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2021年12月22日 21:20 更新

遊び食べの悩みに|意味や対処法を知って子どもの成長を見守りましょう【管理栄養士監修】

食事についての悩みはいろいろありますが、遊び食べに頭を抱えるパパやママは多いでしょう。子どもの気持ちを尊重してあげたい反面、食べ残しや片付けの日々が続くのもつらいものです。発達における遊び食べの意味や対処法を知って、遊び食べのストレスを軽くしましょう。

遊び食べとは?いつから始まる?

レタスを食べる子ども

乳幼児期に見られる「遊び食べ」。どういったものであり、何歳ごろに始まるものなのでしょうか?

遊び食べは大切な成長過程

乳幼児は手で触ったり口に入れたりして身体を使いながら、目の前にあるものが何なのかを学んでいきます。遊び食べと言われる行動も食べ物への興味・関心が高まってきたことで現われてくるものです。

大人から見ると、子どもは食べ物をぐちゃぐちゃにして遊んでいるように見えますよね。しかし子どもの立場からすると、「これは何だ?」「べたべたするなぁ」「バラバラになった!」「ちゃぷちゃぷ音がする!」「落ちた」など、好奇心を満たすための探索行動の一部にほかなりません。大切な成長過程なのです。

遊び食べで見られる行動

遊び食べで見られる行動はさまざまですが、たとえば次のようなものがあります。

<食べ物に対する行動>
●とにかく手で触ってみる
●つぶす・握りつぶす・たたく
●振り回す・投げる・落とす
●手で混ぜる

<食べ物に対する以外の行動>
●食事の途中で立ち上がる・歩き出す
●食器をひっくり返す

1歳過ぎ~3歳前後の間に現れやすい

遊び食べがいつから始まるかということに基準はありませんが、だいたいの目安が気になりますよね。2~3歳未満の子どもを持つ家庭の約40%が「遊び食べに困っている」という調査結果があります[*1]。また、1歳後半ごろになると周りの物に関心を持ち始め、いろいろな物を触って遊びたがるようになります[*2]。このことから、1歳過ぎから3歳になるころの間に遊び食べが現れやすいと考えられるでしょう。

遊び食べはいつまで続く?

パスタを指にはめて遊ぶ子どもの手

では、遊び食べがいつごろまでに終わるものなのかは、どうなのでしょうか?

遊び食べが終わる時期も基準はない

ハイハイが始まるのが早い赤ちゃん、歩きはじめがゆっくりな赤ちゃん、歯が生えるのが遅い赤ちゃんなど、子どもの成長や発達は個人差が大きいものです。毎日少しずついろんなことを学びながら成長していきます。

食べ方の発達も同じように個人差があり、一人ひとりで異なります。したがって、〇歳になればスプーンを使えるようになる、〇歳までに遊び食べをやめるようになるなどの基準はありません。

遊び食べをしない子もいる

食に対する意欲がある子や手先が器用な子は、比較的食べる動作を獲得するのが早く食事に集中できるため、遊び食べをしないこともあります。また、手が汚れるのが嫌な子は手づかみ食べをせず、食具を使って何とか食べようとすることもあります。「うちの子は遊び食べがないけど大丈夫?」と逆に心配になる方もいるかもしれませんが、必ず遊び食べをするわけではないので、安心してくださいね。

遊び食べをする子どもへの向き合い方

遊び食べ 幼児

大人は「食事の時間は遊んではいけない」と考えるので、つい遊び食べをやめさせたくなりますが、ゆっくり見守ることが大切です。

焦らずに見守る

遊び食べも子どもの成長・発達の一部として焦らずに見守る気持ちの余裕が持てるとよいでしょう。ネガティブな気持ちを切り替えるために、できるようになったことに目を向けてみてください。

日々の積み重ねで少しずつ子どもは成長しています。「手づかみで口に運べるようになった」「スプーンを口に運べた」「コップで飲めるようになった」「皿をひっくり返さなくなった」など、小さな「できた」を見つけていきましょう。

子どもの「自分で食べたい気持ち」を尊重する

何でもかんでも手づかみで食べようとしたり、口に入る直前で落としてしまったり、全部こぼれていたりすると、見ている方はもどかしくなりますよね。「汚れると大変だから……」と大人が食べさせてあげたくもなってしまうでしょう。

しかし、なるべく子どもに自分で食べる経験をさせてあげることも大切です。「自分で!自分で!」とやりたがったり、大人の行動を真似たりするようになるのもこの時期ならではのこと。自分で食べたい気持ちを尊重してあげるようにしましょう。失敗を重ねることで工夫をし、徐々にうまく食べることができるようになっていきます。

遊び食べを怒る必要はない

探索行動が活発な時期にあり、食器と食べ物の区別もあいまいな子どもにとって、すべてを触って確かめてみたくなるのは当たり前の行動です。しつけやマナーの問題ではないので、怒る必要はありません。

遊び食べの対処法|子どもへの接し方

子どもの食事を見ている母親

成長・発達過程の一部と理解しても、毎日の食事で遊び食べが続くとパパやママやたちも大変ですよね。遊び食べの対処法はあるのでしょうか。まずは子どもへの接し方のコツをご紹介します。

1.危険な場合はダメな理由をきちんと話す

怒る必要はない、成長過程の一部として見守るとお話ししましたが、危険が伴う場合や何度も何度も同じことをする場合は子どもに教えなければなりません。そのときには理由をきちんと伝えましょう。

「ダメ」「いけません」と一言で済ませても、子どもには理解できません。「こぼしたらあっちっちだから(やけどするから)やめようね」「食べ物は落としたら食べられなくなっちゃうよ」など、具体的に伝えることで次第に理解していきます。

2.表情を使って視覚的に伝える

子どもは大人の表情をよく見ています。いいことや悪いことを表情で示してあげるのもよいでしょう。

たとえば、上手に食べられたときにはニコニコ笑顔で声かけをする、食べ物を投げたり落としたりしたときはぷんぷん怒った顔をする、ぐちゃぐちゃ、ぐるぐる混ぜてしまったときはしくしく悲しい顔をするなどによって、視覚的にものごとの良し悪しを理解することができます。

3.食事しないときは片づける

1、2歳児の集中力は長く続きません。30分以上遊んでいたり、集中力が切れた様子なら食事を片づけてかまいません[*3]。まだ食べるようなら続けてもよいですが、食事の時間もメリハリが大切です。

また、ご飯を用意してもなかなか食べてくれない場合もあるでしょう。もしかしたらおやつの食べすぎでお腹がいっぱいなのかもしれません。子どもの食欲や集中力は空腹の具合によっても変わってきます。おやつの時間や量も気をつけるとよいでしょう。

遊び食べの対処法|環境の整え方

幼児の食事 床に散らばったごはん

遊び食べが強く現れる場合、子どもの食事環境を整えてあげることもとても大切です。そのポイントをご紹介します。

1.食事に集中できる空間を作る

子どもが食事に集中できるような空間を作ってあげましょう。

●テレビやYouTubeなどは消す
●おもちゃを片付ける

身の回りのものすべてに興味関心がある時期なので、視界に入るものすべてが気になってしまい、食事に集中できないこともあります。

●子どもの身体に合った椅子やテーブルを使う
椅子やテーブルのサイズが子どもの身体の大きさに合っていないと、食事に集中できなかったり、食べにくかったりすることもあります。

また、大人が一緒に食べることでも、食事の時間を理解することにつながりますよ。

2.手づかみで食べるメニューを加える

食具を使って自分で食べることができないために、手を使ってぐちゃぐちゃしたり、混ぜ続けたりという行動が始まってしまったりします。そんなときは、手づかみで食べるメニューを取り入れてみてください。「自分で食べることができた!」という満足感を得ることができると、食欲や集中力のアップにもつながりやすいでしょう。

3.食器やマットを工夫する

子どもが使う食器やマットの選び方でも、食事しやすい環境にすることができます。

●深めの皿
子どもの手首は使っていくことで発達していきますが、スプーンですくって口に運ぶのはなかなか高度な技術です。平皿やランチプレートなど浅い皿はスプーンですくいにくい場合があります。深めの皿だと皿の縁にスプーンをあてられるのですくいやすいですよ。

●滑り止めランチョンマット
利き手で食具、反対の手で皿を押さえるというのもなかなか難しい行為です。スプーンで食べ物をすくうことに集中するあまり、皿が逃げて床へ落ちていった……という経験のある人も多いのではないでしょうか。滑り止めランチョンマットでお皿を安定させるとよいですよ。マットとお皿が一体化した製品もあるので、試してみてください。

4.汚れ防止のエプロンやシートを使う

周りが汚れても気にならないようにグッズを活用するのも1つですね。

●エプロンを使い分ける
洋服が汚れてもいいように子どもにエプロンをつけることは多いと思いますが、エプロンにも長袖タイプやポケットがついたもの、素材も防水のものやシリコン素材など、さまざまなタイプがあります。メニューや用途に合わせて使い分けると、洗濯物や片付けのときに少し楽ができるでしょう。

汁物が多いとき:長袖・ポケット付きタイプがおすすめ。ポケットは深めで軟らかいビニール製のものがよいです。
固形物が食べにくそうなとき:シリコンなどの硬い素材でポケット付きタイプがおすすめ。ポケットがしっかりしていて大きいものを選びましょう。赤ちゃんが手を入れてそこから食べたりもします。

●床にシートや新聞紙を敷いておく
また、洋服やテーブルの上だけでなく、椅子や床などに汚れが及ぶこともあります。汁物がこぼれても椅子や床が汚れないよう、レジャーシートなどを敷いたり、新聞紙や広告など紙類を敷いておくのがおすすめです。多少の水分を吸ってくれるので汚れが広がらずに済み、片付けもしやすくなりますよ。

まとめ

いただきますをする親子

遊び食べによる食べムラや後片付けなどに頭を悩ませることも多いですが、遊び食べも立派な成長の証。ぐちゃぐちゃに混ざったおかずとご飯粒にまみれた床を見ると、「いったいいつまで続くの……」とぐったりしまうこともあると思いますが、一生懸命学びながら成長する子どもを見守り、親子で楽しい食事時間を過ごしていきたいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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