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2023年01月16日 15:09 更新

【助産師監修】つわりを軽減するには?タイプ別のつわり対策<体験談>

空腹やにおいで気分が悪くなったり、唾液が飲み込めなかったり、ひたすら眠かったり……。つわりの時期は吐き気だけでなく、いろいろな悩みがあるものです。今回は吐きつわり、食べつわり、においつわり、よだれつわり、寝つわりの5つのタイプ別につらさ軽減のための対策をご紹介します。

「つわり」って妊娠すると必ず起こるもの? 落ち着くのはいつ?

つらいつわりの対策をスマホで調べるベッドに横たわる女性
Lazy dummy

妊娠初期に起こる「つわり」は、妊婦さんの半数から8割が経験するとされています。つまり、妊娠したら全ての人に起こるわけではなく、中には全くつわりを感じずに出産を迎える人もいます。

このつらさ、いつまで続く?

つわりは妊娠5〜6週ごろから始まり、12〜16週ごろには一旦つわりが終わり、落ち着いてくることが多いでしょう。
このころは子宮の中で胎盤が形成される大事な時期です。つわりの原因については諸説ありますが、胎盤が完成する15・16週あたりになると、つわりの症状がだいぶ楽になります。

妊娠7週ごろのエコー写真
妊娠7週頃のエコー写真。この頃の赤ちゃんは小豆ほどの大きさ。

つわりの感じ方には幅がある

なお、つわりの感じ方の強さには個人差があります。「ちょっと気持ちが悪いかな?」程度で済む人もいれば、「つわりが落ち着くまで一日中トイレにこもっていた」という人も。また、吐き気やおう吐といった代表的な消化器症状のほかにも、特定のものだけ食べたくなる/受け付けなくなる、においがダメになる、唾液が多くなる、だるさ・眠気や頭痛があるなど、現れる症状も幅広く、人によってさまざまです。

一口に妊娠初期の症状と言っても、2ヶ月以上毎日つらい症状が続くので、自分なりに少しでも症状を軽くする工夫をしながら、体力的にも精神的にも周囲のサポートを受けて過ごしていく必要があります。

今回はつわりの時期に起こりやすい症状別に、つわり軽減のための対処法を考えていきます。

吐き気がある・吐いてしまう「吐きつわり」

吐きつわりに苦しみ、トイレにうづくまる女性

つわりの時期は吐き気や気持ち悪さがあって、食事が進まない人が多くいます。また、特定の飲食物しか口にできなくなったり、吐いたりしてしまうことも。吐くことで体力を消費するし、終わりのない吐き気に精神的にもつらいでしょう。

吐きつわりがつらい場合の対策。軽減するには?

つわりの時のこまめな食事に最適なおにぎり

「無理してでも食べないと!」と焦る気持ちもあるかもしれませんが、一度にたくさん食べたり飲んだりしようとせず、多少気分がいい時に少しの量をこまめに飲食するようにしましょう。また、妊娠するといつも以上に栄養面などが気になるかと思いますが、今は「食べられるものを食べられるだけ」と割り切っていいのです。つわりが落ち着いたら栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしていきましょう。
なお、葉酸・鉄分・カルシウムなど妊娠中に必要な栄養素が入った妊婦さん向けのサプリなどもあるので、気になる人は主治医に相談してみましょう。

仕事がつらい場合の対処法

つわり中に仕事に行くことが大変だと感じたら、「母性健康管理指導事項連絡カード」をかかりつけ医に書いてもらい、会社に提出することで時短勤務や時差出勤などの希望を申し出ましょう。

吐きつわりの場合の注意点

つわりがひどいので産婦人科に連絡をしようとしている妊婦

基本的につわりは一時的なもので、治療の必要はありません。仕事をしている方が吐き気が紛れるという人もいます。
しかし、症状が悪化し「一日中何回も吐き続けている」「食事がとれない」「体重減少(5%以上)」などがあるようであれば、全身の状態が悪くなる妊娠悪阻(にんしんおそ)となり、生命の危険もあるため治療が必要になります。妊婦健診の日を待たなくていいので、かかりつけの産科に連絡しましょう。

先輩ママの吐きつわり対策例「自宅でドリンクバー開設」

先輩ママの吐きつわり対策例「カットフルーツを冷やして」

空腹だと気分が悪くなるので頻繁に食べる「食べつわり」

Lazy dummy

つわりの影響で、空腹の時に気分が悪くなるという人も多くいます。そうすると空腹を避けるべく、はためには「一日中食べてる!?」と思えるほど食べ続けているような状況になってしまいます。
食欲があって食べているというより、気持ち悪さ回避で食べているので、吐きつわりとはまた違ったつらさがあるでしょう。

食べつわりがつらい場合の対策。軽減するには?

食べつわりのときにベッドサイドに置いておくといいクッキー

実は食べつわりの対策も吐きつわりと大きく変わりません。1回の量を少しにして、その分頻繁に食べるようにする分割食がおすすめです。
また、朝起きたばかりや勤務中などでも気軽に口にできる軽食を準備しておくのもいいでしょう。寝る場所にクッキーやパンを置いておいて、すぐ食べられるようにしておく方法もありますね。欧米では、ムカムカする症状を生姜が緩和してくれるいうことで、広く取り入れられています。ジンジャーエールや生姜のドライフルーツをとっている人も多いですよ。

食べつわりの場合の注意点

食べつわりが治まった後もたくさん食べることをやめられない妊婦

妊婦さんの中には「つわり後もひたすら食べるのが癖になって、妊娠期間中は体重増加に歯止めが効かなくなってしまった」という人もいるようです。つわりの時期は体重や栄養などは気にせず、少しでも楽になるように食べて問題ありませんが、つわりの症状が治まったらなるべく栄養バランスや摂取カロリーなどにも気をつけられるといいですね。

先輩ママの食べつわり対策例「“おやつポーチ”を常に携帯」

においに敏感になる、平気だったにおいがダメになる「においつわり」

においつわりでにおいがダメになって気持ち悪くなる妊婦

柔軟剤、人のにおい、炊飯時の香りなど今までは気にならなかったにおいに、気持ちの悪さを感じることもあります。「芳香剤が苦手になり、吐き気を感じて入ったトイレで余計に気持ち悪くなった」「食べ物の匂いがダメで、鼻をつまんで食事していた」という人もいるようです。

においつわりがつらい場合の対策。軽減するには?

つわりで洗剤や柔軟剤のにおいがダメになり、顔をしかめる妊婦

においに敏感になっているので、一番は嫌だと思うにおいを遠ざけることでしょう。食べ物の場合は、温かい状態よりも冷やした方がにおいを感じにくくなるのでおすすめです。調理の際も加熱調理の時ににおいが強いので、家族にお願いする・電子レンジを使う・お惣菜を利用するなど、無理なく行いましょう。
また、ミントや柑橘系など自分が心地いいと思う香りをハンカチなどに含ませ、嫌なにおいを感じた時にハンカチのにおいを嗅ぐことで緩和するという方法もあります。

先輩ママのにおいつわり対策例「香り付きマスクで生活が楽に」

唾液が増える・唾液が飲み込めない「よだれつわり」

よだれつわりで唾液がたくさん出るけど飲み込めない妊婦

妊娠すると唾液の分泌量が減るとされていますが、つわりの時期は唾液が出るのに気持ちが悪くて飲み込めず、唾液に苦みなどの味を感じるなどして、つらい思いをする妊婦さんも少なくありません。外出中は特に唾を吐き出す場所にも困るので、地味につらい症状でしょう。

よだれつわりがつらい場合の対策。軽減するには?

よだれつわりがつらいのでグミを食べようとする妊婦

つわりの時期を過ぎれば唾液も自然と飲み込めるようになりますが、それまでの対処法としては「吐き出す」か「工夫して飲み込む」のいずれかがメインになるでしょう。唾液が増えても飲み込めれば問題ないのですが、「よだれつわり」と自覚する人は、唾液に苦みや気持ちの悪さ感じていることが多いようです。飲み込めないのであればトイレや洗面所で吐き出すしかないですが、キャンディーなどをなめると唾液の苦味や気持ち悪さを緩和でき、飲み込みやすくなったという話もよく聞かれます。

先輩ママのよだれつわり対策例「色付きペットボトルを活用」

猛烈な眠気に襲われる・寝ても寝ても寝足りない「寝つわり」

つわりで眠くてぼーっとする妊婦

つわりの時期は消化器症状の他にも、全身のだるさや我慢できないような眠気がある人もいます。「気絶したように一日中寝て過ごした」「たくさん寝たはずなのに、ずっと寝足りない感じがある」など、妊娠初期の眠気に関する悩みは少なくありません。

寝つわりがつらい場合の対策。軽減するには?

つわりで眠り続ける妊婦

解決方法はシンプルで、無理せずに休息を取ることが一番です。仕事中など睡眠を取ることが難しい場合は、軽くストレッチをしたり、ガムを噛んでみたりしてもいいでしょう。夜の眠りの浅さが眠気を増長させているケースでは、なるべくリラックスして眠れるよう寝具や照明器具など就寝環境の見直しを合わせて行いましょう。なお、一般的な眠気覚ましのドリンク剤などはカフェインを多く含んでいるので、妊娠中は注意しましょう。

先輩ママの寝つわり対策例「寝室をリニューアル」

まとめ

つわりの症状が落ち着き笑顔になった妊婦

今回は、つわりの時期に現れやすいつらい症状と、軽減するための対策についてまとめました。今まで体験したことがないような体調の悪さに、心が沈みがちになってしまいますよね。でも、今一番大事なことは、おなかの中に赤ちゃんを抱えるあなた自身の心身の健康と、赤ちゃんの健やかな成長です。体が出しているサインに逆らわず、安静にしたり趣味に時間を使ってみたりして過ごしてみましょう。家事などは分担するなどして負担を減らし、がんばりすぎず、このつらいつらいつわりの症状を乗り越えることだけに専念しましょう!

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修:清水茜 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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