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2021年12月16日 17:00 更新

いよいよ離乳食初日!初めの1さじはどうすればいい?注意点も解説【管理栄養士監修】

生後5、6ヶ月になると、離乳食をそろそろ始めようと思うご家庭も多いと思います。第一子であれば、赤ちゃんだけでなく親にとってもすべてが初めてのことで、ドキドキですよね。それこそ離乳食の初日はどうすればいいのか、不安に思うのではないでしょうか。今回は離乳食初日を迎えるご家庭に役立つ情報をお伝えします。

離乳食の初日はいつごろ?

初めての離乳食

離乳食を始めるタイミングにおいては、赤ちゃんのさまざまな発達状態を見ていく必要があります。初日をいつにするか、どのように判断すればよいのでしょうか。

月齢の目安は5、6ヶ月

離乳食が始められる赤ちゃんの発達状況の目安として、以下のことが挙げられます[*1]。

■首のすわりがしっかりして寝返りができる
■5秒以上座ることができる
■スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射※の減弱)
■食べ物に興味を示す

これらが全てできるようになる月齢は5~6ヶ月と言われていますが、赤ちゃんの発育および発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安にすぎません。赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。上に挙げた目安以外でも、ときには大人が食事をする様子を見た赤ちゃんがよだれを出していることが「食べたがっているサイン」になっている場合もあります。

ただし、赤ちゃんの体格がいくらよくても5ヶ月より前に離乳食を開始することはやめましょう。胃腸などの消化器官が未発達なため身体に負担がかかってしまいます。

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※哺乳反射とは:赤ちゃんが生まれつき持っている哺乳に関する反射で、唇の周りなどに何かが触れるとそちらに顔を向けて口を開く(探索反射)、くちびると舌を使って乳首を口の中に捕らえる(口唇反射)、くちびるに乳首が入ると吸う(吸啜反射)などがある。

離乳食初日のポイント

シリコンビブ

いよいよ離乳食初日というとき、どのようなことに気をつけて赤ちゃんに最初の離乳食を与えるとよいのでしょうか。

1.食べさせるもの|つぶしがゆ小さじ1程度から

初めて与える離乳食はどういったものかというと、「なめらかにすりつぶした状態の食べ物」になります。日本では主食であるお米(おかゆ)から始めるのが一般的です。離乳食初日は、おかゆを裏ごしてすりつぶした「つぶしがゆ」を与えます。10倍がゆである必要はなく、大切なのはヨーグルト状にボタボタっと落ちるくらいのかたさにすることです。

赤ちゃんの様子を見ながら、1日1回、小さじ1程度を少しずつから開始しましょう。

関連記事▶離乳食の基本「おかゆ」の作り方|つぶしがゆ~5倍がゆ

つぶしがゆ
 おかゆの温度には注意して

おかゆは粘度が高いためとても冷めにくい料理です。赤ちゃんに熱いおかゆを与えないよう、必ず温度に注意しましょう。赤ちゃんがやけどをしないためにも、人肌まで冷めたかを必ず確認して与えます。

 母乳やミルクはまだまだ必要

なお、離乳食が始まるといってもこの時期はまだ、母乳・育児用ミルクが栄養摂取のメインです。授乳のリズムに沿って子どもが欲するまま与えます。

もし、おかゆを好まないようなら、じゃがいもや野菜類で始めても大丈夫です。必ずおかゆから始めなければならないというわけではないので、安心してくださいね。

2.スプーン|プラスチックやシリコン製のもの

赤ちゃんに使うスプーンは熱が伝わりにくい素材のものにすることも大切なポイントです。金属のものは熱くなったり冷たくなったりしやすく、初めてスプーンを口にする赤ちゃんはスプーンの温度変化でびっくりしてしまうこともあります。この時期の離乳食には、プラスチックやシリコン製などの温度が伝わりにくいスプーンをおすすめします。

また、食べ物をのせる部分が深くないこともポイント。スープに使うようなタイプだと赤ちゃんは食べるのが難しいので、ヘラに近いような浅いものがいいでしょう。

3.食べさせ方|スプーンを突き出さない

初めて赤ちゃんに食べさせるときは、スプーンの使い方を迷う方もいるかと思います。ポイントはスプーンを突き出すのではなく、赤ちゃんが目の前にスプーンのあることがわかる程度に出すことです。

「スプーンで食べさせる」という意識が強いとスプーンをぐいぐい出してしまいがちですが、そうではなく、赤ちゃんの方が少し首を伸ばして自分から食べようとするぐらいがちょうどよいでしょう。そうすると、赤ちゃんが自分で食べるという意識を持つことにもつながりますよ。

4.あるとよいもの|エプロンやタオル

離乳食の初日までに用意しておきたいのが赤ちゃん用のエプロンやタオルです。

離乳初期は食べ物を飲み込むことや、食べ物の舌ざわり・味に慣れることが目的です。この時期の赤ちゃんは、生まれて初めてさまざまな味や食感の食べ物を口に取り入れる経験をしています。そのため、食べ物をベーっと吐き出すことはよくあることです。離乳食をあげる際にエプロンやタオルを赤ちゃんの胸元にかけたりしておくと、離乳食後の片づけがスムーズに行えます。

5.気の持ち方|食べなくても焦らない

離乳食デビューの日にしようと試してみても、必ずしもそのときに赤ちゃんが食べてくれるとは限りません。初めて経験するおかゆやスプーンを嫌がり食べないこともあります。そういう場合は日を改めて再びチャレンジしましょう。

また、離乳食がスタートしてからも、日によっては赤ちゃんが離乳食を食べないことがあるかもしれませんが、悲観的になる必要はありません。赤ちゃんの機嫌のよいときに少しずつ進めていきましょう。

離乳食初日以降の進め方

離乳食 おかゆ 野菜

初日を無事に迎えたあとは、赤ちゃんが飲み込むことに慣れてきたのを見ながら、ステップアップしていきます。離乳食を始めたころの進め方のポイントを簡単にまとめました。

少しずつ与える量を増やす

おかゆを飲み込むことに慣れてきたら、赤ちゃんの様子を確認しながら少しずつ1回量を増やします。また、離乳の進行に応じて、食品の種類も増やしていきましょう。赤ちゃんの状況に応じて離乳食の内容や量を判断していくことが大切です。

関連記事▶離乳食はいつから、どう始める?知っておきたい基本のポイントまとめ
関連記事▶離乳食初期(生後5〜6ヶ月)の基本を解説!よくある悩み・疑問も

野菜や豆腐、白身魚を徐々に追加する

おかゆの次には、じゃがいもやにんじんなどのクセがなく食べやすい野菜を試します。さらに野菜にも慣れたら豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄などのタンパク質源となる食品も増やしていきましょう。離乳食が進むにつれ、魚は白身魚から赤身魚、青魚へ、卵は卵黄から全卵へと進めていきます。

関連記事▶離乳食の野菜はいつから?何から?おすすめの順番・進め方と調理テク
関連記事▶離乳食のタンパク質の適正量、注意点、おすすめ食材も!

初めての食材は平日がベター

初めて与える食材は食物アレルギーがある可能性も考え、赤ちゃんの体調がよい日に少量から与えます。異常が現れた際に小児科をすぐに受診できるように、できる限り平日の午前中に食べさせることが理想です。

特にアレルギーの出る心配のある卵、乳、小麦などを初めて与えるときはよく注意しましょう。また、赤ちゃんにまだ試していないときにも、家族が食べる料理に入っているかどうかに意識を向け、赤ちゃんに使うスプーンや食器などにつかないように配慮できるといいですね。

お子さんに食物アレルギーのある場合には特に食品の扱いに注意し、市販品を与える際には必ず原材料表示を確認してください。

NG食材にくれぐれも注意する

はちみつは乳児ボツリヌス症を引き起こすリスクがあるため、1歳を過ぎるまでは絶対に与えないようにしましょう。最近でははちみつの入った食パンも増えていますが、ボツリヌス菌は熱に強いため、はちみつそのものだけでなく、はちみつの入った食べ物も避ける必要があります。必ず原材料にはちみつが入っていないか確認することが大切です。

また、離乳の開始前に果汁を与えるという話を聞いたことのある人もいるかもしれませんが、離乳食前に果汁やイオン飲料を与える必要はありません。

まとめ

離乳食を食べる赤ちゃん

初めての離乳食に戸惑うのは親も赤ちゃんも同じです。最初は離乳食を嫌がったり、食べなかったりといろいろな日があります。焦らずに赤ちゃんを見守りましょう。何度か離乳食を試すと次第にごっくんが上手にできる日が来ます。「食べることが楽しい」と赤ちゃんが思ってくれるような食卓の雰囲気づくりをすることも、この時期にはとても大切なことです。おおらかな気持ちで取り組んでいきましょう。

(文:茅野陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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