授乳中にはちみつは食べても大丈夫?母乳への影響【管理栄養士監修】

授乳中にはちみつは食べても大丈夫?母乳への影響【管理栄養士監修】

母乳はお母さんの血液から作られるということで、妊娠中に引き続き授乳中も食生活には気をつけなくてはいけない点がいくつかあります。しかし、本来ならば食べて全く問題のない食材に関しても「授乳中は控えなくては」と勘違いされているケースも見かけます。今回は中でも「授乳中のはちみつ(蜂蜜)」について解説しま


この記事の監修者
川口由美子 先生(管理栄養士/母子栄養指導士)
一般社団法人母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。
一般社団法人母子栄養協会HP

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授乳中にはちみつは食べられる?

“赤ちゃんにはちみつは食べさせてはいけない” ということを耳にしたことがあるのではないでしょうか。そうすると「おっぱいを飲ませているのだから、私がはちみつを食べるのもダメなのでは!?」と思ってしまう人もいるようです。

はたして授乳中のお母さんがはちみつを食べることはいけないのでしょうか。

授乳中にはちみつを控える必要はなし!

結論から言いますと、授乳中にはちみつを控える必要はありません。

この後詳しく説明しますが、赤ちゃんで問題になるボツリヌス菌の芽胞は、大人の場合だと腸内細菌の方が勝つので、通常何も起きません。また、母乳を介して赤ちゃんがボツリヌス菌に感染することはありません。お母さんは心配せずに食べて大丈夫です。

妊婦さんもはちみつを食べて問題なし

授乳中同様、妊婦さんに関してもはちみつを食べても問題ありません。栄養バランスには気をつけつつ、適度に取り入れるといいでしょう。

妊娠中のはちみつに関して、詳しくは以下の記事で解説しています。
▶︎妊婦も蜂蜜を食べちゃダメ⁉赤ちゃんへの影響は?

乳腺炎への影響は?

授乳中に気になるのが、食べ物と乳腺炎の関係でしょう。乳腺炎は食べ物よりも他の要因――母乳が滞ること、きつい下着や抱っこ紐などでおっぱいを圧迫すること、乳頭にできる白斑や傷、疲労など――が主なリスクとなります。

乳腺炎の原因に関して、詳しくは以下の記事で解説しています。参考にしてくださいね。
▶︎乳腺炎を予防するための4つの心得

はちみつは何歳からOK? 赤ちゃんにはNGな理由

授乳中でもはちみつを食べることは問題ありませんが、赤ちゃんの口に直接入るとなると別です。なぜなら、はちみつに含まれることがあるボツリヌス菌の危険があるからです。

赤ちゃんにはちみつは乳児ボツリヌス症のリスク

赤ちゃんにはちみつを食べさせることは「乳児ボツリヌス症」にかかるリスクがあります。

乳児ボツリヌス症とは

乳児ボツリヌス症とは、土の中などに存在するボツリヌス菌が含まれた食品などを食べることで発症のリスクが生じます。

0歳の赤ちゃんは腸内環境が十分に整っておらず、大人だったら腸内細菌に負かされるはずのボツリヌス菌が腸内で増えてしまいます。そうすると毒素が出て以下のような症状を引き起こすことがあります。
・便秘
・母乳やミルクなどを飲む力(哺乳力)の低下
・元気がなくなる
・泣き声が変わる
・首の据わりが悪くなる


乳児ボツリヌス症は適切な治療で治りますが、まれに命を落とすこともあります[*1]。

1歳になるまでははちみつを与えない

では、何歳まではちみつに気をつけなければいけないのでしょうか。厚生労働省では「1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう」としています。

ボツリヌス菌は120℃4分の加熱にも耐えられる、熱に強い菌です。通常の製造過程での加熱や家庭での調理では対策できませんので、1歳を過ぎるまでは、離乳食に使用しないことはもちろん、既製品の原材料を確認するなど十分に注意しましょう。

はちみつを使ったカレールーは?

原材料の欄に「はちみつ」とあるカレールーがありますが、こちらに関しても1歳未満では与えないようにしましょう。
メーカーのHPでも以下のように記載されています。

Q.「バーモントカレー」の原材料に「はちみつ」が入っていますが、1歳未満の子供が食べても大丈夫ですか。

A.1歳未満のお子さまには、避けていただくようお願いします。また、離乳食としてのご飲食もお控えください。
【注意】「バーモントカレー」にははちみつを使用しています。製品に使用しているはちみつは、ボツリヌス菌検査を実施していますが、厚生労働省の指導に従い、はちみつを使用した製品を1歳未満のお子様には与えないでください。

ハウス食品株式会社「よくいただくご質問」より

はちみつとメープルシロップの違い

はちみつと似た食品にメープルシロップがあります。どちらも甘くて香りがいいので混同している人もいるようですが、全く別の食品です。簡単に言えば、はちみつの元となるのが「みつばちが集めた花の蜜」などで、メープルシロップは楓などの「樹液」でできています。

はちみつと異なり、メープルシロップは1歳未満の赤ちゃんにあげてはいけない食品ではありません。しかし、離乳食で砂糖などを使い始めるのは離乳後期(9〜11ヶ月)が目安になりますので、それ以降に少量を使う程度にとどめましょう。

まとめ

1歳未満の赤ちゃんには食べさせていけないはちみつですが、授乳中のお母さんには問題ない食品です。妊娠中に続き、授乳中もバランス良い食事を心がける必要があります。育児で忙しいと自分の食事がおろそかになりがちですが、お母さん自身の健康もとても大事です。はちみつ入れたヨーグルトなんかもおすすめですので、休息をとりつつ食事も楽しんでくださいね。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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