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2021年07月17日 14:00 更新

【2021年7月】絵本のプロが選ぶ 0~3歳年齢別おすすめ3冊「はなび ドーン」ほか

東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。

0歳向け

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【写真左】『ぞうさん』(詩:まど・みちお、絵:にしまき かやこ/こぐま社)

「♪ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね~」
童謡でもおなじみのまど・みちおさんの詩「ぞうさん」に、絵本『わたしのワンピース』(こぐま社)でおなじみのにしまきかやこさんが絵をつけた一冊。

「おはなが ながいのね」と言われた子ゾウが、「かあさんもながいのよ」とうれしそうに答える場面が思い浮かびます。メロディーにのせて歌って楽しむのはもちろん、詩をじっくり読むのもおすすめです。子ゾウと小鳥がじゃれあう、にしまきさんのかわいらしい絵もお楽しみください。

【写真中】『あっ!』(作:中川 ひろたか、絵:柳原 良平/金の星社)

「あっ!」と何かを見つけた子どもの視線の先には車。「ぶっぶー!」車に乗って出発です。次に「あっ!」と指差したのは電車。さらに船や飛行機にも乗ります。

子どもたちの好きな乗り物が次々と登場する、初めての乗り物絵本にぴったりな一冊です。「あっ!」という言葉や指差しなど、音や視線で次のページへとスムーズに流れていく工夫が凝らされています。絵は、イラストレーターの柳原良平さん。柳原さんは、サントリーのウイスキー「トリス」のキャラクター「アンクルトリス」の産みの親で、無類の船好きとしても有名です。シンプルながら迫力のある乗り物たちの絵にご注目ください!

【写真右】『だれのなきごえかな?』(文・絵:ディック・ブルーナ、訳:まつおか きょうこ/福音館書店)

「こっこっこっ」と鳴くのは、めんどりさん。「こけこっこー」は、おんどりさん。「ぶぅぶぅぶぅ」と鳴くのはぶたさんで、「もぉ~ぅ」と鳴くのはめうしさん。次はだれのなきごえかな?

ミッフィーの作者、ディック・ブルーナの絵本のなかでも小さい赤ちゃんにおすすめなのが、こちらの絵本。動物の絵とともに、動物の個性的な鳴き声が描かれています。この絵本のよいところはなんといってもテンポのよさ! 動物を淡々と紹介する図鑑などとは違い、リズムを感じながら最後まで楽しく読めてしまいます。絵だけでなく、声に出して読んだときの心地よさもぜひ感じてみてくださいね。

1歳向け

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【写真左】『おまめちゃん』(作:ひろかわ さえこ/偕成社)

「おまめちゃん ぽとっ」。さやから落ちて、おまめちゃんがころころと転がっていきます。

小さくてかわいい手のひらサイズの絵本なので、お出かけのときにも持ち運びやすい大きさです。おまめちゃんたちの豊かな表情は見ているだけでニコッとしたり、クスッとしたりしちゃいます。「ころころ」「ざららん」「ゆらゆらぽこん」など、絵だけでなく言葉の一つひとつも楽しい一冊です。

【写真中】『はなび ドーン』(作:カズコ・G・ストーン/童心社)

暗い夜空にシューッと何かが浮かび上がります。何かな……? 花火です! カラフルな花火や星やハートの形の花火、大きい花火や華やかな花火など、たくさんの花火が打ち上がります。

「万華鏡のような、カラフルできれいな絵本をつくりたい」という作者の思いから生まれたこの絵本。濃紺の夜空をバックにして打ちあがる色鮮やかな花火は、まるで本物のようにキラキラと輝いています。迫力のある花火を、ぜひ絵本でもお楽しみください。

【写真右】『<ボード・ブック>コロちゃんはどこ?』(作:エリック・ヒル、訳:松川 真弓/評論社)

ごはんの時間なのに、子犬のコロちゃんがいません。ママはドアの後ろやピアノの中など、家のあちこちを探しますがどこにもいません。コロちゃんはどこへ行ったのでしょうか?

世界中で人気の「コロちゃん」シリーズ第1作目のボードブック版です。ドアやピアノのふたの部分がしかけになっていて、何が出てくるかはめくってからのお楽しみ。少しずつ手先が使えるようになってきた、めくり遊びが好きなお子さんへの初めてのしかけ絵本におすすめです。

2歳向け

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【写真左】『ひまわり』(作・絵:和歌山 静子/福音館書店)

土の上に一粒の種がとんと落ちました。太陽の光を浴びて、雨を浴びて、どんどこ どんどこ伸びていきます。そして、つぼみができ、とうとう大きな花が咲きました。

夏にたくさん見かけるひまわりは、小さな子どもたちにとって身近なお花。ひまわりがどんどん伸びていく様子を縦開きで表現した迫力満点の絵本です。植物の成長を絵でわかりやすく表現した一冊なので、植物に興味が出てきた子におすすめです。

【写真中】『ねこは すっぽり』(文:石津 ちひろ、絵:松田 奈那子/こぐま社)

ねこはすきなばしょで、ごろりーん。どこまでも、のびーん。はりきって、がりがり。猫が見せるさまざまな仕草を描いた、かわいらしい一冊です。

あったかい場所で猫がごろりんと寝ていたり、爪をがりがりといだり、箱にすっぽり入ったりする自由な様子は、見ているだけで穏やかな気持ちに。一冊を通して、そんなやさしい空気が流れています。シンプルな線でとても軽やかに描かれた猫も本書のポイント。まるで本物の猫を見ているようで、思わず笑顔がこぼれてしまう絵本です。

【写真右】『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』(作:しもかわら ゆみ/講談社)

ぽつぽつぽつ、雨がふってきました。ちいさなねずみさん、大丈夫? もちろん、へっちゃら。ねずみさんにはキノコの傘があります。うさぎさんは大丈夫? へいきよ。大好きなにんじんの傘があります。たぬきさんときつねさんは大丈夫?

まだまだ雨の多い今の季節にぴったりの、キュートな絵本です。最初は小さなネズミから始まり、ウサギ、雨が大好きなカエルも登場。最後には大きなクマも。毛並みの1本1本までていねいに描きこまれたリアルな動物たちの姿を、じっくりお楽しみください。

3歳向け

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【写真左】『トマトさん』(作:田中 清代/福音館書店)

暑い夏の昼下がり。トマトの木から落ちた真っ赤なトマトさんは、小川の涼しい音に気づきました。泳ぎたいのに、体が重たくて転がることができません。悲しくなったトマトさんは、ついに泣いてしまいます。

インパクトのある表紙で思わず手に取ってしまうこの絵本は、お話を読んでもびっくり。一度読んだら、きっとみんなトマトさんを好きになること間違いなしです。あつ~い土の上から、小川にじゃっぷーんと飛びこんだときの気持ちよさそうなこと。暑くなってくると必ず読みたくなる、夏のイチオシ絵本です!

【写真中】『あめかっぱ』(作:むらかみさおり/偕成社)

朝から雨が降り続いたある日、ピンポーンと誰かがやってきました。なおちゃんが玄関を開けてみると、「どうも、かっぱです」とかっぱがやって来ました。お母さんは「かっぱさんとお留守番しててね」と言って出かけてしまい……。

雨空の暗い風景から始まる物語は、かっぱの登場でさらに不穏な空気が流れます。「もしかして、こわい絵本なのかな?」とビクビクしながら読み進めると、びっくり! かっぱが連れて行ってくれる、雨の日にしか行けない秘密の場所へのピクニックはとても楽しそう。読む前に想像していた物語とはまったく違うワクワクする展開に、わたしも即買いしてしまった一冊です。ぜひ一度手に取って、壮大な「雨とかっぱの世界」を味わってみてください!

【写真右】『かける』(作:はらぺこめがね/佼成出版社)

かけます、かけます、ケチャップかけます。ちゅるるるるー。オムライスパラダイス。おしょうゆかけます。ちょろちょろぴゃっぴゃっ。ひややっこ、ひゃっほーう。かき氷、たまごかけごはん、スパゲッティー……次は何をかけるのかな?

表紙のカレーがとってもおいしそう!「かける」動作に注目した動きのある食べ物絵本です。作者のはらぺこめがねさんは、実際に料理を作ったり、器を選んだりしてこの絵本を描いたそうで、お気に入りはホットケーキの場面だとか。ふかふかのホットケーキに蜂蜜をかけるシーン……あぁお腹がすいてきた!

まとめ

そろそろ夏のにおいがしてきそうな日々なので、雨の絵本も入れつつ、夏に読みたいおすすめの絵本をセレクトしました。「梅雨が続いて鬱々とした日でも、絵本を読んでいるときは穏やかな気持ちになれますように」と願って選んだ絵本もあります。

皆さんの気分が少しでもぱっと晴れるような絵本選びのお手伝いができていれば、うれしいです。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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