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2022年01月07日 07:23 更新

初節句とは? いつ祝う? 男の子・女の子別に意味と祝い方を解説!

赤ちゃんが生まれて、はじめて迎える節句を「初節句(はつぜっく)」といいます。男の子なら5月の端午の節句、女の子なら3月の桃の節句ですね。楽しいお祝いにするために、一般的なお祝いの方法と内祝いに関するマナーを解説します。

初節句とは?

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赤ちゃんが初めて迎える節句が初節句。節句とは、中国の陰陽五行説をもとにして作られ、日本の風習にあわせて定着した季節の節目です。季節ごとに、それぞれの節句があります。

主な節句と初節句

季節ごとの節句は、それぞれ奇数月に割り当てられています。つぎの五つを「五節句」といいます。

1月7日 人日(じんじつ) 七草の節句
3月3日 上巳(じょうし) 桃の節句
5月5日 端午(たんご)  端午の節句
7月7日 七夕(たなばた) 七夕の節句
9月9日 重陽(ちょうよう)菊の節句

節句にはひとつひとつ意味があります。かつての日本人は、節句の日に神様に食べ物(供物)を供えて作物の豊穣や自身の健康を祈っていました。

赤ちゃんが生まれてはじめて迎える節句を「初節句」といいます。男の子なら、生まれてから最初に迎える5月5日端午の節句が初節句。女の子なら、生まれてから最初に迎える3月3日桃の節句が初節句になります。

男の子の初節句「端午の節句」

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端午の節句は5月5日。こどもの日という祝日になっていますが、もともとは男の子の節句の日です。

端午の節句の由来

端午の節句は、中国の古事にまつわる風習が日本に伝播したものだと考えられています。陰謀によって失脚し、河に身をなげて死んだ屈原(くつげん)という政治家の供養のため、ちまきを投げ入れたことがはじまりです。この風習が、病気や災厄を祓う端午の節句の行事になりました。

日本での歴史も古く、奈良時代にはすでに端午の節句に厄払いの行事がおこなわれていました。薬草である菖蒲(しょうぶ)を飾り、蓬(よもぎ)を配るなどしていたのです。

行事の意味は、世の中が武家社会に移行するにつれ、変化していきます。菖蒲と尚武の音が同じことから、武を重んじる日として盛んに祝われるようになりました。

江戸時代には、将軍家の男児誕生をのぼりを立てて祝うようになり、この風習が庶民に伝わるなかで、端午の節句が男の子の節句としてお祝いされるようになったのです。

お祝いは五月人形

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端午の節句には、五月人形を飾ってお祝いをします。武士が戦(いくさ)で身に着ける兜や鎧を飾り、厄除け・魔除けの神様である鍾馗(しょうき)の人形を飾ることもあります。力強い立派な男の子の象徴として、金太郎のお人形も人気です。

五月人形を飾る風習は、江戸時代に生まれたといわれています。身を守る鎧兜は、武家の男児のお祝いと健康祈念にふさわしいものですね。

ほかにも、滝を登って龍になるといわれる鯉のぼりを庭に立てます。もともとは、武家屋敷に家紋を染めたのぼりや吹き流しが飾られていたものを見て、庶民が真似をし、普及したと考えられています。

昔から、初節句で五月人形を用意するのは母方の実家という慣習があります。しかし、父が長男の場合は代々家に伝わる人形を譲られることも。現代ではあまりこだわる必要はないでしょう。

家族で楽しむ祝い膳

初節句では、家族でお祝いのお膳を囲みます。端午の節句に食べる伝統的な食べ物は、かしわ餅やちまきです。かしわ餅に使われるかしわの葉は、抗菌作用があります。ちまきは、中国の古事に由来します。

そのほか、出世魚であるぶり、成長が著しいタケノコなど、縁起のよい食べ物を用意します。初節句の赤ちゃんは実際には食べられないことがほとんどなので、箸をつけ、食べる真似をするだけの形式上のお膳になります。

女の子の初節句「桃の節句」

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女の子の初節句は、上巳(じょうし)の節句である3月3日。桃の節句です。

桃の節句の由来

桃の節句は、中国の行事と日本の思想が結びついて生まれたものだと考えられています。上巳とは、3月の最初の巳(み)の日をさします。

中国では、この日に水辺に集って宴会を開き、穢れ(けがれ)を祓う(はらう)禊(みそぎ)をおこないました。日本では、嫌な出来事やいさかいなどを「水に流す」といって忘れよう、なかったことにしよう、という考え方があります。この祓いの思想が、中国の行事と結びついたのです。

自身の穢れを紙などで作った人形(ひとがた)にうつし、水に流すという風習は、女の子の人形あそびに関連づけられ、上巳の節句が女の子の節句になりました。

桃の節句と呼ばれるのは、3月はじめに桃の花が咲くことが理由です。

お祝いは雛人形

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桃の節句には雛人形を飾ります。雛人形は、もともと穢れをうつして水に流していた人形と、女の子のあそび道具だった人形が原型です。

紙で作られ、河に流されていた人形がだんだんと立派なものになり、縁起物として飾られるようになりました。江戸時代には、段飾りのある現在の雛人形の形が確立されています。

初節句のお祝いとして母方の祖父が用意するのが通例ですが、さほどこだわる必要はありません。昨今の住宅事情により、段飾りのないショーケース入りの雛人形も好まれています。だれが買うのか、どのようなものを買うのか、それぞれのご家庭で相談しておくとよいでしょう。

華やかな祝い膳

桃の節句に食べる祝い膳は、華やかです。ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、白酒、ひし餅、ひなあられなどを食します。

はまぐりはそれぞれ形が違い、対になるのはひとつだけ。そのため、夫婦円満の象徴となっています。ひし餅は、繁殖力の旺盛な菱(ひし)をかたどったもの。縁起のよいものを食べて、女の子の健康を祈念するのです。

初節句で親戚への内祝いは必要?

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内祝いとは、本来、よろこばしい出来事があったとき、親しい人や親族にお祝い品を贈り、慶事のおすそ分けをするという習慣です。出産や結婚、家を新築したときなどにおこないます。子どもの初節句でも、内祝いは必要でしょうか。

感謝の気持ちを伝えよう

子どもの初節句は、とてもよろこばしい出来事ですが、よほど縁の深い人でない限り、突然贈りものが届くと戸惑う人も多いでしょう。

というのも、昨今の一般的な内祝いは「お祝いのお返し」という形で贈られることが多いからです。内祝いを贈られた側が「お祝いを贈らなかったけれどよいのかな」と感じてしまうおそれがあります。

そのため、初節句の内祝いは、お祝いをいただいた場合だけに限ることをおすすめします。送る場合も、かえって気を使わせないよう、金品ではなく、お祝い品のお人形の前で撮った写真に感謝の言葉を添える、程度のものがよいでしょう。また、家族の食事会に招待する、という方法もあります。

初節句の優先順位は?

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赤ちゃんが誕生すると、生後1ヶ月を目安におこなわれるお宮参り生後100日ごろにおこなわれるお食い初めなど、さまざまな行事があります。初節句と時期がかぶってしまいそうなときは、スケジュール設定に悩みますね。

お食い初めやお宮参りを優先して

初節句は、赤ちゃんが生まれてはじめて迎える節句ですが、節句の直前に出産した場合などは、無理にお祝いする必要はありません。お食い初めやお宮参りの行事を優先してください。生まれ月によっては、1歳をすぎてから初節句をお祝いすることはよくあることです。

赤ちゃんとお母さんの体調を考えて、無理のないスケジュールでお祝いをしてあげましょう。

まとめ

赤ちゃんの健やかな成長を祝い、今後の健康を祈念する初節句は、家族にとって楽しい行事です。お人形を飾ったり、記念写真を撮ったり、ご家族でよい時間を過ごせるよう、ゆっくり準備してあげてください。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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