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【医師監修】妊娠1ヶ月(妊娠0週、1週、2週、3週、超妊娠初期)に自覚症状はある?

【医師監修】妊娠1ヶ月(妊娠0週、1週、2週、3週、超妊娠初期)に自覚症状はある?

妊娠1ヶ月は排卵、受精、着床と進むころ。妊娠を判定できるのはもう少し先で、ママにも自覚症状はほとんどありません。とはいえ妊娠の可能性があるなら感染症の予防に努め、タバコやお酒もストップ。葉酸の摂取も意識したい時期です。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

妊娠とは

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※画像はイメージです

今か今かと妊娠を待ちわびている人も多いことでしょう。「赤ちゃんができた」、「おめでた」などとよく表現される妊娠ですが、正確にはどのような状態のことを言うのかご存じですか?

妊娠は 、精子と卵子が結合した「受精卵」がママの子宮壁にくっつく「着床」から始まります。着床したら妊娠成立。妊娠期間とは、着床から分娩(ぶんべん)までを指します。

妊娠週数の数え方―「妊娠0週」にはまだ受精卵もない!?

「妊娠期間」 は着床から始まりますが、実は「妊娠週数」はまた異なる考え方でカウントするのがややこしいところ。

妊娠週数では、最後の月経があった初日を「満0日」として数え、満0~6日を「満0週」とします。分娩予定日は満280日(満40週0日)となります。これは世界保健機関(WHO)による妊娠期間の定義に基づく数え方です。

なお、日本では「妊娠〇ヶ月」など、月数で数えることが一般的です(正式には、第〇月と表現します)。例えば妊娠1ヶ月とは妊娠0~3週のこと。最終月経から排卵、受精、そして着床して妊娠が成立するころです。

妊娠1ヶ月に起こること(妊娠2~3週のメカニズム)

排卵(卵巣の外へ卵子が排出されること)の 時期には個人差がありますが、月経周期が28日の人の場合は、妊娠0週から約2週間後(妊娠2週)に排卵があり、その時に卵子と精子が出会って 受精すると、受精卵の細胞分裂が始まります。

受精卵は分裂を繰り返しながら卵管内を移動して子宮へ。受精後3日目には桑の実に似た形となり、さらに分割が進むと「胞胚」と呼ばれる状態になります。

着床は受精後6日~7日にスタート。胞胚が子宮内膜に埋もれて着床が完了するのは受精後12~13日ごろです。妊娠3週での胎芽(ヒトの形になってくる妊娠8週未満の胎児のこと)の大きさは約0.4㎝[*1]と言われています。

妊娠1ヶ月に自覚症状はある?

赤ちゃんを楽しみにしているときは、すぐにでも妊娠したかどうかを知りたいですよね。妊娠1ヶ月で、妊娠の兆候や自覚症状はあるのでしょうか。

一般的に妊娠の兆候はほとんどない時期

妊娠反応が陽性を示すのは妊娠4週(妊娠2ヶ月)以降。妊娠1ヶ月(0~3週)で妊娠したかどうかの検査を受けても結果は明らかにならない場合がほとんどで、ママにも自覚症状や妊娠の兆候は普通 現れません。

人によっては着床出血が見られることも

受精卵が子宮に着床するときに内膜がはがれ、少量の出血が見られることがあります。これは一般的に「着床出血」と呼ばれます。すべての人に見られる兆候ではないため、着床出血は必ずしも妊娠の目安とはなりません。

おりものの変化や軽い吐き気などの症状を感じることも?

受精卵が着床すると間もなく、ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン(hCG)ホルモンの分泌 が始まります。hCGホルモンは妊娠の維持に大事な働きをするホルモン。

妊娠4週から量が増え始め、8~10週がピーク となります。このようなホルモンの変化に敏感な人は、体のだるさ、おりものの変化、軽い吐き気などの症状を感じることがあるかもしれません。

妊娠1ヶ月(妊娠超初期)の気になる疑問と注意点

まだ妊娠判定が出ない“妊娠超初期”。妊娠の自覚症状がない時期とはいえ、ママはどのようなことに気を付けた方が良いのでしょうか。

妊娠の可能性ありなら葉酸を

厚生労働省 では、赤ちゃんに神経管閉鎖障害が発症するリスクを抑えるため、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間、葉酸を多く含むなど、栄養バランスの取れた食事が必要であるとしています。

神経管閉鎖障害とは先天性の脳や脊椎(せきつい)の癒合不全のことを言います。このうち、脊椎の癒合不全を「二分脊椎」と呼んでいます。日本での神経管閉鎖障害の発症率は、1998年のデータで出産(死産を含む)1万人に対して6.0です。

欧米などでの研究によって、神経管閉鎖障害はビタミンBの一種である葉酸の摂取で発症のリスクを低減することが報告されています。中枢神経に先天異常が現れるのは妊娠7週未満と言われているため、妊娠が判明する前から葉酸を摂取している方が発症のリスクを下げられると言われています。

葉酸は野菜などから多く摂取できますので、妊娠を考えている女性であれば、普段からバランスの良い食事を心がけたいものです。一方で、1日の食事における野菜の摂取量は個人差があり、調理法によってもとれる栄養量は変わってきます。

そのため厚生労働省では、神経管閉鎖障害の発症リスクを下げるため、食事にプラスしてサプリメントなどの栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取するよう薦めています。ただしサプリメントの過剰摂取は望ましくありません。厚生労働省でも1日あたり1mg(1,000μg)を越える葉酸摂取はしないよう呼び掛けています[*2]。

妊娠1ヶ月目にX線検査(レントゲン検査) を受けてしまったけど大丈夫?

妊娠しているかどうかが分からない“妊娠超初期”に、レントゲン(X線撮影)検査やCT(コンピューター断層撮影)検査などを受けてしまっていた場合、おなかの中の赤ちゃん(胎児)に影響はあるのでしょうか。

心配なのは、これらの検査で浴びる放射線によって胎児が被ばくし、流産や奇形などの原因にならないかどうかです。これまでの調査によって、胎児に影響が出る線量(しきい線量)は100mGy以上と確認されています[*3]。

これに対し、例えばママが胸のレントゲン検査を受けたとき、胎児の被ばくは0.01mGy以下。子宮に近い腰椎のレントゲン検査でも1.7mGy程度[*4]。同様にCT検査でも、しきい線量を超えることはありません。

そのため“妊娠超初期”にレントゲンやCT検査を受けても、胎児に影響はないと考えられています。過度に心配する必要はありませんが、妊娠の可能性があるときにレントゲン検査を受けるときは、念のため医師に伝えた方が良いでしょう。

気づかず薬を飲んでしまったけれど赤ちゃんへの影響は?

医薬品の服用を慎重にした方が良いのは、赤ちゃんの大切な器官が作られる妊娠4週以降7週末ごろ。受精前もしくは受精から2週間(妊娠3週末)までであれば、ごく少数の医薬品を除き、胎児に奇形を起こすことはないと言われています[*5]。

そのためあまり神経質になる必要はありませんが、妊娠の可能性があるなら不必要に薬を飲むのはやはり控えた方が安心です。

もし妊娠に気づかないときに薬を服用してしまっていても大多数は問題ないはずですが、気になるときは一度、かかりつけの医師に相談してみましょう。

妊娠の予定や可能性がある場合は風疹などの感染症に注意を

妊娠初期にママが風疹にかかると、「先天性風疹症候群」にかかった赤ちゃんが生まれる可能性があります。

「先天性風疹症候群」は生まれつき目や耳、心臓などに障害を持つ病気です。厚生労働省 によると、妊娠1ヶ月で風疹にかかった場合は50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%の確率で赤ちゃんが「先天性風疹症候群」にかかる可能性があると言われています[*6]。

近年、都市部などを中心に風疹の流行がたびたび伝えられています。妊娠中は風疹を防ぐワクチン接種ができないため、妊娠を希望している女性は妊娠前に接種しておくことが大切で、同居する家族にもワクチンの接種をしておいてもらいましょう。

もし未接種の女性で妊娠した可能性があるときは、風疹が流行している地域では不要な外出を控えるなどの対策が必要になります。

国立感染症研究所 風疹急増に関する緊急情報(2019年)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html

飲酒 、喫煙していたけど大丈夫?

妊娠中の飲酒はおなかの赤ちゃんに先天異常を引き起こしたり、発育不全など妊娠経過への悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。

喫煙も同様に、おなかの赤ちゃんの発育に悪い影響を与える可能性があります。妊娠の可能性があるときは飲酒、喫煙は控えましょう。

まとめ

妊娠1ヶ月は妊娠0~3週を指し、着床が完了するころ。着床出血や超初期症状として吐き気やおりものの変化を感じる人もいますが、大半の人は自覚症状や身体の変化はまだありません。あまり神経質に過ごす必要はありませんが、妊娠した可能性があるときは禁酒や禁煙に努め、バランスの良い食事をとるなど健やかに過ごしたいものです。また風疹の予防や、葉酸の摂取などにも努めましょう。

(文:剣崎友里恵、監修:中林稔先生)

参考文献
[*1]『最新産科学正常編』P59
[*2]厚生労働省資料
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf
[*3]放射線被爆と先天異常(日本産婦人科医会・先天異常委員会委員 東北大学医療技術短期大学部教授 高林 俊文)
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm
[*4]放射線の被ばくについて(大阪大学医学部)
https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-radio/info.html
[*5]産婦人科診療ガイドライン(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)P72
[*6]厚生労働省 風しんについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html
Newエッセンシャル産科学婦人科学第3版
『病気が見えるvol.10 産科』
『最新産科学正常編』

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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