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2021年12月17日 15:00 更新

助産師解説|母乳パッドはいつまで使う? 必要なの?<体験談>

「母乳パッド」は、下着や服に母乳がもれないようブラジャーの内側に当てて使うアイテム。でもはじめての出産では、その必要性がいまいちピンとこないかも。ここでは、先輩ママに聞いた使用経験の有無や時期、助産師の坂田先生が解説する使用時のコツを紹介します。購入を迷っている人は参考にしてみてくださいね。

母乳パッドは使った?<ママアンケート>

授乳中の赤ちゃんとママ
Lazy dummy

先輩ママに、育児中、母乳パッドは使ったどうか聞きました。

<アンケート>母乳パッドは使った?

その結果、全体の70%近いママが「母乳パッドを使ったことがある」と回答しました。

母乳パッド使用の有無割合

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年12月6日~2021年12月14日 調査人数:88人(21歳~40歳以上の女性)
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

<アンケート>どのタイプを使った?

母乳パッドの種類

また、9割近くのママが選んでいたのは「使い捨てタイプ」の母乳パッドでした。

<体験談>使うようになったきっかけは?

母乳パッドって必要なの?

胸に手を置く女性

「母乳パッド」は、下着や服に母乳がもれ出ないようにおっぱいに当てて使う、パッド状のアイテムです。でも、最初はなかなか出ないことも多い母乳。もれるほど出ることはよくあるのでしょうか。

あったほうが便利かも!

赤ちゃんに母乳をあげる準備は、妊娠中から乳房で始まっています。

そして出産が済むと数日後には最初の母乳である「初乳」が分泌されます。初乳は、赤ちゃんの体を病気から守る(免疫)成分やビタミン・ミネラル・たんぱく質などが豊富でとても重要なものですが、その量は「ほんの少し」です。

最初は母乳の量が安定しない

その後、数週間かけて徐々に母乳の量は増えていきますが、それと同時に「赤ちゃんが欲しがるとき」に「赤ちゃんが必要とする量」の母乳を出せるようになっていきます。

ただ、この期間はまだ母乳の分泌が不安定なので、母乳が足りていないように感じる 人もいる一方で、母乳がたびたびもれ出て困るママもいます。これは分泌量が安定していないことのほか、赤ちゃんがまだ母乳を上手に飲めないせいで起こることもあります。

授乳中に反対側からもれることも

産後すぐから赤ちゃんが欲しがるタイミングで授乳していると、個人差はありますが、だいたい産後2ヶ月ごろにはママのおっぱいは赤ちゃんがその時必要とするちょうど良い量の母乳を分泌できるようになります。

でも、授乳時に反対側の乳首から母乳がもれ出ることはまだよくあるでしょう。授乳の際、赤ちゃんが乳首に吸い付くことが刺激となって、ママの脳は「プロラクチン」と「オキシトシン」というホルモンを分泌します。

プロラクチンは乳房に母乳を作らせる働き、オキシトシンは乳腺を収縮させ、乳首から母乳を排出させる役割があります。

これは授乳のたびに起こる自然な反応ですが、毎回赤ちゃんが吸いついていない側から母乳がもれると少し困ってしまいますね。


プロラクチン・オキシトシンの影響で、反対側からもれるのですが、人によっては母乳の分泌が安定した後に続く方も。

私の経験では、卒乳前のような時期であっても、
赤ちゃんがよく母乳を飲んでいて、母乳の産生が多い方では反対側からもれることもよくあるようです。

このように、母乳がもれ出ることはよく起こるので、母乳育児のママは母乳パッドがあると重宝します。

母乳はできるだけ早い時期から、赤ちゃんに吸ってもらうことで出るようになります。 そして、産後10日を過ぎるころから、赤ちゃんの飲んでくれる量によって、母乳の量が決まってきます。

ただ、母乳の量が安定してくるのは、人によって異なり、母乳がたくさん出すぎてしまって困るママも。
そんな時に、母乳パッドがあると便利ですね。

「使い捨てタイプ」と「洗えるタイプ」がある

母乳パッドにはおもに、生理用ナプキン同様に不織布と吸水ポリマーなどでできた「使い捨てタイプ」と、コットンなどの布でできた「繰り返し洗えるタイプ」があります。

「使い捨てタイプ」はお手入れの手間がなく便利ですが、1日に何回も交換が必要なことも多いのでその分コストがかかります

「洗えるタイプ」は洗濯すれば繰り返し使えて経済的なものの、毎回洗う必要があります。母乳の汚れは意外とガンコなので洗うのが面倒になることも

どちらにもメリットとデメリットがあるので、
自分にとって「心地良い」「楽だ」と感じる方を選ぶといいでしょう。

自分にとって必要なのか分からない、どちらが良いか迷う場合は、
最初はガーゼやタオルなどで代用し、必要ならば購入するようにするといいですね!

出産する病院によっては、母乳パッドを支給してくれることもあります。出産後に準備しても問題ないでしょう。

母乳パッドはいつからいつまで必要?

疑問のイメージ

母乳パッドは、だいたいいつからいつまで使うものなのかも気になりますね。

個人差が大きい。母乳の出に合わせて

前半で解説したように、産後すぐは母乳の分泌が安定しないことが多いものですが、なかなか出なくて困る人もいれば、出すぎて困る人もいます。ですから、母乳パッドを使うかどうかは母乳の出方に合わせればOK

とはいえ、だいたいいつごろ使う人が多いのか知りたい人のために、先輩ママに母乳パッドを使った時期についても聞きました。

<アンケート>使い始めた時期

母乳パッドを使い始めた時期

<アンケート>使うのを止めた時期

母乳パッドを使うのを止めた時期

使い始めは、出産直後からとそれ以降で半々くらい、止めた時期は乳児期後半から1歳代前半までの人が多い結果となりました。

使う場合は、産後すぐから使うことも多く、使いだした場合は卒乳近くまで使っていた人が多いようです。

母乳パッドは代用品でもいい?使うときの注意点

手洗いのイメージ

「母乳パッドを買うかどうか迷っている」「使い捨てタイプを切らした!」などの際は、急きょ、タオルやガーゼなどを代わりに使わざるえないこともありますよね。そんなとき注意したいことも解説します。

衛生面が保てれば代用品でもOK!

母乳パッドは、下着や服に母乳がもれるのを防ぐために使用するので、タオルやガーゼなどを使ってももちろん問題ありません。なかには生理用ナプキンで代用する人も。ただ、何を使うにしても気を付けたいのは「衛生面」

母乳パッドやタオル・ガーゼなどが濡れたままで長時間使用していると、雑菌が繁殖しやすくなります。

湿った環境では、真菌(カビ)などが繁殖しやすくなり、乳輪・乳頭に感染することも。

母乳パッド、タオル・ガーゼ、下着などは濡れたらこまめに交換することを忘れないでください。

注意点(1)|3~4時間ごとには交換を

使い捨てタイプの母乳パッドは、だいたい「3~4時間ごとの交換」が推奨されています。これを目安に、あまり長い時間、同じものをつけっぱなしにするのは控えましょう。

注意点(2)|汚れはきちんと落とそう

洗えるタイプの母乳パッドやタオル・ガーゼなどの場合は、母乳の汚れがきちんと落ちるよう洗濯するのが大切です。事前に製品の説明書をよく読み、推奨されている方法で洗濯してください。

「手洗い」を勧めている製品が多いので、すすぎの際は汚れが落ちるよう何度か水を替えて確かめましょう。

汚れ落ちが不十分だと、雑菌が繁殖して臭いが出たり、カビたりすることがあります。もし臭いが出たり、カビてしまったら新しいものに交換しましょう。

まとめ

はいはいしている赤ちゃんのイメージ

母乳パッドの必要性や使う時期、使う際の注意点などについて解説しました。母乳の出方は人によってさまざまなので、まずは様子見でタオルやハンカチ、ガーゼなどを代わりに使い、よく使いそうであれば購入するのでも大丈夫。

ただ、母乳パッドとして売られているものでも代用品でも、使用する際は衛生面に注意して、濡れたら交換し、長時間つけっぱなしにはしないようにしましょう。いつもきれいな母乳パッドで、ママも赤ちゃんも気持ちよく授乳できると良いですね。

(文:坂田陽子先生/構成:マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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