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【医師監修】妊娠5週に見られる特徴的な4つの症状と気を付けたいこと4つ

【医師監修】妊娠5週に見られる特徴的な4つの症状と気を付けたいこと4つ

妊娠5週は妊娠していなければ生理(月経)開始予定日から1週間が経過したころ。生理がないため「妊娠したの?」と気づく人が増え始めます。つわりのような症状が現れる人もいますが、とくに体調に変化のない人もいて、まだ妊娠の実感が薄いかもしれません。しかし、赤ちゃんの身体で重要な器官ができ始めるとても大切な時期です。


この記事の監修ドクター
産婦人科医 太田寛先生
アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

妊娠5週目、どんな変化が現れる?

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(1)つわりが現れる人も

妊娠の初期には「つわり」が始まる人もいます。症状の重さには個人差が大きく、全く何の症状もない人もいれば、何も飲めなくなる人もいます。つわりの症状で妊娠に気づく人は多いのですが、妊娠を全く考えていない人だと、吐き気などのつわりの症状が妊娠によるものだと気づかずに病気だと思って医療機関を受診する人もいます。

つわりはふつう、妊娠5~6週ごろから始まり、12~16週には自然におさまります[*1]。

ただ、ただ、なかには「妊娠悪阻」といって、治療が必要なほど重い症状が現れることがあります。吐き気が強くて水分もとれないような状況になり、元の体重から5%以上体重が減少したり、尿が1日に1~2回しか出なかったりする時には、医療機関を受診してください。

つわりの主な症状は?

つわりとは、妊娠によって起こる消化器症状を中心とするさまざまな症状のことです。主なものに、悪心(吐き気)・嘔吐、食欲不振、唾液量の増加などがあり、そのほかにも、全身の倦怠感(だるさ)、頭痛、熱っぽさなど多彩です。早朝の空腹時にこれらの症状がより強く現れる傾向があります。

このようにつわりの症状は個人差が大きく、すべての妊婦さんに一様に症状が現れるわけではありません。

なお、つわりと表現することはありませんが、食事の嗜好が変わることも、この時期によく起こります。よく「妊娠すると酸っぱいものが食べたくなる」と言われますが、それも食事の嗜好の変化の現れです。ただし、必ずしも酸っぱいものが欲しくなるわけではありません。また、食欲不振とは反対に、食欲が旺盛になる人もいます。

つわりはなぜ起こる?

つわりがなぜ起きるのか、実はまだ詳しくはわかっていません。ただ、妊娠によって体内でホルモンや代謝の環境が急激にかわり、それに母親の身体がついていけなくなっているためではないかと推測されています。

それは、絨毛性ゴナドトロピンというホルモン(妊娠判定の検査にも用いられるホルモン)や甲状腺ホルモンの分泌量の変化と、つわりの症状の度合いが関連すると言われていることからも、可能性があることが示唆されます。

(2)メンタル面の変調も意外に多い

これまでに挙げたような身体的な症状だけではなく、つわりの時期にメンタル面の変調が重なることも少なくありません。例えば、いつもなら何でもないことが悲しく思えて涙が止まらなくなったり、イライラが募ってしまったり。

ホルモンの急激な変化により、つわりが起こり体調が悪くなることに加えて、出産や将来に対する漠然とした不安などが重複することが関係していると考えられています。

このようなメンタルの不調により、つわりの症状をより強く感じる可能性もあります。よって、あまり深く考え込まずに、この時期を乗り越えるようにしてください。パートナーの温かい言葉が、妊婦さんにとっては大きな支えになることでしょう。

(3)便秘

妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されて、腸の運動が低下するため、妊娠初期から出産まで便秘になりやすくなります。日頃から水分と食物繊維を多くとるようにしましょう。

自分だけでは対処できない場合には産科で便秘の薬をもらうようにしましょう。便を溜めすぎると、お腹が痛くなって救急車を呼ぶような事態になることもあります。

(4)おりものの変化

また妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンも増えます。エストロゲンは子宮頸管(子宮と腟をつないでいる部分)の粘液分泌を増やします。その影響で妊娠すると水っぽいおりものが多くなります。

ただし、おりものから悪臭がしたり、腟のかゆみ・焼けるような感じがあったりするときには産科を受診しましょう。

妊娠5週目、おなかの中の赤ちゃんの状態は?

体の大きさ(頭殿長)はまだ数mm

妊娠5週に超音波(エコー)検査をすると、赤ちゃんを包み込む袋である「胎嚢」が確認できる場合が多いです。この時期の赤ちゃんの頭殿長(胎芽・胎児の頭からおしりまでの長さ)は、わずか数mmで1cmにも達しないくらいです[*2, 3]。外観もまだヒトのかたちをしていません。

なお、妊娠8週未満に該当するこの時期では、まだ「胎児」とは呼ばずに「胎芽」といいます(10週未満を胎芽期と呼ぶこともあります)。そして胎芽は、まだ身体の基本的な構造さえ完成していない、とても小さな存在です。

頭部が急速に発達している

まだ非常に小さな存在ではあるものの、赤ちゃんは急速に発達しています。妊娠5週では特に脳が急速に拡大し、頭部が大きく発育します。

しばらくすると、超音波検査で胎嚢の中に「卵黄嚢」という、妊娠初期に胎芽の血液を作る部分が観察できるようになります。

妊娠したかどうかを確認するには

市販の妊娠検査キットでチェックしてみよう!

妊娠の可能性が高いかどうかは市販薬でも調べることができます。市販の妊娠検査薬は尿の中の絨毛性ゴナドトロピンというホルモンを調べるものです。絨毛性ゴナドトロピンは妊娠以外では陽性になることはほとんどありません。通常の妊娠検査薬は生理開始予定日の1週間後(つまり妊娠5週ごろ)から使用できます。

ただ、妊娠検査薬は子宮外妊娠(異所性妊娠)などの治療が必要な状況でも陽性になりますので、陽性が出たら、治療が必要な妊娠ではないことを確定してもらうために医療機関を受診しましょう。

医療機関ではどんな検査をするの?

産婦人科では、経腟超音波検査(腟に超音波を発する細い棒を入れて行う画像検査)などを行い、正常な妊娠であるかどうかを総合的に判断します。

妊娠5週ごろに気を付けたいこと

(1)薬の服用・使用などに注意

妊娠5週は器官形成期といい、赤ちゃんの身体の構造の基本がかたち作られる時期です。この時期に何らかの影響を受けると、催奇形性(赤ちゃんに奇形を起こす作用)が現れやすくなります。何らかの影響とは、例えば一部の薬剤、放射線、高血糖(糖尿病)、そして風疹などの一部の感染症です。

比較的処方される頻度が高く催奇形性が心配な薬には、高血圧の薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬)、血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)、てんかんの薬(バルプロ酸やカルバマゼピン)などがあります。

よって、常用している薬のある人は、妊娠の希望(可能性)があることを担当医に話して、薬の調整をしておきましょう。たとえ、避妊していても、避妊に失敗する可能性もあります。しかし、ほとんどの薬は多少のリスクはあっても、必ず奇形や障がいが起こるわけではありません。予定外に妊娠したとしても、すぐに中絶などを考える必要はありません。

薬について不安な人は、国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/)では、妊娠中や授乳中の薬の影響についての情報を掲載しており、また、電話相談も受け付けています。

(2)ふだんから葉酸をしっかり摂取

妊娠初期の胎芽の発達には葉酸が不可欠で、葉酸が不足すると神経管閉鎖障がい(二分脊椎や無脳症など)のリスクが高まります。これを防ぐために、毎日の食事に加えて葉酸のサプリメントをとるようにしましょう。日本では食事に加えて1日に400マイクログラムとることが勧められています。

ただし、葉酸は妊娠の1ヶ月以上前からとることが必要です。よって、妊娠が判明してから葉酸摂取を始めるのでは、この器官形成期に間に合わないため、妊娠する可能性のある女性は、ふだんから葉酸摂取を心がけるようにしましょう。

また、アルコールの大量摂取は葉酸の吸収を妨げるため、毎日たくさんのお酒を飲むのは控えるようにしましょう。

(3)子宮外妊娠(異所性妊娠)である可能性も

妊娠初期の諸症状、例えば生理がないことや少量の性器出血、下腹部痛などが現れたとしても、正常な妊娠ではなく、子宮外妊娠(異所性妊娠)である可能性もあります。子宮外妊娠でも妊娠検査薬では陽性となります。

この点も、妊娠5~7週のころに産科の受診が必要とされる理由です。

(4)流産の多い時期であることを知っておく

妊婦が自然流産する頻度は10~15%で、その60~70%が妊娠10週未満に生じると言われます[*4]。

ただし、この時期の流産の原因の多くは赤ちゃんの染色体異常などによるもので、妊婦さんがどんな過ごし方をしたとしても変えられない運命であることを、妊婦さんと周囲の人はよく理解しておく必要があります。

ごくまれに妊婦さん自身に流産しやすい体質の人がいますが、初期の流産のほとんどは妊婦さんの責任ではありません。流産した場合でも自分を責める必要はありません。

まとめ

妊娠5週目は、まさに新しい命が力強く生命の時を刻みだし、それを確認できるようになる時期です。あなたのおなかの中には赤ちゃんが、確かに息づいています。つわりが始まり、辛いと思うことが多い時期がスタートしますが、辛さがずっと続くわけではありません。無理をせずにおおらかな気持ちになって、妊娠生活を楽しみましょう。

(文:久保秀実、監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]メディックメディア「病気が見えるvol.10産科編」(第4版)p.86
[*2]医学書院「標準産婦人科学」(第4版)p.300-302
[*3]医歯薬出版「ムーア人体発生学」(原著第8版)p.4
[*4]医学書院「標準産婦人科学」(第4版)p.326

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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