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2021年10月30日 20:00 更新

【初マタ出産記】Vol.8 不妊治療で授かった我が子、産後の辛い日々を乗り越え育児を満喫中 ~伊藤さんの場合~

妊娠・出産は一大イベント。特に初マタだと夫や家族への報告、妊婦検診、職場への報告や引き継ぎ、産前の準備などなど、初めてのことで大忙しです。 妊娠出産は人それぞれといいますが、それでも先輩ママたちの経験を聞くと心強いもの。本連載では働く「初マタママ」の妊娠から出産までの体験記をご紹介します!

今月の初マタママのプロフィール

初マタ出産記,伊藤さん
伊藤愛子さん(仮名/38歳/IT/人事/生後5ヶ月の男子のママ)
4歳年上の夫と2015年に結婚。自然妊娠が難しい体質だったこともあり、約3年の不妊治療を経て、ようやく妊娠。出産前はIT企業の人事として新卒採用に従事。現在育休中。

【妊娠初期】不妊治療の末の妊娠で、安心できない毎日

体調

<夢が現実に!? 妊娠発覚時の驚きエピソード>
妊娠は、検査薬でのチェックでわかりました。長い不妊治療でなかなか授かることができず、「今月もだめだろうな」とあきらめていたので、最初は喜びよりも驚きが大きかったです。また、たまたまかもしれませんが、前日の夜に赤ちゃんができた夢を見ました。朝起きたときに、「今回は妊娠している気がする!」と思ったら本当に妊娠していたので、予知夢だったと思っています(笑)。

<食べづわりでジャンクフードが大好きに!>
妊娠後の体調の変化としては、つわり、眠さ、倦怠感が主でした。つわりは軽い方で、食べつわりでした。塩からいものやこってりしたものを食べると楽になったので、ジャンクフードが大好きに。このころから食欲も増えてきました。

また、とにかく毎日眠くてだるかったです。仕事を休むわけにもいかず、眠気と倦怠感が一番辛くて……。また、頻尿になり、夜中に起きて頻繁にトイレにいくのも煩わしかったです。

気持ちとしては、つわりはあるものの軽めでしたし、お腹も出てないのでまだ実感は全然ありませんでした。過去に妊娠して流産した経験があるので、私も夫も手放しで喜ぶよりは、産まれるまで安心しないぞ、という思いが強かったです。

<このころに気をつけていたこと>
カフェインを摂らない、生物を食べない、妊娠線が出るのは嫌だったので、お風呂上りの保湿徹底、足を冷やさないということに気を遣っていました。

仕事

コロナの影響で、仕事は完全テレワークでした。満員電車で通勤がない、服装や化粧も適当でいい、家で休み休み仕事ができる、という状況だったので、しんどい妊娠初期にテレワークができたことは、振り返っても本当によかったと思います。

上司へは安定期を過ぎた頃に報告をしました。不妊治療をしていることも知っていたのでとても喜んでくれました。フルフレックスの会社のため、テレワーク中に中抜けして病院にいったり、長めに休憩をもらったりもできました。自由な働き方の会社でよかったと思います。

つわりで体調が悪いときには、上司の言葉に甘えて、昼休憩の時間を体調に合わせてずらしたり、腰痛がひどいときには少し横になったりしながら仕事を進めました。

プライベート

夫への報告は、検査薬で陽性反応が出たその瞬間に言いました。夫にとっても待望の妊娠だったので、飛び上がって喜んでいました。両親・兄弟へは、妊娠4ヶ月ころ、産院で心拍が確認できたあとに報告しました。妊娠3ヶ月ころに役所へ行き、母子手帳をもらったとき改めて「赤ちゃんがいるんだなー」と実感が湧きました。今度こそは無事産まれて欲しいという思いから、妊娠初期はほぼ外出せず家で安静にしていました。

初マタ出産記,伊藤さん
妊娠4ヶ月ころのエコー写真。人の形になっていて、足も見えています。エコー写真を見ては、「本当に赤ちゃんがお腹にいるんだな」と実感していました。

【妊娠中期】フレンチで食事、旅行など、今のうちにできることを実行

体調

<止まらない食欲!>
つわりはほぼなくなっていましたが、食欲だけは健在だったため、朝ごはんを食べながら昼ごはんのことを考えるなど、かなり爆食していました(笑)。また、食べ物の嗜好が変わり、甘いものが大好きに! 毎日のスイーツが習慣化していました。

<精神的に少し不安定になってしまい……>
眠気や倦怠感がだんだん落ち着いてきたこともあり、体調面はとてもよかったです。お腹が少しずつ出てきて、赤ちゃんがいることをより一層実感する一方、「今回もダメだったらどうしよう」という思いにかられ、寝る前に悲しくなったり、赤ちゃんがダメになった夢を見て泣いて起きたりすることがしばしばありました。産院の健診が1ヶ月に一度だったことや、胎動を感じる時期が少し遅かったことも不安だったので、頻繁に産院に行っていました。

<足がつって目覚める毎日>
引き続きの頻尿に加え、朝方必ず足がつるようになってしまいました。産院に相談したところ鉄分不足とのことだったので、鉄剤を服用していましたがあまり効かず……。妊娠後期まで足はつり続けていました。

また、妊娠初期からお風呂上りの保湿を徹底していたにも関わらず、お腹に少しずつ妊娠線が見えてきたのを見つけたときは、ショックでした!

仕事

引き続きテレワークでの業務でした。上司以外のチームメンバーにも報告。3月いっぱいで産休・育休ということにしたので、少しずつ引継ぎの準備をスタート。かなり余裕をもって引継ぎをさせてもらったので、休み前の半月は業務が手離れし、むしろ暇になるくらいでした。上司や同僚にサポートしてもらい、ストレスなく産休を迎えることができました。

プライベート

何回目かの健診で性器が見え、おそらく男の子だと発覚。どちらかと言えば男の子がよかったので、心の中でガッツポーズをしていました!

プライベートでは、クリスマスに毎年行っているフランス料理屋さんで食事をしました。「子どもができたら、しばらくは行けないだろうから」と、いつもより高いコースを堪能しました。

また、コロナ禍ではありましたが、「産後は旅行もできないだろう」と思い、伊豆へ温泉旅行に行きました。2人だけで過ごす時間もあと少しなので、このころは積極的に遠出をしていた記憶があります。

初マタ出産記,伊藤さん
伊豆旅行でのひとコマ。途中立ち寄った大室山の頂上からの写真です。富士山を望むことができ、夫婦で安産祈願をしました。

【妊娠後期】赤ちゃんを迎える準備は万全…なのに産まれてこない!?

体調

つわりは完全になくなり、体調もよかったです。食欲は相変わらず旺盛で、妊娠後期に入りさらに体重が増加。お腹がより大きくなってきて、妊娠線が一気にできてしまいました。早めからケアしていたのでかなりショックが大きく……。お腹のかゆみがひどかったのも、とても辛かったです。

しかし、このころになると胎動が活発になってきて、お腹がぴょこぴょこ動く様子を夫と一緒に見るたびに、「早く会いたい!」という思いが強くなりました。

また、お腹が大きいためどの体勢で寝ても寝苦しく、また出産への不安などもあいまって昼間に仮眠を取るという生活を送っていました。

仕事

妊娠8カ月で産休に入りました。最終出社日には、部のメンバーがオンラインでの送別会を開いてくれました。後輩たちから「いつも頼りにしてました」「伊藤さんには何でも話せたので、いなくなって淋しいです」といった言葉をかけてもらい、意外と慕われていたのだな~と少し得意げに産休に入りました(笑)。

プライベート

<出産前にしておいてよかった、大掃除>
赤ちゃんが生まれてくる前は、家の大掃除に時間をかけました。赤ちゃん用の部屋が物置状態だったので掃除をしたり、背の高い家具などは別の部屋に移動したりしました。結構骨が折れましたが、産後ではできないことだったので、出産前にしておいてよかったと思っています。

また、いつ産気づいてもいいようにスーツケースに入院グッズを準備しておきました。産休に入る前は、「資格を取ろう」とか「保活をしよう」とか思っていましたが、「第一子の産休は、自分だけの時間が自由に使える最後の休暇だ!」と思い直し、毎日ゆったり過ごしていました。


<保険の加入・見直しをすることに>
出産前に夫とお金について話す機会があり、「今は銀行に預けていてもなかなか増えないので、どうせ貯蓄するなら将来的に少しでも多く戻ってくる方法で貯蓄しよう」という意見で一致しました。そのため、夫婦で店頭での保険相談サービスを利用して、子どもの学費貯蓄のためにドル建ての終身保険に加入し、ついでに夫婦の保険も見直しました。時間に余裕があり、いろいろと比較検討する時間があったので、こちらも産前にやっておいてよかったです。


<出産前に準備したもの>
●車の購入→「子どもができたら、いろんな場所に連れていきたい」と夫と話していたので、これを機に購入。産後も赤ちゃんを連れても行動範囲が広がったので、思い切って購入してよかったです。

●赤ちゃんグッズ→粉ミルク、哺乳瓶、消毒キット、おむつ、肌着、ロンパース、爪きり等。まわりからお下がりをたくさんもらったので、当初購入したものは必要最低限でした。

●赤ちゃん部屋の家具→赤ちゃんの服や備品を入れるため、子ども用の整理棚を購入。「いよいよ赤ちゃんを迎えるんだ」という気持ちが沸いてきました。


<出産のこと>
予定日が10日過ぎても前駆陣痛も起こらず、「本当に産まれるの?」と少し不安が募っていました。産院と相談し、計画入院し誘発剤で出産しようということになりました。心の準備ができたことと、自宅でお風呂に入った上で入院できたことがよかったです(産院にもよりますが、産後はすぐにお風呂には入れないため)。

入院後は誘発剤で陣痛を起こし、出産を迎えるという流れだったのですが、誘発剤でも子宮口がなかなか開きませんでした。1日半の誘発剤でも産まれる兆しがないので、「人工破膜」をして出産を進めましょうと看護師さんからの説明。その後、分娩台に移動させられましたが、この時点でこれ以上陣痛に耐え切れるメンタルではありませんでした。そこで、分娩台の上で先生に「もう帝王切開にしてください!」と泣いてお願いをしました。しかし、先生からは「あと少しで開いてきそうだから、下から産もうよ。ただ、無痛分娩に切り替えることもできるけど」という神の提案が! 二つ返事をして、無痛分娩で出産することになりました。

看護師さんが慌しく準備をしてくれている間も、数分おきにくる陣痛にひたすら耐えながら、麻酔が効いてくるのを待ちました。やっと麻酔が効いてきたあとは、文字通りの無痛! 最初から「これやっときゃ良かった~」と心の中で後悔(笑)! 数時間の陣痛のあと、無事出産をすることができました。

初マタ出産記,伊藤さん
無事退院し、初めての我が家。この日は親しい友人も集まってくれて、みんなでお祝いをしました。病院では全然寝ない子だったのに、退院したこの日は夜まで爆睡。早速おうちが気に入ってくれたのでしょうか^^

産まれたベビーは3,750gのビッグベビーで、看護師さんからも「これだけ大きいと、そりゃなかなか出てこないわ(笑)」という言葉が。ともあれ、元気に産まれてきてくれた我が子に、本当に感謝です!

急な無痛分娩に対応してくださった先生や、夫の立会いができなかった代わりに分娩台の横で私の携帯でずっと動画を撮影してくださっていた看護師さんにも感謝しかないです!

【産後】思い切って、産後1ヶ月で完ミに移行!

体調

<産後のお世話がこんなに辛いだなんて!>
産後すぐの体調は寝不足、抱っこによる腕の筋肉痛、会陰切開による会陰部の痛みが辛かったです。また、3時間おきの授乳、おむつ交換、寝かしつけ……。わかってはいたものの、こんなにしんどいとは思ってもいませんでした。産後半月くらいは、精神的にも肉体的にもボロボロだったと思います。特に睡眠が細切れで、まとまって眠れない取れないことが辛く、赤ちゃんが寝たらすぐ自分も寝るようにして、睡眠をむさぼっていました。

<体形について>
妊娠中は最終的に20キロも体重が増加してしましたが、産前旺盛だった食欲が一気に収まり、加えて赤ちゃんの世話で食欲よりも睡眠欲が勝っていたので、5~6キロは何もせずすぐに落ちました。今では、筋トレやヨガをやる時間も取れており、産後5ヶ月現在で、やっと産前の体重に近づいてきたところです。


<情緒不安定な毎日>
正直な話、産後半月くらいは赤ちゃんのことをかわいいと思えず、辛かったです。具体的には、毎日の世話で疲れきっていたことや、顔が人間らしくない(新生児はみんなそうなのでしょうが……)こと、また夫や母が抱っこすると泣き止むけれど私のときだけギャン泣きする、といったことが理由でした。

また、実家から手伝いに来てくれた母の言動にイライラしたり、夫に八つ当たりしたり、情緒不安定でした。しかし、生後1ヶ月経ったころ、赤ちゃんの表情がふと「自分に似ている!」と気付いたことがきっかけで、少しずつ赤ちゃんのことをかわいいと思えるようになりました。


<完ミにして、負担を軽減>
産後、おっぱいの出が悪かったため、生後1ヶ月で完全ミルクに切り替えました。これにより、自分の負担軽減に繋がり、育児を少しずつ楽しめる心の余裕が出てきたと思います。ミルクに完全移行するのは迷いましたが、おっぱいトラブルでストレスを抱える方がよくない、と割り切ることにしました。

生後すぐのメンタルとは打って変わって、今では我が子のことを食べちゃいたいくらいかわいいと思えています!

仕事

<同僚たちと交流してます!>
育休中の現在でも、私が採用した学生さんからお礼のメッセージをもらったり、後輩とオンライン飲み会をしたりと、頻繁ではありませんが仕事関係の人とも交流を続けています。ほぼ、育児だけの毎日なのでいい息抜きになっています!

<保活に関して>
出産が6月で、自治体への申込みが12月なので、産後に保活を始めても時間的な余裕があったのがラッキーでした。今は、申込みする保育園のピックアップや見学をしています。仕事復帰に関する漠然とした不安はありますが、今は目の前の我が子との時間を楽しみたいと思います!

プライベート

<お散歩を楽しんでいます>
産後1ヶ月を過ぎたあとから、少しずつ外出をし始めました。ベビーカーに乗せて近所の公園やスーパーに行っています。また、車にも慣れさせたかったので、チャイルドシートに乗せたおでかけも頻繁にしています。はじめはチャイルドシートに座るのもかなり嫌がっていましたが、今はだいぶ慣れてくれました。

生後3ヶ月ころに、はじめて家族3人で温泉旅行に行きました。長時間の車移動にも慣れてきてくれたようなので、年末は私の実家に車で帰省できたらいいなと思っています!

<周囲の協力にありがたみを感じる毎日>
夫は思った以上に協力的。赤ちゃんが生まれた当初、コロナの影響で夫の在宅勤務が多く、家にいてくれたことはとても助かりました。また、育児がきついときは素直に頼るようにしていたら、自発的に家事もしてくれるようになり、もっと早くから頼ればよかったと思っています。

また、同じマンションに同じ年の赤ちゃんを持つママが何人かいて、マンション内で立ち話をしたり、家族ぐるみで夕飯を食べたり、という交流もしています。同じ状況のママが近くにいるのは、とても心強いと感じています。


<家事に対する意識が変わった>
出産してから完璧主義をやめ、手抜きをするようになりました。家事も最低限、ごはんもレトルト食品、手間がかかる清掃は業者さんに依頼するなど、今までは、「自分でやらなきゃ」「完璧でなくては」と思い込んでいましたが、今では「自分でなくてもいいことはやらない」という考えに変化。それよりも、我が子と一緒にいる時間、自分の時間、家族の時間を楽しむことを大事にするという考えに変わりました!

初マタ出産記,伊藤さん
生後1ヶ月半、お宮参りでの記念写真です。顔もしっかりしてきて、あやすと笑うようになってきました。愛しさ爆発中です!

<産後、新たに購入したグッズ>
●授乳クッション→産院で使っていたのと同じものを購入。ミルクをあげるときや、私のお昼寝用のクッションとして使っています。

●バウンサー→生後4ヶ月くらいから寝返りをしだしたため、気が付くといろいろなところに転がっていて……。トイレなど、一瞬目を離すときの赤ちゃんの一時置き場所として、重宝しています。

●ベビーカー(AB型)→生後1ヶ月を過ぎてから積極的に赤ちゃんとおでかけをしているので、生後0ヶ月から長く使えるAB型のベビーカーを購入。高価なものなので、フリマアプリなどで買おうかと思いましたが、買う前に赤ちゃんを試乗させたかったので、ベビー用品の専門店に行き新品を買いました。毎日使っているので元は取れていると思います(笑)。


<出産前に準備していたけど、必要なかったもの>
●産褥ショーツ→産後、まったく使いませんでした。ショーツのつくり的に普通のショーツとして使うには使い勝手が悪いし、下着だから誰かに譲ることもできなくて……。もし購入するなら、最低限でいいと思います!

最後に、初マタのみなさんへ

初めての出産で、不安なことや戸惑いも大きいかと思います。もちろん私もそうでした。しかし、産んでしまえば嫌でもこれまでの生活は強制終了! 赤ちゃんとの生活が始まります。

そこでは、不安、戸惑い、イライラなど、体調不良も重なることでいろんな感情に向き合うことになると思います。しかし、結論から言えばなんとかなります! まずは、ひとりで抱え込まず、周囲に思いっきり助けてもらってください。産後は自分のことがおざなりになりがちですが、赤ちゃんと同じくらい自分の心と身体の健康を大事にしてください。しんどいときは、周囲の人に弱音を吐きながらサポートしてもらってください。

そして、余談ですが……。
私が加入している医療保険では、出産費用で10万円くらいの支給がありました!
誘発剤投与などが保証の対象になったようです。これから出産するママは、産後の明細を保険担当者に見せて保証の対象になるものがないか、ぜひ確認することをおすすめします。

最後に、みなさまが無事に元気な赤ちゃんをご出産されること、健やかなベビーとの生活をスタートされることを心からお祈りしています!

(文:伊藤さん、編集:マイナビ子育て編集部)

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