【医師監修】胎動が弱いのは大丈夫? 減る原因と心配なときの対処法

【医師監修】胎動が弱いのは大丈夫? 減る原因と心配なときの対処法

胎動はお腹の赤ちゃんからのメッセージ。動きを感じて赤ちゃんの様子を想像できるだけでなく、定期的にあることで「元気だよ」ということを伝えてくれています。そんな胎動が弱くなったり減ったりしたときはどうすればいいのでしょうか。考えられる原因とともに対処法をお伝えします。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 浅野仁覚 先生
葵鍾会 ロイヤルベル クリニック勤務。福島県立医科大学、同大学院卒業後、社会保険二本松病院、南相馬市立総合病院産婦人科医長、福島県立医科大学附属病院総合周産期センター(母体・胎児部門)助教、東府中病院副院長、アルテミスウィメンズホスピタル院長を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、医学博士、J-MELSベーシックコースインストラクター。

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胎動は普通どのくらいの回数・強弱で感じるもの?

そもそも胎動は、どのくらいの回数・強弱で感じるのが普通なのでしょうか。

個人差が大きい

胎動の感じ方は個人差が大きいのが実情です。また、どういった要素からその差が出るのかもよくわかっていません。

なお、一般に「ママが太っていると胎動を感じにくい」といわれることがありますが、そんなことはないようです。海外の肥満の女性233人、BMIが正常な女性149人で調べた研究では、BMI30以上の肥満の女性とBMI25未満の普通体型の女性とで、胎動の強さや頻度に大きな違いは見られなかったことがわかっています[*1]。

「いつもの状態」を知っておくのが大事

胎動の感じ方は人それぞれなので、人と比べるのではなく、自分の赤ちゃんの「いつもの状態」と比べて「胎動が減った、弱くなった」といった変化がないかをチェックするのが大切です。

仕事などで忙しく動いている日中は、誰でも胎動を感じにくいもの。就寝前や食後などゆっくりできる時間に胎動を観察しておきましょう。のちほど紹介する「胎動カウント」も試してみてくださいね。

妊娠時期による胎動の感じ方の違い

妊娠時期によって胎動はどのように変わっていくのか、一般的にいわれている胎動の感じ方の変化を紹介します。個人差が大きいので、すべての人に当てはまるものではありません。違うこともあるかもしれませんが、胎動を観察する手がかりとして参考にしてみてください。

妊娠5・6ヶ月ごろ|胎動を感じ始める時期

実は、赤ちゃんはママが胎動を感じるようになるずっと前からお腹の中でさかんに動いていますが、まだ小さいうちはそれがママに伝わることはありません。胎動は妊娠20週ごろ、早い人では16週ごろに感じるようになります[*2]。妊娠5~6ヶ月には胎動を感じ始める人が多くなります。

感じ始めのころの胎動は「魚が泳ぐよう」「空気がはじけるよう」「ピクピク、ぐにゅっとする」などと表現されます。中には「腸のガスだと思った」という人も。「腸が活発に動くのに便意がないので胎動だと気づいた」という人もいます。

妊娠8ヶ月ごろ|胎動が強く・激しくなってくる

胎動は、赤ちゃんの成長に伴い強く激しくなっていきます。このころにはお腹を蹴っている「ドン」という胎動や、体を回転させることによる「ぐるん」という動き、またしゃっくりによる規則的な「ピクッピクッ」という動きなど、バリエーションも豊富に。ママ以外の人もお腹に手をあてることで胎動を感じられるようになります。

また、胎児に睡眠のリズムができはじめ、時間帯によって動きの多さに変動がみられるようになります。とくに、夕方から夜にかけて強い胎動を感じる人が多いです。

妊娠10ヶ月(臨月)ごろ|胎動がなくなるわけではない

このころになると睡眠のリズムがよりはっきりできてきて、30分ほど動いて20分ほど胎動がない、という状態が交互に起こるようになります[*3]。

出産が近づくと、赤ちゃんの頭は骨盤まで下がって固定されます。それによってお腹の中で動きにくくなるので、胎動が少し減ったり弱くなったと感じることがあります。それでも赤ちゃんが元気であれば、胎動自体がなくなることはありません。また、赤ちゃんの頭は陣痛が始まってから下がってくることもあり、この場合は分娩ギリギリまで胎動の変化はとくに起こらないでしょう。

つまり、注意したいのは「臨月だからといって必ず胎動が弱くなったりなくなったりするわけではない」ことです。それまで同様に胎動が起こっていれば問題ありませんが、急に弱くなったり感じられなくなったりしたら、赤ちゃんにトラブルがある場合も。臨月だからと自己判断せず、いつもと違うと感じたら産院に相談しましょう。

8ヶ月を過ぎたら「胎動カウント」を始めよう

胎動カウントにはいくつかやり方がありますが、ここではそのひとつを紹介します。

<胎動カウントのやり方>
1. 横になる
2. 胎動を10回数えて、それにかかった時間を測る

なお、一連の動作は1回として数えます。例えば「ぽこ、ぽこ、ぽこ」と連続してお腹を蹴ったときは、3回ではなく1回とします。「ぽこ……ぽこ……ぽこ……」と間隔が開いた場合は3回としてください。

臨月に入ると、10回数えるまでの時間が長くなる場合もあります。ただし「10回数えるのに1時間以上かかる」場合や「いつもよりずっと時間がかかる」といった場合は、かかりつけの産科に連絡を入れましょう。

胎動カウントが記録できるアプリも

胎動カウントが記録できるアプリもたくさんあります。胎動を感じたらタップするだけで簡単に胎動カウントを記録できます。測定結果をグラフや一覧にしてくれるので、変化もわかりやすくとらえることができます。

胎動カウントの記録機能付きアプリの例を紹介するので、ダウンロードしておくと便利です。

外部リンク:日本産科婦人科学会監修 お医者さんがつくった妊娠・出産のアプリ Babyプラス

胎動が弱かったり減ったりする原因は?

胎動が弱くなる、減るからといって、必ず赤ちゃんに異常があるわけではありません。その原因についても知っておきましょう。

お腹の中で寝ているのかも

お腹の赤ちゃんも、寝ているときは静かになり、胎動が弱くなったり減ったりするものです。赤ちゃんが寝ているタイミングで胎動カウントをすると、胎動が減ることもあります。

この場合は、ママが飲食をしたり、動きまわったり、お腹に話かける・やさしく叩くなどすると、反応してくれるかもしれません。少し時間をおいて、赤ちゃんの動きが活発になったタイミングでカウントし直してみましょう。

心配な理由があることも

心配な理由として、臍帯(へその緒)や胎盤に異常が起こり、赤ちゃんに影響が出ていることが考えられます。例えば臍帯が首に絡まって低酸素状態になっていたり、死産や脳性麻痺につながることもある「常位胎盤早期剥離(赤ちゃんが生まれる前に胎盤が子宮からはがれてしまうこと)」になっている可能性もあります。

「胎動が弱い?」いつもと違って心配なときは?

明らかに胎動が弱くなったなど、「いつもと違う」と感じたときは次の対処をしてください。

いつもと違うと思ったらすぐに産院に相談

「胎動が急に弱くなった、少なくなった、なくなった」と自覚できる場合は、すぐにかかりつけの産院に相談して、早めに受診を。

胎児の心拍数を確認する「NST(ノンストレステスト)」などで、赤ちゃんが元気かどうか確認することができます。もし何らかの異常があったとしても、すぐに対応することで赤ちゃんの命を助けられる場合があります。夕方で診療時間外だったとしても、翌日の朝まで待つのではなくすぐに相談するようにしてください。

他の症状があるときも急いで相談

胎動の異変に加えて、お腹の張り、腹痛、出血などほかの症状も見られる場合は「常位胎盤早期剥離」のような緊急事態の可能性も。急いで産院に連絡して指示を受けましょう。

まとめ

今まで元気に動いていた赤ちゃんの胎動が弱くなると、ママは心配になりますね。赤ちゃんが寝ているときや臨月に入って頭が骨盤まで下がったときなど、異常がなくても胎動が弱くなることもありますが、赤ちゃんに問題が起こっているサインの場合があることも忘れないでください。
胎動の感じ方には個人差があるため、具体的な数字だけでなくママ自身がどう感じるかも重要です。いつもと違う感じがして心配になったら、早めに産院に相談するか受診をしましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:浅野仁覚 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]ScienceDirect『Maternally perceived fetal movement patterns: The influence of body mass index』
[*2]公益財団法人母子衛生研究会 『赤ちゃん & 子育てインフォ』
[*3]目で見る妊娠と出産

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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