の意味や由来、織姫と彦星の伝説、短冊の色と飾りの意味について一気に解説。さらに折り紙で作れる織姫と彦星の折り方も紹介します。

2022年の七夕はいつ?

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2022年の七夕

「七夕って7月7日で固定されているんじゃないの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。答えは半分正解、半分不正解。理由は、七夕を新暦で祝う場合と、旧暦で祝う場合があるからです。

2022年の場合、旧暦(太陰太陽暦)の7月7日は、新暦(太陽太陰暦)だと、8月4日(木)になります。したがって、2022年の七夕は、7月7日(木)と8月4日(木)の2パターンが存在するのです。

一般的には、7月7日に七夕の行事を行うご家庭や保育園、幼稚園などが多いと思います。

しかし、旧暦をもとに、8月に七夕祭りを開催する地域も少なくありません。たとえば、「仙台七夕祭り」は毎年旧暦に合わせて開催され、2022年は8月6日~8日に開催予定となっています。また、七夕祭りが変化したとされる「青森ねぶた祭り」は、曜日にかかわらず毎年8月2日~7日に開催されています。

どちらの七夕祭りも市内を賑わし、華やかな七夕飾りや御神輿を見ることのできる、大変豪華なお祭りです。

七夕はいつから始まった?

七夕は、平安時代に中国から伝わってきた行事といわれます。現在は日本だけではなく、台湾や韓国、ベトナムなどでも七夕は行われています。

日本に伝わってきた当初は、貴族たちが宮中行事として行っていました。なす、干し鯛、アワビなどのお供え物をし、夜空を眺めつつ歌を詠み、女性は針に五色の糸を通して、裁縫がうまくなるようにと祈ったようです。

また、その頃は梶の葉に願い事を書いて飾ったそうで、短冊に願い事を書く由来になったと言われています。

七夕の由来

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七夕の由来として最も有名な説は、「織姫と彦星」の伝説。愛する二人が一年に一度だけ逢瀬を許されるという切なくもロマンチックなストーリーです。

七夕には他にも多くの説が唱えられていますが、下記の3つの説が有力視されており、3つの説が入り混じって現代の七夕になったとも言われています。

それでは3つの説について一つずつ見ていきましょう。

織姫と彦星の伝説

「天の川を挟んで別々に暮らしている織姫と彦星が一年に一度だけ会える」という話は、一般的によく知られているお話ではないでしょうか。七夕のロマンチックな物語として語り継がれていますよね。

織姫は「こと座のベガ」、彦星は「わし座のアルタイル」。この二人がなぜ七夕の主人公となったのか、簡単にご紹介します。

天の神様の娘である「織姫」は、機織りの仕事をしていました。天の神様は娘の結婚相手にふさわしい相手として、一生懸命に牛の世話をする「彦星」を探し出してきて、織姫と彦星は結婚しました。

ところが二人があまりにも仲が良すぎて、機織りも牛の世話もしなくなってしまいました。怒った天の神様は、織姫を天の川の西側に、彦星を東側に引き離してしまいました。

嘆き悲しんでいる二人に神様は、こう告げました。「真面目に働いたならば、一年に一度七夕の夜にだけ合わせてやる」と。それから二人は一生懸命に働くようになり、一年に一度の再会を果たしています。


7月7日の夜空では、織姫と彦星が仲良く笑い合っているのかもしれませんね。

棚機(たなばた)

7月7日のことをどうして「たなばた」と呼ぶのでしょう。この読みは、元は「棚機(たなばた)」からきたといわれています。棚機とは、古来の日本で行われていた"水の神様に秋の豊作をお祈りする行事"のことです。

水の神様にお供えする着物を織っていた女性を「棚機津女(たなばたつめ)」と言い、着物を織るために使っていた手動の織り機のことを「棚機」と言います。

やがて棚機の行事は、時代の流れとともに7月7日に行われるようになりました。そして現代の「七夕」が当て字になったと言われています。

そして、「織姫と彦星の伝説」と、次にご紹介する「乞巧奠(きこうでん)」の説が入り混じり、現代の七夕の行事へと確立されていったようです。

乞巧奠(きこうでん)

乞巧奠(きこうでん)とは、中国で7月7日の夜に行われていた宮中行事のことです。女性たちは針仕事の星を司る織姫星(ベガ)に「裁縫や機織りがうまくなりますように」と願いました。

この儀式が平安時代に日本へ伝わり、貴族たちの間に広まっていったとのこと。

そして、先述した「棚機」の行事と、「織姫と彦星の伝説」が融合して、現代の七夕の行事へと変化を遂げました。

七夕ってどんな行事?

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笹竹(ささだけ)

笹竹は古来より、神聖なものだと位置づけされており、丈夫で生命力も強いことから神事などに使われていました。

また、抗菌作用があるとされる笹の葉にお供え物を乗せて飾ることで、温暖な気候でも食べ物が長もちするという工夫にもなっていたそうです。

笹竹に短冊を飾る由来

笹の葉が擦れ合う音は、神様を招くという言い伝えがあります。そのようなことから、七夕の願い事も神聖な笹竹に下げるようになったようです。

短冊(たんざく)

庶民の生活にも七夕が広まったとされる江戸時代、寺子屋と呼ばれる後の小学校に通い出す子供が増えたことがきっかけとなり、短冊に願い事を書いて笹竹に吊るすようになったといわれます。

短冊の色の意味

童謡「たなばたさま」の歌詞に、"ごしきのたんざく"という歌詞が使われています。これは、5つの色を表す五色のこと。色は、赤・青・黄・白・黒の五色です。

七夕はもとは中国から伝わってきた行事なので、中国の「陰陽五行説」が関係してきます。陰陽五行説によると、世の中は「木・火・土・金・水」の5つの要素からできており、この5つの要素にそれぞれ「青・赤・黄・白・黒」の色を定めているとのこと。

平安時代に針に5色の糸を通して裁縫が上手になるように願いを込めていたのも、この陰陽五行説から影響を受けていたものだと推測されているようです。

後に「黒は縁起が悪い」という理由から黒は紫に変わり、また青は緑で代用されることも増えました。

さらに、5色は人間の5徳を表しているとされ、それぞれの下記のような意味を持っています。
・青(緑):「仁」徳を積む、人間力を高める
・赤:「礼」先祖や父母・師匠などを敬う
・黄:「信」縁ある人々からの信頼、友人を大切にする
・白:「義」自らを律し、義務や決まり、約束事を守る
・黒(紫):「智」学問に励む

色によって、さまざまな意味があるんですね。短冊に願い事を書くときに、こうした意味も意識してみると、より七夕を深く楽しめるでしょう。

七夕飾り

笹竹にたくさんの短冊や飾りがあると華やかな雰囲気になりますね。

実は七夕飾りにも短冊と同じように、飾りによってさまざまな意味が込められていることをご存知でしょうか。代表的な七夕飾りの意味をご紹介していきます。

飾りにも種類によって意味がある

【折り鶴(千羽鶴)】
長生きできますように。

【吹き流し】
お裁縫が上手になりますように。

【網飾り】
豊漁・豊作になりますように。

【巾着(お財布)】
金運が上がりますように。

【神衣・紙衣(かみこ・紙で作った人形、もしくは着物の形の飾り)】
着るものに困りませんように、災いごとの身代わりになってくれますように。

【くずかご】
整理整頓できますように、物を粗末にしませんように。

七夕飾りはどこに飾るのが正解?

笹竹には悪運や魔力を払う力が宿っているといわれているため、一般的には家の出入り口である玄関や軒下に飾ると良いとされています。

七夕飾りはいつ片付ければいい?

七夕は夜に行う行事です。旧暦だと「7月7日の夜」、新暦だと2022年は「8月4日の夜」に行います。七夕飾りは、行事の翌日には片付けると良いでしょう。

昔は笹竹ごと川に流していましたが、現在は環境問題の観点から家庭ゴミとして処分することが一般的です。

もしゴミに出すことに抵抗があるのでしたら、お近くの神社に問合せしてみてはいかがでしょうか。「お焚き上げ」と称して供養してもらえるかもしれません。

子どもと作ろう! 簡単! 折り紙で「織姫と彦星」

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折り紙で簡単に作れる織姫と彦星の折り方をご紹介します。わかりやすくするため、実際に折りながらの写真を載せています。

【用意するもの】
〇折り紙:ピンク・水色・黒2枚
〇セロハンテープ
〇ペン

【織姫】の頭と顔を作りましょう

まずは「織姫」の頭と顔の折り方からご紹介していきますね。

折り紙 織姫 頭と顔
使用するのは「黒色」の折り紙です。髪の毛になるので、茶色でも何でもお好みの色でOKです。

①色の付いていない方に裏返して、半分に折りすじをつけます。
折り紙 織姫 頭と顔
②さらに半分に折りすじをつけます。
折り紙 織姫 頭と顔
③折りすじをつけた外側の部分を内側に折ります。
折り紙 織姫 頭と顔
④反対側も同様に内側へ折ります。
折り紙 織姫 頭と顔
⑤上から4センチほど下に向かって折ります。
⑥ひっくり返して、下から2センチほど上に向かって折ります。
⑦両下端を写真のように三角形に折ります。
⑧⑦で折った先を写真のように折り返します。
折り紙 織姫 頭と顔
⑨ひっくり返すとこのようになっています。
折り紙 織姫 頭と顔
⑩上の両端を裏側に折り込むと頭の形が整います。目と口をペンで書くと織姫の頭と顔が完成です!

【彦星】の頭と顔を作りましょう

それでは彦星の頭と顔を折っていきましょう!

折り紙 彦星 頭と顔
①半分に折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
②さらに半分に折ります。
③開いて見ると折りすじができています。
折り紙 彦星 頭と顔
④上の両端をそれぞれ三角になるように折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑤ひっくり返して、写真のように折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑥左右どちらも中心部へ折り込みます。
折り紙 彦星 頭と顔
⑦上の先端部分を写真のように下に折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑧下から3センチほど上に向かって折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑨中心部から1センチほど残し、外側を三角になるように折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑩左右どちらも同じように折ります。
折り紙 彦星 頭と顔
⑪ひっくり返してみると、彦星の頭と顔が完成していることがわかります。上部の髪の分け目になる中央部分を内側に折り込みます。
折り紙 彦星 頭と顔
⑫上の左右両端を裏側に折り込みます。そして目や口などを書きます。自分好みの表情になるように書いてみてくださいね。これで彦星の頭と顔が完成しました。

着物(胴体)のパーツを作りましょう

※織姫と彦星の着物(胴体)部分の作り方は同じです。

折り紙 織姫 彦星 胴体 着物
①まずは色や模様の付いていない方にしましょう。
折り紙 織姫 彦星 胴体 着物
②上から2センチくらい、白い部分が見えるように平行に折ります。
折り紙 織姫 彦星 胴体 着物
③ひっくり返して、写真のように折ります。
折り紙 織姫 彦星 胴体 着物
④左右どちらも真ん中に向かって折ります。これでおしまいです。
折り紙 織姫 彦星 胴体 着物
完成した着物がこちらです。開いてしまうのが気になる場合は糊を付けると良いでしょう。
折り紙 織姫 彦星 胴体 完成
完成した頭と顔と合わせるとこのような感じになります。
折り紙 織姫 彦星 胴体 完成
王冠や羽衣を付けると見栄えします。

今回織姫にはピンク、彦星には水色の着物を着せましたが、お好みによって色を変えたり、模様がある折り紙を使ったりしてみてもいいですね。

あまり難しくはないかなと思いますので、お子さんと一緒に作ってみてはいかがでしょうか。

七夕にふさわしいメニューとは? 

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そうめん

「なぜ七夕にそうめんがふさわしいのかな?」と思う方も多いではしょう。これには3つの説があります。

1つ目の説は、「策餅(さくべい)の代わりとして食べるようになった」です。なぜ代わりになったのかははっきりしませんが、そうめんは茹でるだけですが、策餅は作る工程が多いため、簡略化したということかもしれません。

2つ目の説は、「そうめんを白い糸に見立てた」です。七夕の由来として、乞巧奠(きこうでん)というお祭りをご紹介しました。着物を織る技術が上達しますように、という願掛けとして、機織りに関係する白い糸をそうめんに見立てたようです。

3つ目の説は、「そうめんを天の川に見立てた」です。
白く滑らかなそうめんが天の川のように見えることから、七夕のメニューの一品に加わったようです。

現代では、スーパーなどで色鮮やかなそうめんが売られていますよね。赤や緑、黄色などもあり、子どもが喜んでくれます。手軽な行事の楽しみ方として、ぜひ楽しんでみてください。

索餅(さくべい)

「策餅」とは、小麦粉を練って縄の形にしたものを揚げたお菓子のこと。中国から伝わった食べ物です。

小麦粉を揚げたてのものに砂糖をまぶしたり、塩をかけてみたり、味付けを変えることで食感が無限大に広がります。時間があれば、作ってみるのもいいですね。

小麦粉ではなく、ホットケーキミックスや米粉で作っているママも多く、七夕のおやつ候補に考えてみてくださいね。

かりんとう

七夕にかりんとうとは意外な気もしますが、「策餅に似ているお菓子」として食べることがあります。日本では策餅にあまりなじみがないことが多いですが、かりんとうならスーパーやコンビニでも売られているので手軽ですね。

まとめ

七夕について、いつ祝うのか、由来や楽しみ方をまとめ、ご紹介しました。七夕のような伝統行事のことを子どもに質問されたとき、パッと答えられるとうれしいですね。一年に一度の行事を、ぜひ子どもたちと一緒に楽しんでくださいね。

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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