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2021年11月12日 17:00 更新

つわり中に食べやすいパスタは?おすすめの食べ方と簡単レシピ【管理栄養士監修】

つわりで思うように食べられない時、食事は大きな悩みですよね。パスタは身近な料理の1つですが、つわり中の食べ方に迷う方も多いのではないでしょうか。ソースや具材を変えるだけでいろんな味が楽しめるうえ、簡単に作れるパスタは、つわり中におすすめの料理でもあります。食欲がない時でも食べやすいパスタについてご紹介します。

つわりでも食べやすいパスタは?

トマトソースのパスタ

パスタは種類が豊富ですよね。つわりで吐き気や嘔吐で食欲がないような時には、どのようなパスタが食べやすいのでしょうか。

酸味のあるソースやしょうがを使ったパスタ

トマトレモンなどを使った酸味のあるソースは、つわりの時に食べやすいという人も多いでしょう。

つわり中は酸っぱいものを食べたくなることがあります。酸味によって口の中がさっぱりするなどから食べやすいと感じる妊婦さんが多いようです。ナポリタンのようにケチャップを使ったパスタもいいですね。

また、しょうがは妊娠中の吐き気や嘔吐を和らげると言われています[*1]。口の中もすっきりするため、しょうがはおすすめです。たとえば、オリーブオイルにしょうがパウダーなどを混ぜて使ってみてはいかがでしょうか。

冷製パスタやスープパスタ

 冷製パスタはにおいが抑えられて食べやすい

つわりでは、においで気持ち悪くなることもありますよね。食べ物は温かい状態よりも冷たい状態の方がにおいが抑えられ、食べやすくなります。パスタも冷製パスタの方がにおいの影響が少なく食べやすいでしょう。なかでもネバネバした食材を使った冷製パスタは、つるっとして口当たりもよくなるのでおすすめです。

市販のドレッシングをソース代わりに使うと便利ですよ。オイル入りでもノンオイルでもよいですが、ノンオイルのものは意外と塩分が多い製品もあるので、かけ過ぎには気をつけてくださいね。

 スープパスタは軟らかくて胃にやさしい

スープによってパスタが軟らかくなるので、スープパスタはパスタ料理の中でも消化しやすくおすすめです。また、オイル入りのソースで和えたパスタよりもあっさりと食べられるでしょう。

手軽にスープパスタを食べたい時は、粉末のカップスープの素をソースに代用できます。個包装になっているので使いやすいうえ、お湯を注ぐだけで手軽にしっかり味も決まるので魅力的ですね。よりおすすめな食べ方としては、野菜やたんぱく質の食品を加えると、バランスのよいスープパスタにできます。

つわり中に向かないパスタはある?

つわりで吐き気のある女性

パスタソースは、トマト系、クリーム系、オイル系、和風系など多種多様です。つわりの症状も人それぞれのため、好きな味、食べられる味を選べるといいでしょう。ただ、ソースを選ぶ時に少し気にしてほしいことがあります。

クリーム系は胃腸に負担となる可能性も?

クリームソースにはバターや生クリームが多く使われているものが多いです。したがって脂肪分が多く消化に時間がかかります。つわりの時は胃腸の機能が落ちているので、胃に負担がかかり胃もたれの原因になるかもしれません。様子をみながら食べるようにし、つらいなと感じたら無理に食べず、やめておいたりするのもいいですね。

にんにくの匂いに注意

にんにくはパスタによく使われる食材ですが、妊娠中はホルモンの変化によりにおいに敏感になるので、場合によってはにんにくの刺激臭で気持ちが悪くなることが考えられます。また、にんにくを食べることで胃のむかつきが起こる可能性もあります[*2]。においが気になったり、胃もたれを感じるようなら、にんにくは控えてみてもよいでしょう。

つわり中におすすめの簡単パスタレシピ

キッチンで茹でたパスタを皿に盛る女性
調子がよくない時に食事を作ることは大変ですよね。つわりの時でもさっと作れて食べやすいパスタレシピをご紹介します。今回はスパゲッティですが、パスタには長さや太さが違ったり、ペンネやカール、マカロニなどいろんな種類があります。ソースといっしょにアレンジして楽しむのもいいですね。

材料はいずれも1人分です。
温かくても、冷たくても、おいしく食べられます。
減塩のため、パスタは塩なしで茹でてくださいね。

鶏肉と野菜のレモンパスタ

つわりの症状を和らげるとされるビタミンB6が豊富な鶏胸肉を使ったパスタ。鶏胸肉は安価に手に入る点もよいですね。

■材料
・スパゲッティ(乾) 100g
・鶏胸肉 60g
・キャベツ 2枚
・アスパラガス 2本
・レモン汁 大さじ1 【A】
・しょうゆ 小さじ1 【A】
・すりおろししょうが 少々 【A】

ほぐした鶏肉


■作り方
① 鶏胸肉は茹で、茹で汁の中でそのまま冷ましておく
② スパゲッティを茹でる
③ キャベツはざく切りに、アスパラガスは斜め切りにする
④ スパゲッティ茹で上がる前に③を加えて一緒に茹でる。ともに茹で上がったらざるにあげ、冷水をかけて冷やす
➄ ボウルに【A】を入れて混ぜ、皮を取り除き食べやすい大きさに割いた①を加えて和える。そこに、よく水気を切った④を加えて混ぜ合わせ、皿に盛り付ける

山芋と茹で豚の和風パスタ

ネバネバ食材でつるっと食べやすいですよ。具材はご家族のおかずにも使えます。

■材料
・スパゲッティ(乾) 80g
・豚もも肉 60g
・ほうれん草 80g
・山芋(すりおろしたもの) 70g
・めんつゆ(二倍濃縮タイプ) 小さじ1
・プチトマト 1個
・すりおろししょうが 少々

■作り方
① スパゲッティ、豚もも肉、食べやすい大きさに切ったほうれん草を茹でる(冷製にする場合は、冷水をかけて冷やす)
② 山芋にめんつゆを加えて混ぜておく
③ 皿にスパゲッティを盛り付け、②をかけ、さらに豚肉とほうれん草を盛り付ける
④ 仕上げに半分に切ったプチトマトとすりおろししょうがをのせる

ツナとブロッコリーのトマトスープパスタ

トマトスープのパスタ
(画像はイメージです)

ほのかな酸味のスープと葉酸たっぷりのブロッコリーを使った、お手軽簡単お助けレシピです。

■材料
・スパゲッティ(乾) 80g
・ブロッコリー 80g
・ツナ缶(水煮) 70g
・粉末トマトカップスープの素 1袋

■作り方
① スパゲッティとブロッコリーを茹でる
② 粉末トマトカップスープの素を、規定の分量のお湯で溶いておく
③ ①を皿に盛り付け、上から②をかけ、汁気を切ったツナ缶をのせる

手軽なコンビニパスタのチェックポイント

コンビニパスタ

つわり中は手作りするのも負担になります。コンビニパスタはすぐに食べられるうえ種類もさまざまにあるので便利ですよね。つわり中の強い味方になりますが、選ぶ時に注意したいこともあります。

使用されている食材をチェック

コンビニやお店のテイクアウトなどでパスタを選ぶ際には、使用されている食材をチェックしましょう。妊娠中に避けた方がよかったり、食べ方に注意が必要な食品が含まれていることがあります。

 卵(生や半生のもの)

クリーム系のパスタなどで温泉卵は定番の具材ですが、妊娠中、生卵は食中毒のリスクがあるため避けた方がよい食品です。温泉卵や半熟卵が入っている商品は、購入後にしっかり加熱して食べるようにしましょう。

ただし、コンビニの商品などでは、使用されている卵が加工食品である場合もあります。加工食品の卵は「生卵や温泉卵に見えるもの」であって実際には生や半生ではなく、加熱しても固まらないようにできています。その場合はトロトロの卵でも大丈夫ということになります。とはいえ、両者の見分けがつきにくいこともあるので、いずれにしても加熱するのがよいでしょう。加熱後に触ってみて熱くなっていれば熱が通っているので、目安にしてください。

 チーズ(ナチュラルチーズ)

パスタにはチーズを使用したものが多いですよね。しかしチーズにも食中毒に注意したいタイプがあります。チーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズがありますが、ナチュラルチーズ(特に外国産のもの)にはリステリア菌の食中毒のリスクがあるため、妊娠中は避けた方がよいとされます。

たとえば、ミートソースやナポリタンと相性のよい粉チーズの原料であるパルメザンチーズはナチュラルチーズの1つです。

日本で一般的に売られている国内産のナチュラルチーズについては、加熱殺菌された乳で作られているため過剰に心配する必要はありません。しかし、より安心して食べるなら、しっかりと加熱することで感染を予防できるので、チーズがかかっている状態で加熱するといいですね。電子レンジを使う場合は加熱ムラに十分注意しましょう。

なお、プロセスチーズであれば、製造過程で加熱されているのでそのまま食べられます。妊娠中はチーズの種類を確認するようにし、分からない時は念のため避けた方がよいでしょう。

 明太子、生ハム、スモークサーモン

明太子(たらこ)パスタは定番の人気メニューですし、生ハムやスモークサーモンもパスタと相性の良い食材ですが、チーズ同様、これらの食材もリステリア菌を持っている場合があります。パスタの具材にある場合は、加熱してから食べるのが安心です。

いずれもパスタの材料として定番だったり人気のものですよね。
手作りで使いたい時にも同様に注意してくださいね。


ご紹介した食品の妊娠中の注意について詳しくはこちら
▶生卵 ▶チーズ ▶明太子 ▶たらこ ▶生ハム

まとめ

つわりの時期は昨日は食べられたものが、今日は食べられなくなったり、違うものが食べられるようになったということもあると思います。味覚の変化が起こりやすい時期なので、あまり気にしすぎず、食べられるものを食べたい時に食べられるだけ摂るように心がけてください。

パスタはさまざまな食べ方ができるので、食べやすいものを探しやすい料理です。ぜひ紹介した食べ方を参考にしてみてくださいね。味付けには酸味をうまく利用し、しっかり加熱したものを摂るといいでしょう。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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