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2021年05月22日 13:00 更新

【2021年5月】絵本のプロが選ぶ 0~3歳年齢別おすすめ3冊「くだもの」ほか

東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。

0歳向け

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【写真左】『ねんね』(文:さえぐさ ひろこ/アリス館)

キュートな表紙で目を引くこちらの一冊は、シロクマやカバ、キリンやパンダなど、いろいろな動物たちの寝ている様子を集めた写真絵本です。

動物たちの寝顔を見ているだけでも、なんだかウトウトしてきそう。そこに「いっしょが だいすき ねんね ねんね」「ねんね ねんね ほわほわ ほわわん」といった優しい言葉が添えられていて、あったかい空気に包まれます。ほっと一息つきたい大人にもおすすめ。親子で癒されて、ほのぼのした絵本タイムをお楽しみください。

【写真中】『しろとくろ』(作:新井 洋行/岩崎書店)

0歳のお子さんに特におすすめなのが、こちらの絵本です。作者は、たくさんの赤ちゃん絵本を世に送り出した新井洋行さん。「もっとも新生児に近い赤ちゃんが楽しんでもらえる絵本を作りたい」という思いから生まれた一冊です。

赤ちゃんの認識しやすい色である、白と黒が主人公。ふたつがぐにゃーっとねじれたり、ぼんっと弾けたり、どろどろ溶けたり……と絵本の中を動きまわります。「ぎゅー」「ぽつぽつ」といった絵にぴったりの短い言葉が添えられているので、絵本の読み聞かせに慣れていない人にもおすすめです。

【写真右】『くだもの』(作:平山 和子/福音館書店)

リアルに描かれたくだものの隣には、食べやすいサイズにカットされたくだものが。それを「さあ どうぞ」と絵本の中から差し出してくれます。どのくだものもみずみずしく鮮やかに描かれていて、まるで本物のよう。

「0歳児には早いかな?」と思うかもしれませんが、何度も読み聞かせするうちに、くだものをパクッと食べる真似をしてみたり、「さあ どうぞ」と差し出してくれるようになったりと、お子さんの成長を感じられそうな絵本。ぜひ長く読んでいただきたい一冊です。

1歳向け

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【写真左】『しろいちょうちょがとんでるよ』(作:村上 康成/ひさかたチャイルド)

きれいな青空の中に、白いちょうちょがひらりと飛んできます。つぼみにふわりと止まったら、ぱっとカラフルな花が咲きました。次はお昼寝中のネコのもとへ飛んでいき、「あそぼ」と誘います。

昔から魚釣りが趣味だという作者の村上康成さん。日々自然を身近に感じている作者ならではの視点で描かれた本作を読んでいると、春の心地よい空気やそよ風、あたたかさが伝わってくるようです。赤ちゃんと一緒に穏やかな時間を過ごしたい、そんな日におすすめの一冊です。

【写真中】『いっぱいあるよ! ごはん どれたべる?』(作:てづか あけみ/偕成社)

「おはよう!」と元気いっぱいのあいさつではじまり、次のページをめくってみると、たくさんの朝ごはん。ごはんやお味噌汁、パンのほかに、ドーナツやカップケーキも! たくさんのごはんのなかから、食べたいものを選んでみよう。お昼ご飯には、お寿司やハンバーガーやオムライス。どれにしようか迷っちゃう。

ぜひイラストを指差して、「どれが好き?」「何が食べたい?」と子どもたちに聞いてみてください。指差しはまだ言葉が話せない小さい子どもたちにとって、意思表示の手段のひとつです。今まで知らなかったお子さんの好みを発見できるかもしれませんよ。

【写真右】『でんしゃ』(作:バイロン・バートン、訳:こじま まもる/金の星社)

「せんろです」
「でんしゃがはしっています」

シンプルな文章で一見単調に思えますが、子どもの想像力をふくらませるストーリーで読み応えのある一冊。くっきりした線に鮮明な色のイラストは小さいお子さんもわかりやすいので、初めてののりもの絵本におすすめです。

貨物列車、蒸気機関車といった電車のほかにも、踏切や線路を直す作業員なども登場。電車好きの子どもの心をグッとつかんでくれる絵本です。

2歳向け

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【写真左】『どんめくり』(作:やぎ たみこ/ブロンズ新社)

上下半分にわかれたページを別々にめくって、組み合わせを楽しむ新しいタイプの絵本が誕生しました。

まず上のページをめくってみます。天ぷら丼、かつ丼、カレー丼、おいしそう。きつね丼、たぬき丼、かっぱ丼? ……下のページをめくっていくと、かっぱ巻き、おにおにぎり? かっぱパフェ? ……どんどんおかしなことになってきた!

上下の組み合わせは、なんと241種類。「めくる」動作にハマっている子におすすめです。たくさんめくって、自分だけのお気に入りの組み合わせを探してみてください。

【写真中】『くまくんの たすけて~!』(作:くりはらたかし/学研)

くまくんと一緒に冒険に出発! でも、突然つみ木が落ちてきたり、高い場所から落ちそうになったりと、くまくんには何度もピンチが。そんなときは仕掛けをめくって、くまくんを助けてあげよう。

めくるタイプの仕掛け絵本です。くまくんが「たすけて~! 」と叫んだときに、しかけをめくると……そこにはくまくんを助ける人の手のイラストが。まるで読者自身がくまくんを助けているように描かれていて、読んだ子はきっとうれしくなるでしょう!

【写真右】『おやつ』(作:石津 ちひろ、絵:石黒 亜矢子/BL出版)

子猫の兄弟の大好きなおやつの時間。おやつの歌を歌います。

♪ひとつ ひるまのおるすばん ♪ふたつ ふしぎと おなかがすくよ ♪みっつ みかんをぱくぱくたべたら~

節をつけて歌わずにはいられないほど、リズムのよい数え歌絵本です。おやつを口いっぱいに頬張る姿や、ココアが口の周りについている子猫たちの姿がいきいきとしていて、とっても愛らしい。

ぜひ声に出して、リズムに乗って、おやつの前に読んでみてください。楽しいおやつの時間が過ごせそうですよ。

3歳向け

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【写真左】『あのくも なあに?』(文:富安 陽子、絵:山村 浩二/福音館書店)

雲の形を見て似ているものをイメージする遊び、誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。そんな遊びが、もっと楽しくなる絵本をご紹介。

あのくもなあに? なんだろね。あさひがまぶしくて、ねぼすけ巨人がしめたカーテン雲。あのくもなあに? なんだろね。日本中の天狗たちが一休みするざぶとん雲。あのくもなあに? なんだろね……。

スケールの大きさが楽しい一冊。「あの雲、〇〇に似てるね」というよくある想像を超えた富安陽子さんの壮大な想像(創造)力と、山村浩二さんの力強くも親しみのある絵が素晴らしいです。

【写真中】『カ どこいった?』(作:鈴木 のりたけ/小学館)

手の上に蚊。せーの、パーン! 逃げられた。蚊、どこいった? 次はつみ木の上だ。せーの。ガッチャーン! また逃げられた。

絵本は静かにめくって読むもの。そんなイメージを覆すのがこちらの絵本。「バチン」と音がするように勢いよくめくって、蚊を退治しましょう。叩く場所もどんどん大きくなって、「そんなところまで!?」と驚く展開に。鈴木のりたけさんの緻密な絵によって、まるで本物の蚊を叩いているような感覚になります。盛り上がること間違いなし!

【写真右】『かばんうりのガラゴ』(作:島田 ゆか/文溪堂)

ガラゴは旅するかばん屋さん。かばんを売って歩きます。今日最初のお客さんはこいぬです。「ひとりっこだから きょうだいがほしいの」というリクエストに、ガラゴは一体どんなかばんを手渡すのでしょうか……。

作者は『バムとケロ』シリーズで人気の島田ゆかさん。島田さんの細部まで描き込まれたイラストは、何度でも楽しめる仕掛けがいっぱい。今作もガラゴの持ち物や、絵の隅々で展開されるサイドストーリーなど、読むたびに発見があります。1ページ1ページ、じっくりとお楽しみください!

まとめ

いかがでしたか? 今回は読んで楽しいだけでなく、遊べる絵本を多めにセレクトしてみました。

絵本は、子どもたちと読み聞かせする人とのコミュニケーションツールとしての役割もあると思っています。絵本を通して、お子さんとの触れ合いや会話が生まれるとうれしいです。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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