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2021年10月15日 11:16 更新

植物の力で育てやすく! 夏野菜に合わせたいコンパニオンプランツ

家庭菜園で自分で野菜を育て、収穫できたらいいですよね! でも気になるのは、病気や害虫について。そこで少しでも自然に、かつ手間を省いて育てるため、コンパニオンプランツをうまく活用してみてはどうでしょうか? 今回は夏野菜にぴったりの、おすすめコンパニオンプランツをご紹介します。

こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。

初夏~夏にかけては、家庭菜園をするのにピッタリの季節です。この時期は夏のあいだに収穫できる野菜の苗も豊富で、親子で選んで、収穫を心待ちにお世話を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

家庭菜園で収穫した夏野菜
Lazy dummy

気温も上がる夏は野菜が成長するにはいいのですが、高温多湿の気候は病気や害虫の心配も急上昇。適した環境を整えたり、こまめにお世話をしていても、急に元気がなくなったり、思ったように収穫できなかったり、といった経験をすることもありますよね。

必要ならば薬剤に頼ることも必要ですが、少しでも自然の力で育てやすくなれば……と思うなら、コンパニオンプランツを活用するのもひとつの方法です。

コンパニオンプランツとは?

家庭菜園で使用するコンパニオンプランツ

自然界ではたくさんの種類の植物が一緒に育ち、共存共栄しています。その中でも、近くに育つことでいい影響がある植物同士のことをコンパニオンプランツといいます。日本語では共栄作物とも呼ばれ、育ちやすくなったり、収穫が上がったりします。

場合によっては、片方にだけメリットがあることもありますが、それぞれの植物が本来持つ特性を活かし、相性のいいものを取り入れることで、手間や薬剤を減らして育てることができます。

①害虫予防

植物を育てるときに何といっても困るのが害虫被害。これさえなかったら……と何度思ったことか。害虫を防ぐには薬剤を使うのが一番効果はありますが、できることなら使う量は抑えて、自然の力で防ぐことができれば嬉しいですよね。植物の中には害虫が嫌うニオイや成分を出すものがあり、来てほしくない虫が苦手なニオイを持つ植物を一緒に植えることで、予防することができます。また、天敵同士の虫が来る植物を近くに置くことで、害虫を減らすという使い方も。

②病気予防

害虫と同じく、病気も困りもの。みるみる枯れてしまったり、育たなかったりするとガッカリしますよね。植物によっては病気の素となる病原菌を抑制してくれる働きがあり、一緒に植えることで病気の予防ができます。

③収穫が上がる

植物の中には、土壌を改良してくれる働きがあるものもあります。それによって、一緒に育つ植物の成長を促進することも。また、花がよく咲く植物を近くに植えておけば、そこに虫が集まり受粉も促進。ほかにも、日陰を好む植物は日光を好む背が高く伸びるような植物の足物に植えることで、お互いが適した環境の中で成長することができます。

コンパニオンプランツで家庭菜園の彩りを豊かに

コンパニオンプランツをうまく活用することができれば、薬剤を減らし、安心して野菜を食べることができます。手間や失敗も減り、達成感や満足感も得られます。

また、すき間を有効活用できるので、収穫できる種類も増えます。花がきれいなものや、育ち方が違うものを一緒に育てることで、賑やかでビジュアル的にもよくなります。

夏野菜にぴったりのコンパニオンプランツ

バジル

家庭菜園のコンパニオンプランツ:バジル

バジルは料理にもよく使われるハーブとしても有名ですが、この独特の香りが苦手な害虫も多くいます。反対に、この葉を好む虫も多く、収穫したい植物に行かないようにおとりとしての役割をする場合もあります(この場合はバジルの葉は食べられてしまいますが……)。また、水分をよく吸収するので、水はけのよい土壌を好む植物との組み合わせが◎。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:バジル

トマト・ピーマン・ナスなどのナス科の植物との相性がいいのでオススメ。

マリーゴールド

家庭菜園のコンパニオンプランツ:マリーゴールド

きれいな花を咲かせるマリーゴールドは夏の暑さに負けない貴重な花。葉や根から分泌されるニオイはセンチュウなどの害虫が苦手なので、防虫効果があります。また、次々に咲く花には昆虫が集まり、害虫の抑制にもつながります。昆虫による受粉も活発になり収穫もUP!

ただし、花が咲くとナス科の植物を好むオオタバコガの幼虫も寄ってくる危険もあります。今はそれを回避するために、花が咲かない品種も開発されています。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:マリーゴールド

キュウリ・スイカ・メロンなどのウリ科の植物、トマト・ピーマン・ナスなどのナス科の植物との相性抜群です。

パセリ

家庭菜園のコンパニオンプランツ:パセリ

パセリも料理に欠かせないハーブ。一緒に育てれば食卓も潤います。パセリはセリ科独特のニオイがあり、このニオイを苦手とする害虫がいるため忌避効果があります。またよく水分を吸収するので、水はけのよい土壌を好む植物との相性がいいです。低い位置で茂ることで、根元の保護的な役割もしてくれます。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:パセリ

ピーマン・ナスなどのナス科の植物やキュウリにおすすめです。

青ジソ(大葉)

家庭菜園のコンパニオンプランツ:青ジソ(大葉)

日本のハーブの青ジソは、1度植えるとこぼれ種で毎年出てくるくらい元気。シソも独特のニオイがあり、このニオイを嫌う害虫がいます。また、水分をよく吸収するため、水はけのよい環境を好む植物との相性がいいのも特徴です。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:青ジソ(大葉)

トマト・ピーマン・ナスなどのナス科の植物やキュウリとの相性は◎。

ナスタチウム

家庭菜園のコンパニオンプランツ:ナスタチウム

ハーブのナスタチウムもコンパニオンプランツとしてよく活用されます。ナスタチウムのニオイを嫌う害虫もいますし、反対にナスタチウムを好む害虫もいるので、おとりとしても害虫の予防効果があります。花が次々に咲くので、昆虫が集まり、受粉促進効果も。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:ナスタチウム

ナスタチウムは、エイディブルフラワー(食べられる花)としても有名です。葉も食べることができるんですよ。

家庭菜園のコンパニオンプランツ:ナスタチウム

キュウリ、ナス・トマト・ピーマンなどのナス科の植物やキャベツなどと相性がいいです。地面に這うように広がるので、根元の保護効果も期待できます。

ニラ・ネギ類

家庭菜園のコンパニオンプランツ:ニラ

ネギやニラはニオイの強い植物なので、このニオイを嫌う害虫もいます。また、根にいる拮抗菌は、立枯病などの病原菌を減らす働きがあります。

ナス・トマト・ピーマンなどのナス科の植物やキュウリなどにオススメ。

豆類

家庭菜園のコンパニオンプランツ:枝豆

マメ科の植物の根にいる根粒菌は窒素を固定して土壌を豊かにしてくれるので、生育がよくなります。

トウモロコシや、夏野菜ではありませんがニンジンなどに。

夏野菜と植えてみよう

コンパニオンプランツのマリーゴールドを植えるところ

植物にはそれぞれの特性がいくつもあり、相性のいいコンパニオンプランツはひとつとは限りません。組み合わせによっては相性が悪く、生育が悪化することも。また、ある害虫を忌避できたとしても、そのコンパニオンプランツがほかの害虫を呼び寄せることもよくあります。

そのため、複数のものを植えることで、豊かで複雑な環境を作り、お互いに作用しあえるようにすることが大切です。実際に混植するときにはどのようにすればいいのか見てみましょう♪

トマトに合うのは?

家庭菜園でよく育てられるのはトマトやミニトマト。プランターや鉢植えでも育てることができて、とっても人気ですよね。

ナス科のトマトの成長を助けてくれるコンパニオンプランツはバジル、パセリ、青ジソ、ナスタチウムやマリーゴールド、ニラなど。

ミニトマトのコンパニオンプランツ:バジルとナスタチウム

それぞれ大きくなっていくことを想定して間隔を空けつつ、トマトの間や近くにコンパニオンプランツを植えこみます。こちらはバジルとナスタチウムをミニトマトと一緒に植えました。すぐ近くにはニラも茂っています。

キュウリに合うのは?

キュウリのコンパニオンプランツ

ウリ科のキュウリに合うコンパニオンプランツはパセリ、青ジソ、ナスタチウムやマリーゴールド、ニラなど。ミニトマトとあまり変わりませんね! ネギも病気の予防をしてくれてオススメです。

キュウリのコンパニオンプランツ:青ジソとナスタチウム

キュウリの近くに青ジソとナスタチウムを植えました。キュウリは上に伸びるように、ネットを支柱にかけ、誘引していきます。ナスタチウムは地面に這うように広がってくれるので、キュウリの根を保護してくれます。また、ナスタチウムは夏の強い日差しはちょっと苦手。キュウリが成長して日陰を作ってくれます。

ナスに合うのは?

ナスのコンパニオンプランツ

ナスはトマトと同じナス科。相性がいいコンパニオンプランツはほぼ同じです。バジル、パセリ、青ジソ、ナスタチウムやマリーゴールド、ニラなどがオススメ。

ナスのコンパニオンプランツ:パセリとマリーゴールド

ナスはトマトやキュウリよりも丈が高くならないので、合わせるコンパニオンプランツも丈が大きくならないものを選ぶようすると、陰にならずに日当たりを保てます。

コンパニオンプランツも楽しもう♪

家庭菜園で収穫したコンパニオンプランツ

夏野菜と相性のいいコンパニオンプランツは種類も豊富で、食材としても相性のよいものばかり。一緒に育てることで、お互いに育ち、コンパニオンプランツ自体も収穫することができますし、見た目の華やかさを与え、楽しませてくれます。

まとめ

植物がそれぞれ持つ特性を活かして、お互いにいい影響を与えるのがコンパニオンプランツです。コンパニオンプランツは薬剤のような強い効果はありませんが、自然が持つ力を穏やかに発揮してくれ、害虫や病気予防、成長の活発化などが期待できます。害虫や病気の被害が完全になくなるわけではありませんが、コンパニオンプランツを取り入れることで、少しでも育てやすく、安心して食べることができる夏野菜を収穫できるといいですね♪

※本記事は著者の実体験をもとに執筆されています。環境によっては当てはまらないケースもあります。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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