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2023年01月16日 15:29 更新

これは飲めた!つわり中のおすすめ飲み物6選 &妊娠中に要注意なドリンク【管理栄養士監修】

妊娠初期のつわりの時に特に気をつけたいのは脱水症です。そのためこまめな水分補給が大切になります。基本的に自分が飲みやすいもので水分補給をすれば大丈夫ですが、なかには妊娠中に気をつけたい飲み物も。ぜひ知っておきましょう。

つわりでも飲みやすい飲み物は? 吐き気がある時のおすすめ6選

水を飲む女性

つわり中は脱水症にならないためにも、自分が飲みやすいと感じる飲み物で水分を積極的に摂りましょう。酸味のある飲み物や炭酸といったように、口がさっぱりとする飲み物が欲しくなるという声が妊婦さんからよく聞かれます。ここではつわり中でも比較的飲みやすい飲み物をご紹介します。

1. 炭酸水|柑橘系やしょうがをプラスするのもGood

炭酸水は口の中がさっぱりとするので、つわりの時にはおすすめの飲み物です。できたら無糖タイプを選びましょう。

無糖の炭酸水だと味がなくて物足りない人は、レモンやオレンジといった果物をスライスして入れたり、レモン汁を入れることをおすすめします。つわりでなかなか調理が難しい方は、もともとレモンなどのフレーバーがついたものもあるので、そちらも試してみてください。

また、しょうがには吐き気を軽減すると考えられる成分が含まれるので[*1]、炭酸水にジンジャーシロップを加えるのもおすすめです。

2. レモン水|ただの水より飲みやすさup!

レモン水

水にレモンなど酸味のあるものを加えることですっきりとした味わいになり、胃の不快感が取れて気分もリフレッシュするかもしれません。レモン水は、皮を剥いた輪切りのレモンを水に入れ、冷蔵庫に入れるだけで簡単に出来上がります。レモンのほかに、オレンジなどの柑橘類でもよいかもしれませんね。自分に合ったものをぜひ、探してみてください。

3. 麦茶|ノンカフェインの代表格!ミネラルも含む妊娠中の味方

麦茶はノンカフェインのため妊婦さんにもおすすめの飲み物です。カフェインは妊娠中の摂取量に注意が必要です(詳しくは後述)。少量であればカフェインを摂取しても問題ありませんが、基本的に水分補給をする時は麦茶などのカフェインの入っていない飲料を選ぶことをおすすめします。

また、麦茶にはむくみに効果的なカリウムなどのミネラルも含まれているため、妊婦さんにはうれしいですね。カリウムはむくみの要因となるナトリウムの排泄を促す作用があります。

関連記事▶麦茶にカフェインは含まれる?妊娠中の影響は?
関連記事▶妊婦のカフェイン過剰摂取の影響とリスクとは?

4. オレンジジュース|選ぶなら100%のものを

オレンジジュース

つわりでつらい時は口の中がさっぱりするすっぱい食品が好まれる印象ですが、その中でもオレンジジュースはとてもおすすめです。オレンジジュースには葉酸、カリウム、ビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれており[*2]、どの栄養素も妊娠中には欠かせないものです。次のポイントを押さえるとよりよいでしょう。

●過剰摂取によるカロリー過多には注意する
●100%果汁のものがおすすめ


10%果汁などのオレンジジュースは、果汁のほかに「果糖ぶどう糖液糖」を含んでいます。果糖ぶどう糖液糖は吸収が早いため血糖値を急激に上げる作用があります。妊娠中はホルモンの影響で血糖値が上がりやすい状態でもあるので、つわり中の一時的なことであっても、できれば血糖値の上がりやすいものではなく100%果汁のものにしましょう。

5. 経口補水液|脱水対策としては最適な飲料

人によってはおいしくないと感じるかもしれませんが、経口補水液は脱水時に適した成分バランスとなっています。嘔吐や下痢があると身体の水分を喪失し、脱水がおこりやすくなります。そうした際に経口補水液を飲むとよいでしょう。一気にたくさん飲もうとせず、こまめに飲むようにしてください。

つわりの症状が強い人は、脱水対策としての経口補水液の飲み方などについて、あらかじめ主治医や管理栄養士に相談しておくのもよいでしょう。

6. ゼリー飲料|成分に気をつけて、栄養補給を

ゼリー飲料にはさまざまな種類があります。鉄分やビタミンを含むものはつわりの時の栄養補給に役立つかもしれません。

飲みやすいものを選んでかまいませんが、マルチビタミン系のゼリーには少し注意しましょう。商品によってはビタミンAを含むため、妊娠3ヶ月以内の妊婦や妊娠を希望する女性は過剰摂取しないように注意書きがされているものがあります。ビタミンAは妊娠中に過剰に摂取するとおなかの赤ちゃんに悪影響が出るおそれのある栄養素です。

食事からもビタミンAは摂取するので、ビタミンAの入ったゼリー飲料の摂りすぎは控えましょう。

関連記事▶妊婦はビタミンAの過剰摂取に注意! その理由と上手な摂り方

妊娠中に避けたい飲み物はある?

基本的につわりの時には飲めるものを飲めばよいのですが、妊娠中に気をつけてほしい飲み物もあります。どのようなものがあるのか知っておきましょう。

アルコール:妊娠中の飲酒は一切NG

妊娠中の飲み物でまず避けるべきなのがアルコール(お酒)です。妊娠中の飲酒は、生まれてくる赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」を発症する可能性があるためです[*3]。胎児性アルコール症候群では顔面を中心とする奇形や脳障害などの先天異常が生じるとされ、これは飲酒の量や時期に関係なく起こり得ます。「これくらいなら大丈夫」と考えず、妊娠中は完全にお酒を止めるようにしましょう。

関連記事▶妊娠に気づかず飲酒!どうしたらいい?結婚式の乾杯は○○で

カフェイン入り飲料:少量ならOK!メインはノンカフェインに切り替えを

ホットコーヒー

カフェインはさまざまな飲料に含まれており、コーヒー、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーラなどが代表的です。また、飲み物ではありませんがチョコレートにも含まれます。

妊娠中のカフェインの摂取についてWHO(世界保健機関)は「胎児への影響はまだ確定的ではないが、控えるように」と呼び掛けています[*4]。カフェインの入った飲み物は飲みすぎないようにしましょう。たとえばコーヒーであれば、1日に1~2杯を楽しむほかはデカフェ(カフェインレス)に置き換えるなど、工夫してみてください。

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それぞれの飲み物とカフェインについて、詳しくはこちらもご覧ください。
▶コーヒーのカフェイン含有量は? 妊娠や授乳中のリスクと目安量
▶緑茶のカフェイン含有量!妊娠中は大丈夫?
▶ウーロン茶のカフェイン含有量!妊婦はどのくらい飲んでもOK?
▶妊婦が紅茶を飲むときの上限は?カフェイン摂取の注意点
▶コーラにもカフェイン が!妊娠中は飲んでも大丈夫?
▶チョコレートのカフェイン量|妊婦・大人・子供はどのぐらい食べていい?

ハーブティー:一部の種類でリスクの可能性

妊娠中にハーブティーを飲むことは気分転換になりますよね。カフェインが入っていないことから選ぶ方もいるかもしれませんが、安易にたくさん飲むのは禁物です。ハーブティーの中には何らかの薬理作用をもつ成分が含まれていますが、妊娠中の有効性や安全性について、ほとんど情報がないのが現状だからです[*5]。

妊娠中に避けたいハーブティーの一例としては、カモミール、レモングラス、アロエ、ジュニパーベリー(セイヨウネズ)などがあります。

ハーブティーだけで水分摂取をするなどして大量に飲んだり、濃縮されたハーブティーを口にしたりすることは避けましょう。気分転換として少量を楽しめるといいですね。

関連記事▶妊婦も飲んでいい&NGのハーブティーまとめ!便秘や安産にもよい?

栄養ドリンク・エナジードリンク:成分に注意を

栄養ドリンクには「産前、産後、授乳時の栄養補給に」と書かれているものもあります。しかし、だからといって栄養摂取をドリンク剤に頼りすぎるのはおすすめできません。糖分が多く含まれているため、常用することで体重増加につながるおそれもあります。体力が落ちている時などはよいかもしれませんが、基本的に妊娠中は食事からの栄養摂取を心がけましょう。

なかにはカフェインが含まれる栄養ドリンクもあります。飲む際にはカフェインの有無を確認するようにしましょう。

なお、栄養ドリンクと似たものとしてエナジードリンクがありますが、こちらも同様に糖分やカフェインに注意してください。特にカフェインについては、栄養ドリンクがカフェインの含有量を規制されている一方、エナジードリンクは規制されていないため[*6]、より注意が必要です。

関連記事▶妊婦の飲食「栄養ドリンク」これはOK?

つわりでつらい時の飲み物の工夫

つわりでつらい時には、一工夫すると水分が摂れる場合もあります。ぜひ参考にしてみてください。

冷やして飲む

冷やすと比較的飲みやすい場合があります。味噌汁やポタージュも冷やすと飲みやすいかもしれないので、飲み物に限らずぜひ試してみてください。飲み物を製氷皿で凍らせて氷にするのもおすすめです。氷を口の中に含み、ゆっくりと溶かすことも水分補給の効果があります。

ホットドリンクが飲みやすい場合も

ホットドリンクをソファで飲む女性

場合によっては、ホットドリンクが飲みやすいこともあります。温かい飲み物にはリラックス効果や身体を温める効果があるので、冷たい飲み物が合わない場合にはぜひこちらも試してみましょう。白湯や麦茶、ホットミルクでもよいですね。

ちびちび飲む

一気に飲むより間隔を空けて飲むことで気持ち悪さが抑えられる場合もあります。ちびちびと少しずつ口に含ませる方法もおすすめです。

つわりで水分がとれない時は病院へ

つわりが悪化してしまい、まったくと言っていいほど水分がとれない場合には、悩まず医療機関を受診しましょう。

つわりの重症化「妊娠悪阻」のリスク

つわりが重症化し、1日中何回も嘔吐がある、食べることも飲むこともできない、元の体重から5%体重が減っている、尿の量が減っている、などがみられた場合には、入院管理が必要になることもあります。この状態を「妊娠悪阻」といい、妊婦さん全体の0.5%~2%にみられます[*7]。妊娠悪阻の兆候が少しでもみられたら、早めに医療機関を受診しましょう。

関連記事▶つわりで点滴が必要なのはどんなとき?入院なしで点滴はありうる?

まとめ

つわりは個人差が大きいため、人それぞれ飲みやすいものは異なります。自分に合った水分補給の方法を探してみてくださいね。紹介した気をつけたい飲み物への注意は必要ですが、飲めるものを無理なく飲んで、つわりのつらい時期を乗り越えていきましょう。

(文:茅野陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

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