【医師監修】つわりに悩む人におすすめって本当?ビタミンB6のチカラと摂取法

【医師監修】つわりに悩む人におすすめって本当?ビタミンB6のチカラと摂取法

妊娠したのだから仕方がないと思っても、なんとかして楽になりたいつわりの症状。少しでも軽くする方法があるのであれば、試したいものですね。今回はつわりに効果があるといわれるビタミンB6について、働きや効率的な摂り方などを説明します。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 齊藤英和 先生
梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士。

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ビタミンB6がつわりによいって本当?

ビタミンB6はどうしてつわりに効くといわれるのでしょうか。本来の働きも知っておきましょう。

アメリカではひどいつわりの治療で使われている

米国産科婦人科学会は、つわりの治療として医師の管理下でビタミンB6(ピリドキシン)を摂取(もしくは抗ヒスタミン剤と併用)することを推奨しています。

ビタミンB6の働きとつわりとの関係

ビタミンB6は水溶性のビタミンで、体の中ではたんぱく質などの代謝を助ける働きがあります。そのほか神経伝達物質の合成、ヘモグロビンの合成、ホルモン調節、免疫機能の維持、皮膚の抵抗力の増進にも関わっています。なお、欠乏すると皮膚炎になることが知られていますが、多くの食物に含まれているため、不足することはまれです。

ビタミンB6がなぜ効くのかはわかっていない

アメリカではいくつかの研究結果に基づいてつわりの治療に使われていますが、効果はまちまちで、なぜ治療効果があるのか、どんな人に効くのかもわかっていません。

仮説として、ビタミンB6欠乏症の予防または治療になっていること、ビタミンB6自体に制吐(吐き気を抑える)効果があること、抗ヒスタミン剤の制吐特性との相乗効果などがあげられています。実際、妊娠中はビタミンB6の血中レベルが低下しますが、そのレベルと吐気の発生率、重症度との相関関係について詳しいことはわかっていません。

ビタミン全般の摂取がつわり予防に効果的という説も

つわりの予防にマルチビタミン(ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、葉酸、ミネラルなどが含まれているもの)が有効という説もあります。こちらも具体的にどのビタミンに効果があるのかまだわかっていませんが、栄養を摂ることが難しいつわりの時期に葉酸などを補充できるメリットもあります。

ただし、ビタミンAを特に妊娠初期に大量摂取すると、赤ちゃんの先天異常を引き起こすリスクがあることがわかっています。葉酸以外のサプリメントについては不用意に使用することはせず、まずはかかりつけの医師に相談すると安心でしょう。


妊娠中のビタミンA摂取について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦はビタミンAの過剰摂取に注意! その理由と上手な摂り方

1日に必要なビタミンB6の摂取推奨量摂取量と上限

厚生労働省の「日本人の栄養摂取基準2020」によると、18~49歳の女性の1日あたりの推奨量は1.1mg、上限量は45mgとなっています。妊娠中は+0.2mg、授乳中は+0.3mg、普段の推奨量に追加して摂ることが推奨されています[*1]。

ビタミンB6を食べ物から摂取する

ビタミンB6はどんな食べ物に含まれているのでしょうか。おすすめの食べ方も紹介します。

ビタミンB6を多く含む食べ物

ビタミンB6はさまざまな食品に含まれ、特に次のような食品に多く含まれています。

肉、魚:赤身肉、鶏肉、マグロ、カツオなど
いも類や野菜:じゃがいも、さつまいも、にんにく、ピーマン、かぼちゃ、ししとう、あさつき、モロヘイヤ、ブロッコリーなど
柑橘類以外の果物:バナナ、アボカドなど

食べやすい果物で補う

つわりの真っ只中でも、果物なら食べられるという人もいるでしょう。果物は皮をむくだけで食べられるので、吐き気が落ち着いたタイミングですぐに補給ができます。ビタミンB6は冷凍食品や加工食品では減ってしまうので、新鮮な状態で摂取できる点でもおすすめです。

ビタミンB6の補給には柑橘系以外の果物が適しています。中でも多く含まれている果物はバナナ。普通サイズの1本(100g)で0.38mgのビタミンB6が含まれています。アボカドも大きめのもの半分(100g)で0.29mgとビタミンB6が豊富です。


妊娠中のバナナについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦はバナナでつわり、便秘対策!うれしい効果と注意点

普段の食事でも十分に摂取は可能

ビタミンB6は上で紹介したほかにも、野菜や全粒粉などさまざまな食材に含まれているので、普段の食事を見直すだけで摂取することができます。手軽に食べられる朝食用のシリアルなどにも添加されています。

ビタミンAの多い食材に気をつけて

レバーは過剰摂取に気をつけたいビタミンAが豊富

ビタミンAの耐容上限量は2,700μgRE/日ですが、妊婦がビタミンAを過剰摂取(1日3,000μgRAEを超えて摂取した場合)すると、赤ちゃんに先天異常が起こる可能性があります。

ビタミンAの中でも摂り過ぎが問題になるのは動物性食品に含まれるレチノールですが、レチノールはビタミンB6が多いレバーにも多く含まれています。ビタミンB6が多くても、ビタミンAが多いものは摂り過ぎないようにしましょう。

妊娠中のレバーについて詳しくは以下の記事も参考にしてください。
▶︎妊娠中はホルモンの一種・レバーには注意が必要

ビタミンだけでなく全体の栄養バランスが重要

妊娠中もビタミンに限らずさまざまな栄養をバランスよく摂ることが大切です。つわりが辛いとき、食べられるものが限られてしまうのは仕方がないことですが、できる範囲でバランスのよい食事を心がけましょう。

食べられないときは飲み物でビタミンB6を摂取

固形物を食べにくいときは、飲み物で補ってもいいでしょう。

つわりでも飲みやすいスムージー

果物や野菜をそのままミキサーにかけて作るスムージーなら、食材のビタミンB6を損ねることなく効率よく摂ることができます。

スムージーの材料でビタミンB6が多い食材としては、バナナ(0.38)、マンゴー(0.13)、キウイフルーツ・緑肉種(0.11)、モロヘイヤ(0.35)などがあります。ビタミンB6が豊富なきな粉や黒砂糖を加えるのも良いでしょう。
※()内は100g中のビタミンB6含有量(mg) 参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ここで注意点ですが、妊娠中に生の野菜や果物を食べる際は、よく洗って新鮮なうちに消費するようにしましょう。

妊娠中の生野菜について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦は生野菜を食べちゃだめ?トキソプラズマに感染するって本当?

サプリでビタミンB6を摂取する

つわりで食べるのが辛いとき、手軽で確実なサプリにも頼りたくなりますね。その際は次のことに気をつけてください。

妊婦用に葉酸も含んだサプリもある

葉酸は胎児の神経管閉鎖障害を防ぐために、妊娠前からサプリメントの摂取が推奨されている栄養素。妊婦用のサプリメントも多く販売されていて、妊娠中に摂りたい栄養素としてビタミンB6が含まれているものもあります。

ビタミンAなど他の成分の量にも注意

妊婦用のサプリではあまり心配はいりませんが、それ以外のサプリメントや栄養補助食品に頼るときはほかの栄養素にも気をつけましょう。妊娠初期にビタミンAをサプリメントなどで長期に渡って大量に過剰摂取すると、胎児の先天異常を引き起こす可能性があることがわかっています。特にサプリメントは食品よりも高濃度で成分を含み、満足感を感じたり飽きたりすることがないこともあり、気がつかないうちに過剰摂取になる可能性があります。

かかりつけ医に必ず相談を

妊娠中は自己判断で長期的にサプリメントを摂ることは控えてください。特に処方された薬を飲んでいる場合、飲み合わせによって影響があることも考えられます。飲み始める前にかかりつけの産婦人科で医師に相談しましょう。

まとめ

つわりに関してはまだわかっていないことが多く、これをすれば確実になくなるという方法もありません。ただビタミンB6はアメリカでは治療にも使われています。試してみてつわりの症状が軽くなればいいな、という気持ちで意識して摂ってみては。もしサプリを利用したいときは、かかりつけの産婦人科で相談を。何をしてもおさまらず、辛いときにも産婦人科で相談してみてくださいね。

(文:佐藤華奈子/監修:齊藤英和 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省「日本人の栄養摂取基準2020」

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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