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2021年12月21日 16:44 更新

チャイルドシートは助手席に取り付けてもOK? リスクと注意点を解説

運転中に子どもの様子を確認するには、助手席にチャイルドシートがあるほうが便利ですよね。でも、チャイルドシートは後部座席につけるほうがいいんです。理由は、そのほうが安全だから。助手席チャイルドシートの危険性と、どうしても助手席につける必要がある場合の注意点について解説します。

助手席にチャイルドシートは法律違反?

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チャイルドシートを使用せずに6歳未満の子どもを乗せて運転すると、道路交通法違反となります[*1]。しかし、取り付ける場所については決まりがなく、助手席に付けても違反にはなりません。

ただし、多くの国産車のサンバイザーや天井には、チャイルドシートに関する警告ラベルが貼られており、後部座席への取り付けが望ましいとされています。

警察庁・JAF合同調査の「チャイルドシート使用状況調査(2019年調査結果)」[*2]によると、チャイルドシートを使用している家庭のうち、後部座席に取り付けている方の割合は82.1%でした。一方、助手席に取り付けている方の割合は17.9%です。

約8割の方が後部座席に取り付けており、助手席に取り付けている方は少数派です。

助手席にチャイルドシートを設置すると危険?

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助手席にチャイルドシートを取り付けるのは、安全上の理由からおすすめできません。ここでは、なぜ助手席にチャイルドシートを取り付けると危険なのか解説します。

エアバッグが作動すると子どもが危ない!

車の助手席にはエアバッグが取り付けられており、交通事故が発生したときは、勢いよく膨らんで搭乗者を保護してくれます。しかし、チャイルドシートを取り付けている場合は、エアバッグの衝撃によってチャイルドシートが飛ばされ、子どもがケガをする可能性があります。

チャイルドシートが飛ばされなくても、エアバッグの衝撃は強いため、子どもがケガをしたり窒息したりする恐れがあります。

エアバッグはあくまで大人の安全のために作られており、子どもにとっては、エアバッグ自体がケガの元になってしまうことがあるのです。

助手席はケガをしやすい

そもそも、どうして助手席にエアバッグが備えられているかというと、助手席は危険が大きいから。

走行中、万が一のことがあると、運転手はとっさに身を守ろうとハンドルを切ります。すると、助手席に座っている方はケガをしやすい状況になってしまうのです。また、交通事故は右折時に発生しやすく、車の左側から衝突されると助手席の方の被害が大きくなります。

助手席にチャイルドシートを取り付けると、運転席にいても子どもの様子を観察しやすいというメリットもありますが、命や安全より重要な理由にはなりません。チャイルドシートは、できるだけ後部座席に取り付けましょう。

助手席にチャイルドシートを取り付ける場合の注意点

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助手席にチャイルドシートを取り付けるのは危険と言われても、子どもの人数や家族構成、車の大きさなどによって、どうしても助手席に付けざるをえないということもあるでしょう。そこで、助手席にチャイルドシートを取り付けるときの注意点をご説明します。

座席をできるだけ後ろに下げる

エアバッグが作動したとき、子どもが挟まれてしまわないよう、座席をできるだけ後ろに下げてください。十分なスペースがあれば、万一エアバッグが作動しても、衝撃を抑えられます。

助手席に設置するのは前向きのチャイルドシートに

後ろ向きのチャイルドシートを使うと、エアバッグが子どもの背面にあたってシートと座席の間に挟まれてしまいます。助手席には、前向きのチャイルドシートを設置してください。

とはいっても、体重10kg(身長70cm、新生児~1歳くらい)までの赤ちゃんには、安全のため後ろ向きで使用する乳児用チャイルドシートを使うことになっています[*3]。やむを得ず助手席にチャイルドシートを取り付ける場合も、体重10kgを超えて幼児用チャイルドシートを前向きで使えるようになってからにしましょう。

可能ならエアバッグ機能を停止

車種によって、エアバッグ機能を停止できる場合があります。車の取扱説明書を確認し、停止できる場合は停止しましょう。国産車では、停止機能が付いていないことが多いですが、外車にはついていることがあります。

まとめ

チャイルドシートの助手席への取り付けは安全上おすすめできません。交通事故発生は、エアバッグが作動してチャイルドシートが飛ばされたり、子どもが挟まったりしてケガをしてしまう危険性があります。

どうしても取り付けたい場合は、座席を後ろに下げ、前向きのチャイルドシートを使いましょう。エアバッグ機能を停止できる車種なら、作動しないよう設定してください。

特別な理由がない限り、チャイルドシートは後部座席への取り付けが望ましいです。ぜひ子どもの安全を考慮して設置してください。

参考文献
[*1]道路交通法第71条の3第3項。警察庁 子供を守るチャイルドシート
[*2]警察庁・日本自動車連盟(JAF) チャイルドシート使用状況全国調査(2019)
[*3]国土交通省 自動車総合安全情報 チャイルドシートの種類
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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