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2021年09月28日 17:15 更新

在宅勤務で夫婦不和? キャリア支援の現場で見た「夫婦関係が良くなった事例」に共通すること。 #岩橋ひかりのキャリアの引き算

ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。

今回のテーマは「家事分担」

岩橋ひかりさん

自宅で過ごす時間が増えるようになって、かれこれ1年半以上が経ちました。
リモートワークで、家で仕事をすることが日常になった方も、家族で過ごす時間が長くなった方も多くいらっしゃることかと思います。

在宅勤務だと、余計な通勤時間がかからないので、仕事・家事・育児にと常に時間に追われ寸暇を惜しむワーママとの相性は抜群。リモートワークの急激な普及に恩恵を受けたワーママの方も多いのでは?

ただ、在宅勤務が普及したことで、新たな課題が浮かび上がり、夫婦関係がぎくしゃくするようになった家庭が増えているのも事実。

「夫も在宅勤務なのに、なぜ私だけが昼ごはんの支度も片付けもしなきゃいけないの?」
「育休中なのに、夫が自宅にいるので昼食の時間を合わせなきゃいけなくて窮屈」
「子どもの宿題を見るのは変わらず自分ばかりで不満」

そんな悲痛の声をよく耳にします。

さて、この在宅勤務下の家事分担問題、どう対処するのが良いのでしょうか?

「平等に分担すべき幻想」を引き算せよ

夫婦共に在宅勤務という新たなライフスタイルが生まれたことで、働き方だけでなく、家事や育児の仕方も変化するのが当然。
リモートワークにより仕事の進め方や情報共有の仕方を変えていったように、家庭での家事の進め方や役割分担なども変えていく必要があります。

誰も経験をしたことがない状況で、何が正解なのかは誰も分からない中、皆が手探りで歩みを進めてきたこの1年強。キャリア支援の現場で、夫婦共に在宅勤務になったことで夫婦関係がより良くなった事例も、悪化した事例も多数見てきました。

夫婦関係がより良くなった事例に共通するのは、その夫婦が心地よいと思える着地点に落ち着いていること。

家事分担の問題は、コロナ以前から共働き夫婦のテーマでもありますが、当時より夫婦共に同等に家事負担すべきという考えに囚われ、苦しんでいる人も多いなと感じていました。
「お風呂掃除は5点、食事の準備は10点、ゴミ捨ては3点」など、家事にポイントをつけて、夫婦での家事分担を平等にする。そんな方法もあるようですが、これが合う方がいる一方で、逆に苦しくなってしまう場合もあります。

家事は夫婦で平等に分担すべき、男性も家事に参画すべき、そんな考え方が広がっていますが、私はそれぞれの夫婦らしいスタイルを追求するのが良いと考えています。人それぞれ、好きで得意な家事、苦手で不得意な家事は違いますし、アウトソースする方法だってあります。

自分たちらしい選択をするには、まずは夫婦で話し合うことから。
「夫が昼食の準備を何もしてくれない」と妻は強く不満を抱いている一方で、夫側はその不満に気づいていないことが結構あります。不満に気づかないどころか、「妻が昼食を作りたがっている」とまさかの勘違いをしている場合も。
夫婦と言えど、言葉にして伝えないことには伝わりませんし、一度伝えたからといって正確に伝わるとも限りません。

夫が家事に積極的な家庭を見て、「あの家は特別だから」と決めつけたらそれまで。
嫌々昼食作りをしているのであれば、本当は昼食を作りたくないことを伝えることからはじめてみてください。
夫に「昼食を作りたくない」と伝えたことで、夫が作るようになった夫婦もいれば、二人で外食することに決めたという夫婦もいます。

「自分が我慢すればいっか」と抑制するのは、身体にもよくありません。今だけの我慢のはずが1年強我慢し続けている、そんな方も多いのでは?

このコラムを目にしてくださったのもなにかのタイミング。
我慢をせず、またパートナーには我慢をさせず、お互いにとっての心地よい家事分担スタイルを追求してみてくださいね!

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