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2021年09月13日 16:05 更新

妊婦の朝ごはんNGパターン5つ|パン・シリアルのおすすめメニューは?【管理栄養士監修】

朝食をとる習慣は人それぞれですが、健康に気をつけたい妊娠中は朝ごはんのメニューに迷う人も多いのではないでしょうか。特にパンやシリアルメインだと手軽に済ませられる反面、一品料理になりがち。今回はNGな朝食例とパン派・シリアル派それぞれのバランスの良い組み合わせメニューを紹介します。

妊婦にありがち! 朝ごはんのNGパターン5つ

ヨーグルトだけで朝ごはんを済ませる妊婦

NG 1 朝時間がないから朝ごはんを食べない
朝食を抜いてしまうと脳のエネルギー不足が起こり、イライラや集中力不足などがおこります[*1]。また、身体を動かすエネルギーも不足してしまうので体がだるくなってしまったり元気が出ません。妊娠中に限らず1日を元気に過ごすためにも朝食をとる習慣をつけられるとよいですね。

NG 2 ダイエットのために朝食はヨーグルトだけ
妊娠中は体重管理が気になりますよね。望ましい体重増加はBMIなどによって異なりますが、ふつう体格の場合の推奨体重増加量は10~13kgとされています [*2]。妊娠期間中の体重増加はお母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のためのものなので、自己判断でのダイエットはお母さんと赤ちゃんの負担になってしまうこともあります。
ヨーグルトはさっと食べられて便利ですが、医師の指導など特別な体重管理が必要な場合でない限りは、ヨーグルトにフルーツやパン、シリアルなどをプラスしてバランスの良い食事を摂ることを意識できるとよいですね。

NG 3 朝ごはんは炭水化物を抜くと決めている
妊娠中は炭水化物を中心としたエネルギーが大切です。妊産婦のための食事バランスガイドでも主食である炭水化物は5~7つ(SV)とほかの食材と比べても多く摂取することが推奨されています。朝食は1日の原動力にもなるので、3回の食事でバランスよく摂れるとよいですね。

妊婦の朝食NGmatome

NG 4 コンビニのおにぎりや菓子パンで済ませる
コンビニのおにぎりや菓子パンは手軽でおいしく、種類も豊富ですよね。炭水化物が摂れるので朝食向きですが、脂質や糖分なども多いので気を付けたいですね。朝食をコンビニのおにぎりや菓子パンにした日は、昼食や夕食で野菜やたんぱく質を多めにするなど、1日のトータルでバランスがとれるよう調節できるとよいでしょう。

NG 5 健診の日は朝食を抜くようにしている
妊婦健診の日は体重測定などもあり、朝食を抜いてしまうこともあるかもしれません。検査の内容によっては朝食を摂らないようお医者様からの指示がある場合もありますが、指示がない場合は基本的に朝食を摂るようにしましょう。夏場など季節によっては熱中症や脱水の危険もあります。
また朝食を抜くと午前中の活動に必要なエネルギーが不足してしまい、体調を崩してしまうことも考えられます。健診に出かける際に体調不良を起こしてしまうとお母さんも赤ちゃんも心配なのでエネルギー・栄養補給のためにも朝食を摂れるとよいですね。

パン派の妊婦におすすめの朝ごはん

パンの朝食

準備も簡単なパン。妊娠期に必要な栄養を取るには、どんな組み合わせがよいのでしょうか。

妊娠中のパンの朝食:理想的な献立例 ポイント5つ

① 主食・主菜・副菜などを組み合わせて
理想的な献立例として、妊産婦のための食事バランスガイドを参考にまずは主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物を摂れるよう意識しましょう[*2]。
パンに組み合わせる食材として、卵や肉などのたんぱく質、サラダや具だくさんスープなどの野菜、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、バナナや季節の果物などが理想的です。

パン派の朝食例

② ジャムを塗るよりサンドイッチが◎
バランスの良い朝食といっても1品ずつ準備するのは大変ですよね。例えばジャムトースト1枚からサンドイッチに替えると、バランスが取りやすくなります。ハムとチーズとレタスや、ツナマヨネーズときゅうりなどちょっとした組み合わせでOK。ちょっと手間をかけられるときは目玉焼きとベーコンやサラダチキンとアボカドなどの組み合わせもおいしいですね。サンドイッチにすることで主食と主菜がいっぺんに摂れるので便利です。

③ オムレツやチーズを組み合わせる
卵料理も万能ですね。目玉焼きやスクランブルエッグ、茹で卵やオムレツなどバリエーションも豊富です。また、トマトや玉ねぎなどの野菜と合わせたオムレツもおすすめです。半熟の卵は食中毒の危険もあるので、妊娠中はしっかり加熱しましょう。
チーズも手軽な食材としておすすめです。スライスチーズをのせてトーストにしたり、野菜を合わせてピザトーストもよいですね。ただしモッツァレラチーズやカマンベールチーズ、リコッタチーズなど非加熱のナチュラルチーズはリステリア菌の感染の可能性がある[*3]ので、妊娠中は避けましょう。

④ パンの選び方もポイント
パンと一口に言っても、種類は様々あります。朝食に選ぶなら食パンなどのシンプルなパンがおすすめです。シンプルなパンなら味付けやほかの食材との組み合わせも考えやすく、バランスもとりやすいです。また、ライ麦パンや全粒粉パンは食物繊維やミネラルも含まれているので、栄養も豊富でバリエーションの一部として取り入れるのもいいですね。
シンプルなパンの中でも量や回数に気を付けたいのが、塩分の多いフランスパンと脂質の多いクロワッサン。組み合わせる食材によっては塩分の摂りすぎや脂質の摂りすぎになるので気を付けましょう。総菜パンや菓子パンは手軽でおいしく食べやすいですが、脂質や糖分が多いので選ぶ際には注意しましょう。
下記の記事も参考にしてみてください。
▶︎妊婦の食事におすすめのパンとNGのパン

⑤ パンは2枚まで(1食あたりの目安量)
妊産婦のための食事バランスガイドによると、1日の主食の目安量は妊娠初期・中期で5~7つ(SV)、妊娠末期で6~8つ(SV)とされています。1回の食事に換算すると妊娠初期・中期でおおよそ1.5~2つ(SV)、妊娠末期でおおよそ2~2.5つ(SV)になります[*2]。食パン1枚が1つ(SV)なので、1回の食事では食パン2枚くらいがよいでしょう。サンドイッチだとちょうど2枚で1回分になりますね。
※SVとはサービング(食事の提供量の単位)の略

シリアル派の妊婦におすすめの朝ごはん

シリアルの朝食

シリアルも準備は簡単ですね。シリアル派朝食もこれで栄養満点に!

妊娠中のパンの朝食:理想的な献立例 ポイント4つ

① シリアルだけじゃなく主菜・副菜なども食べる
シリアルにもいろいろな種類がありますが、組み合わせるならパン派同様、妊産婦のための食事バランスガイドを参考に主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物を摂れるよう意識しましょう。
シリアルを主食として考えると、他の組み合わせには主菜として卵や肉・豆類、副菜にサラダや具だくさんのスープ、乳製品はシリアルにかけてもいいですね。果物もあるといいですが、ドライフルーツ入りのグラノーラなどは果物も一緒に取ることができますね。

妊婦の朝ごはんのおすすめ

② 味付き・ドライフルーツ入りは量に注意
シリアルにはビタミン類などの栄養素も含まれており、不足しがちな栄養を手軽に補うことができます。また1食あたりの目安量も表記されているものが多いので、カロリーや栄養素などの量を調整しやすいですね。味付きのシリアルやドライフルーツ入りのグラノーラなどは糖分も多く含まれているので、種類によって食べる量を調節したいですね。

③ 牛乳やヨーグルトをかける
牛乳やヨーグルトをかけて食べると、食べやすさが増すのはもちろん、乳製品からの栄養も効率よく摂ることができます。1食あたり200mlの牛乳をかけることでカルシウム220mg[*4]も一緒に取ることができます。

④ スープやゆで卵、果物などをプラス
パン派と同様、シリアルだけでは摂り切れないたんぱく質などを補うため、スープやゆで卵をプラスするとよりバランスがよくなります。野菜とソーセージなどを入れたポトフや、卵スープなどもよいですね。果物は刻んでシリアルに混ぜたりしてもよいでしょう。

まとめ

朝ごはんを食べる妊婦

朝は時間のかからないメニュー、食べやすいメニューなどを選ぶことが多いですが、ゆで卵をストックしておいたり、具だくさんのスープを作り置きしたり、もちろん前の日の夕飯の残りでもちょっとした組み合わせでパン派もシリアル派も栄養バランスが格段に良くなります。
朝食を食べる習慣は妊娠中だけでなく産後も、赤ちゃんが離乳食を食べれるようになる時も、ずっと続けていきたい大切な習慣ですね。どうしても時間のないときは昼食、夕食でバランスが取れれば大丈夫です。毎日続くものなので、神経質になりすぎず、少しづつ続けられる範囲でバランスの良い組み合わせを意識できるとよいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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